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りあるマザーファッカーの告白

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”りある”マザーファッカー★ノンフィクション★アルコール依存症克服【出生】1977 年新宿【教育】歌舞伎町・都営団地【中毒経験】アルコール(寛解※通院中)・軽ドラッグ(寛解)・ギ…
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2019年6月の記事一覧

バイとバイとの息子(C)

トンコ小学校に上がる前、母親は、肘下からか、手首からか、右手がないトンコという女性と一緒にいた。 片手がなかったからオレもよく覚えているが、そのトンコ、母親が寝ている隙にどこかのポケットに入っていたお金を盗もうとしたと珍しく激怒していた事があった。母親が犯行に気付き、未遂で終わったみたいだった。 窃盗はどうでも良いのだが、今考えると盗まれそうになった時、一緒に寝ていたのか、何をしていたのか、よく分からない。バイな母親は、、、と考えてしまう。 既婚者の母親がどこかの部屋で女性

バイとバイの息子(B)

おかま今はテレビなどで市民権を得ている性的マイノリティLGBTの方たち。 両親の周りにも大勢いた。 みんなLGBTの方に見えたこともあったぐらい普通に横にいた。 当時、歌舞伎町交番横、数件建っているホテル前にいたオカマの立ちん坊カール(仮名)さんは、特にオレの思い出に深く刻まれている。 今の言い方だとオネエだと思う。合ってるか心配だけど。失礼があったら申し訳ない。女装をして男色好き。声は男で喋り方は女。有り有り。カルーセル麻紀さんに憧れていたのかもしれない感じだ。間違って

バイとバイとの息子(A)

生まれた昭和52年渋谷の松井医院。 大好きな両親からオレは生まれた。 ずっと新宿で育つことになる。 小学校5年生まで住んでいた新宿六丁目、最寄り駅は最寄りになく、新田裏というバス停が唯一の交通手段だった。 新大久保駅と新宿駅の狭間にある悪いとこ取りの立地だった。 歌舞伎町には徒歩か、自転車だ。 酔っ払いがいるとタクシーだ。 金物屋、天ぷら屋、スーパー、催事場、ペットショップ、乾物屋、お茶屋、クリーニング店、寝具店、肉屋、八百屋、理髪店、花屋、駄菓子屋、酒屋、居酒屋、パン屋

ランドセルを置き安酒をシンクに流す(B)

電線越しの夕焼けと煮物の匂い サイドボードの前には白い冷蔵庫。 北西向き、ほぼ日陰のアパートにピュアな感じで白く佇んでいた。 まともに開くスペースがなかった小さな冷蔵庫の扉の中の記憶はほとんどないが、冷蔵庫上に設置されていたえんじ色の電子レンジにはよく助けられた。 空腹を満たす時に電子レンジでジャガバタを作るのが大好きだった。 友達が来た時は、みんなに振る舞った。 いつまでもオレの家にいてくれという願いを込めて美味しくできるように熱の通りに細心の注意をはらってもてなした。

ランドセルを置き安酒をシンクに流す(A)

欲求段階説 アメリカの心理学者、マズローが唱える「欲求段階説」によれば、人間の欲求は5段階に分けることができる。 (1)生理的欲求 (2)安全欲求 (3)社会的欲求 (4)承認欲求 (5)自己実現欲求 優先順に並んだ(1)~(5)の欲求が低いものから現れ、その欲求が満たされて初めて、次の欲求が現れるとされています。 ちんげも生えてない時代、オレの小学校時代は、マズロー的に言うと二段階目の安全欲求を満たすだけでギリな生活だった。 バトルフィールド 「にいちゃんば

新宿区新宿6丁目

昭和61年頃生活レベルを感じさせるほどドン底まで下がったかのように施工されていたアパートの深い風呂場でペロリとされた未発達重要部位を不安と羞恥の中で洗う少年がいた。 オレだ。 歯槽膿漏独特の獣臭がまとわりついてしまった大事な大事な部位をひたすら石鹸をつけて水洗いした。 何をしているのか、 されているのか、 でも、少し何となくわかるような。。。 落ち着きを取り戻そうと現実を洗った。 自分の大事な何かを汚された感覚は、世間との隔絶をより一層深める原因の1つにになっ