プロレスラーの物販に思う、“プロフェッショナル”論。
気づけば自社の興行前日です。
諸々の準備に追われていますが、思い立ってのnote更新。
ちなみに内容は明日の興行とは一切関係ないです。
PPPTOKYO川崎公演は「PartySoul」としてのイベント初陣。ライブ配信一切ナシの完全ハウスショーとなっておりますので、ひとつよしなに。
チケットは当日までプレイガイドでも当日ギリギリまで購入可能。
当日券も16:15〜販売いたしますので、何卒、何卒!!
■プロレスラーの物販に思ふ。
さて、本日の記事の本題です。
今週はプロレス興行の現場に2本ほど行って来ました。
木曜日にFREEDOMSさんの後楽園ホール大会へ。
本日はEvolution女子プロレスさんの新木場大会へ。
それぞれ全く違うファン層と興行テイストではありますが、いずれも大熱戦に次ぐ大熱戦。会場の雰囲気も非常に良く、様々な局面で学びと気づきがありました。
ちなみに今日観戦したEvo女さんの興行は第一試合からメインまで、見事なパッケージで素晴らしく、以前書いたコチラの記事がムフフと感じるような素晴らしい大会でした。
最近は沢山のプロレス団体をなるべく生観戦して現場を視察しているわけですが、今回はズバリ「物販」という観点から考察していきたいと思います。
熱いぜ、プロレスラーの物販。
否、そんな物販事情に見る仕事の仕方、詰まるところ“プロフェッショナリズム“みたいな事を思うに至る事案もあったので、まとめていきたいと思います。
■物販の仕組みと興行ビジネスの構造を考える。
まず、大前提としてプロレス業界の物販の仕組みはかなり変わっているのではないかと思っています。
それはアーティストやアイドルなどと比較したときにという意味で。
以前もこのnoteで触れていますが、プロレスラーといっても様々な契約形態が存在します。
仮に形式上以下の分類をさせてください。※あくまで個人的考察として
①団体所属選手A(年俸制契約選手)
②団体所属選手B(ギャラ制契約選手)
③専属フリー選手A(特定団体優先出場契約選手)
④専属フリー選手B(特定団体優先出場非契約選手)
⑤フリーランス選手
まず、①についてはその選手は団体及び会社にとっての商品であり、権利は会社に帰属します。なので①の選手についての物販売上はそのほとんどが会社の売り上げとなります。
もちろん個別の契約でマージンは選手に入るとして。
これらは大手団体の多くはそうでしょうし、権利ビジネスの観点で考察すると、WWEなどは団体を離れて何年経ってもその選手にまつわる権利収入はしっかり入るという話も聞いています。
で、日本プロレス業界はそういった権利という考え方よりはMD(=マーチャンダイズ)というカテゴリーとして物販文化が存在していると思います。
②〜⑤にカテゴライズされた選手がガラパゴス化している現在の日本プロレス業界において、この辺りのルールは本当に団体それぞれであり、
物販売上を重要視している団体もあれば、そこまで注力しない団体もあったりするわけです。
それは詰まるところ選手との物販に関する契約をどれだけ詰めているかという事に依拠するんだと思います。
近年だとDDTプロレスさんグループは凄まじい物販売上を記録していると聞きますし、会社の方針としてそちらに振っていくという事は至極正しい事だと感じます。
だから、会社としては選手を年俸で契約していれば、それは自社の商品であるわけで大いにグッズでの売上を立てる事は当然であるわけです。
■フリー系選手にとっての物販。団体目線からシビアに考察。
次に③〜⑤の選手にとっての物販について考えたいと思います。
かくいう自分も、フリー契約の選手時代は自身の物販でありがたく稼がせていただきました。
逆に言えばフリー系選手、特に女子選手においては物販売上がギャランティを上回る選手も多くいると思います。
それくらいフリー系選手にとっては物販というのは大切な商売ツールなわけです。
が、自分で団体運営をいていくと、稀に選手に対して
「コチラはボランティアじゃないんだよ。」
と思うことがあります。
まず、団体の立場としては運営していく上で興行収入が必要なわけで、その興行収入を作り出すための尊いコンテンツとして試合があるわけです。
だから、売上を最大化してくれるパフォーマンスをしてくれる選手に対しては団体としてもwinwinになるような機会を提供したいですし、
言うなれば物販も売上が最大化するような協力をしたいと考えています。
ここでいうパフォーマンスという概念については過去記事にまとめていました。
是非ご覧ください。
話を戻すと、そういったパフォーマンスの差異が存在するのであれば、物販に関しての契約に種類も選手によってパターン分けしていくべきなのでは!?
と最近考えています。それはそれとして。
■「会える」物販の強みと弱み
話が逸れました。本日の議題に戻しつつ。
「会える」物販はやっぱり強いと思った今週のプロレス観戦。
しかしながらそんなに会えてしまって良いのか!?という葛藤もあります。
詰まるところ、大手団体以外は自らプロレスラー(商品)の価値を下げてしまっている部分は少なからずありますし、プロレスラーをしっかりと神棚に戻すという作業もあらゆる観点で丁寧にやっていく必要があるということも逆説的に感じました。
もちろん自分の団体含めて、「会える」物販で勝負しないと難しい規模だからこそ、「会える」ことに対してのハードルは下げつつも、ファンが身内化しないような施策は日々講じていきたいと考えています。
■“プロ“だと思うプロレスラーの物販。物販と品格。
そういった意味で、「会える」物販でもしっかりと自身を神格化して「プロ」としての接客が出来る選手は、リング上にも「品格」が出ている気がします。
しっかりと線引きとお金にシビアなことは、正しいと胸を張って言える選手は素晴らしいと思います。
「会える」物販の成れの果ては、身内ファンで固まってしまい、半径5メートル以内に向けたプロレスしか出来なくなることだと思っているので、
「品格」と「神格」は物販スペースから感じ取ることが出来るなあと思った今週の備忘録でした。
プロっていうのは“品“である。と、つくづく思う今日この頃。
本日の記事はまとまりがなさすぎて勿論無料です。
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ひとつよしなに。
それでは今夜はこの辺で。