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02.思春期を迎えるまで〜セクシャルマイノリティ自覚前

レズビアンの自分史、と言いつつもレズビアンらしさが薄い章になりそうですが、書き進めてみます。
前回、6歳児のときの卒園式でのエピソードから成長して、今回は思春期の真っ只中でセクシャルマイノリティの自覚を迎えるまでを振り返ります。


小学校時代

小学生時代は少女誌「りぼん」の愛読者であり、また「名探偵コナン」の大ファンでした。

りぼんに掲載されている作品たちも、コナンも、登場人物たちの恋愛模様は99%異性愛でしたし、それを疑問に思うこともなく、素直に読んでいた様に思います。コナンで言えば、高木刑事と佐藤刑事の恋愛模様を応援していました(現在もです)。

レズビアンらしい片鱗を思い出すとすれば、コナンの登場人物の女性陣ばかりが特に好きだったことかもしれません。

勿論、コナン君や男性キャラも好きではありましたが、女性陣のメインキャラに共通する【戦う女の格好良さ】に惚れていました。

その後中学に入ると、より【戦う女の格好良さ】の中にある信念や熱さ、切なさ、美しさに気づいていくことになります。

中学時代

中学時代は暗黒でした。何となく察しがつくかもしれませんが、いじめ被害に遭ったこと、それから人間関係やクラスの居心地の悪い3年を過ごしました。

教室は、まるで湿度の高い密室に閉じ込められ、得体と真意の知れない、底知れぬ気味の悪い視線が突き刺さるようなしんどい感覚の空間。

敵なのか味方なのか。
白か黒か。

言葉の真意、そして私への問い掛けから何を引き出そうとしているのか。常に疑心暗鬼の日々の中、酷い時には毎朝過呼吸の発作で咳き込み、涙と洟を流しました。

それでも不登校を選ばなかったのは、いじめの加害者に対する復讐心があったからです。(自分の手を汚す事が嫌だったので何も仕返しはしなかったですが…)それで3年間を生きて過ごしたようなものです。

(その頃から頑張って取り組んでいた事が今の仕事にも繋がっているので、復讐心や何かへ悔しい思いをぶつけたことは、自己の成長として悪くはなかったのかもしれない) まあ尤も、今の自分ならば選択肢さえ有れば不登校を選びますがね...笑

過呼吸で生理的に流れてしまった涙を拭って、大嫌いな夏の制服に身を包んで登校していました。

憧れ、心の支えになった女性キャラクター

ただの偶像崇拝にしか過ぎませんが、その頃の私は、復讐心を胸に信念の為に戦う女性キャラクターへ自己投影していました。
それは、ドラマ・映画「アンフェア」シリーズのヒロイン、雪平夏見刑事。
(演・篠原涼子)

彼女が戦う姿、仲間の裏切りに遭おうとも信念を貫く姿、孤独になろうとも護るべきものの為に血を流すことも厭わない姿、そして折れない強さ。

学校や担任へ「この様な被害に遭っている」「該当の加害生徒と接触しエスカレートしそうな場面を避けたりずらしてもらうことはできないか」と掛け合ったことも何度もありましたが、細やかなケアは得られず嫌な思いを幾度と経験することになりました。
学校組織やそこに属する大人に対して信用できなくなった当時の私は、過去の不正を隠蔽する警察組織を懐疑的に思い、単独行動を選ぶ雪平刑事の姿と重なって共感がありました。

今思えば雪平刑事は、その信念や正義を貫くが故に組織の中で、協調性もなく非常に不器用なキャラクターではありますが、白か黒かしか選択肢が見えなかった13歳の私には非常に格好良く映ったのでした。

彼女の信念をそのままもらって思春期の子が生きるのは少々痛い姿でしたが、いじめや裏切りに対して心を折られてしまうことなく暗黒時代を抜けられたのは、雪平刑事のお陰だったと思います。

雪平さん、戦うあなたの強さと美しさは、あの頃の憧れでした。

その後は成長と共に価値観も広がり柔軟性を持ちますが、
強くて格好いい女性への憧れは後々への萌芽でもあり、今の私自身の理想像そのものでもあります。格好良い女の人は何より素敵だ。

《02.思春期を迎えるまで〜セクシャルマイノリティ自覚前 編 了》

次回からはいよいよ(ようやく?)、セクシャルマイノリティを自覚した
エピソードへと突入出来る模様です・・・!

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