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01.セクシャルマイノリティと自覚をする以前


ぼんやりと持っていた意識


セクシャルマイノリティと自覚したのは14歳頃でしたが、それ以前も思い返せば、幼児の頃からぼんやりと幾つか理由もなく自分の中に譲れないことや求めていることがありました。それは、

  • 蝶ネクタイを締めて、タキシードを着てみたい。(格好良い装いだから)

  • 赤色より青色が好き。赤色は好きじゃない。(女の子は赤というジェンダーの割り振りがまだ強い時代でした)

  • リカちゃん人形よりトミカ派

  • スカートが嫌

思い出せるだけでこんな感じでしょうか?
「女の子はこうであるべき」という様な型に嵌められることへの抵抗はすでに感じていましたが、親に流されて希望通りいかなかったことも多くありました。

より具体的なエピソード

思い返せば、幼稚園の時点でのエピソードがありました。

幼稚園の卒園式にて、私は当時6歳の幼稚園生・年長。
3〜6歳の3年間、時に優しくも厳しかった担任の若い女性の先生(彼女が23〜25歳の間お世話になりました)の普段とのギャップにやられてしまったのです。

幼稚園教諭である彼女の普段の服装は、ラフでスポーティなものを多く着用していましたが、卒園式ではタイトスカートのスーツ姿でした。
普段ポニーテールにまとめている髪型は、式の日にはアップにして花の髪飾りを付け、ドレスアップした姿で私たちを送り出してくれました。

普段、幼児であった私たちを見守ってくれたり、一緒に走り回ってくれたり、時には厳しく指導する見慣れた彼女の姿と違う、淑女のいでたちでした。

彼女が私たちを見送る際、感極まって涙が瞳に浮かんでいました。そしてその瞳は赤くなっていきました。

……そんな彼女がなぜだかとても可愛く、か弱く、美しく見えたのです。
普段の彼女は快活で、強くて、泣いたりする繊細な姿が想像つかなかったから。

(先生も泣くことがあるんだ)と胸の奥がジンと、そしてそわそわとした感覚を覚えています。そのまま見ていたかったし、ちょっかいを掛けたい気持ちにもなった。

こう書き出してみると、思春期以前からレズビアンの素質がしっかりと濃い6歳児ですね。笑

先生はお元気かなあ。
この6歳児がセクシャルマイノリティを自覚するのは、さらに9年後。

《01.セクシャルマイノリティと自覚をする以前編 了》


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