超一流はキャズムを壊す?!
はじめに&結論
今日のテーマは、事象を評価するにも最低限のレベルが必要だよねという話と、超一流は消費者の不足を補って溝(キャズム)を破壊するという話です。
「※イノベーター理論」にも似ていますが、各階層には断絶(キャズム・溝)があると私は理解しています。
※市場におけるユーザー層を、製品の普及率に合わせて5つ(イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード)に分類して分析・解析する理論。
題材と著者の来歴
今回は、音楽(特に歌唱)を具体例にしてお話します。
私はゆるい音楽ファンで、学生時代にはアカペラサークルに入っていました。歌のうまい人が好きですが、自分の限界(音域・音程の甘さ・表現力・歌う姿からあふれ出る人間的魅力の不足)を思い知りました。
一時期は、先鋭化しすぎて、他人の音楽に文句ばかりつけて、インストゥルメンタルの楽曲ばかり聞いていた痛いやつです。
ちなみに、楽器はまったく弾けないので、奏法の違いに疎いため、以下で述べるレベル1レベル。歌唱は一家言?あるのでレベル2という自己評価です。
レベル別の評価
理論構成の都合で、私も5段階に分けてみました。
厳密には、レベルゼロもいますので6段階評価です。
レベルゼロ:そもそも関心がない(蚊帳の外レベル)
音楽を聴いて気分があがる事はあまりなく、付き合いでフェスに行っても疲れるだけ。
レベル1:関心がある(その他大勢レベル)
理由は分からないけれど好き嫌いがあるレベル。
商売としては、パイを広げるのに打ってつけな層。
レベル2:自説がある(ファンレベル)
主観的な好みと客観的な論理構成(なぜ良いか)があり、なぜ好きかが説明できるレベル。
音楽の場合、ジャンルがかなり細分化されているため、本質的理解とは無縁ながら、好みの曲を見つけるには棲み分けを多少理解している必要がある。
レベル3:人前に出せる(セミプロレベル)
課金する人がいるかは怪しいが発表しても問題ないレベル(より高水準のプロには甘さが露呈する)。あるいは、消費者・評価者としてプロの仕事でも差が分かってしまうレベル。かじった事があるレベル&一般庶民の到達限界と私は思っています。
最近では、レビュー動画や解説動画でマネタイズできているのでレベル4との境界があいまいです。しいて言うならば、「言語化」スキルが高いと分かりやすく大衆向け(レベル1や2向け)にコンテンツ制作できるので「その道」「特定の方向性」ではプロとも言えます。
ボイストレーナー(本人のオリジナル曲ではマネタイズできない)が人気曲を解説する動画などは、一定の技術水準と言語化能力の掛け算で「商品」が生み出されています。
そう言った意味合いでは、本人の歌では商品になりませんが、歌い方のレッスンや曲の解説では商品になり、プロレベルと言えます
ボイストレーナーの方が、女王蜂の動画を解説する際に、技能を超えた領域についてコメントしています。自分を燃やして、聞く人の心を震わせる力が自分にはなかった(なので、歌手の仕事が出来ていない)という内省をしています。
レベル4:マネタイズできる・プロになれる(プロレベル)
課金する人がいるレベル。ライブ配信の投げ銭や動画チャンネルの収益化もありますので、現代はレベル3と4の境界があいまいな時代だと感じます。
ちなみに、個性・才能・評価されるポイントに差が有りますので、歌詞が良い・共感できる・声が個性的・ルックスが良いという評価軸で売れていて、歌が上手いわけでない歌手も居ます(めちゃ失礼)。
そういった意味では、市場のゆがみやタイミングでプロになれるかが決定してしまいます。
一発屋が生まれるのも、この「波」があるからだと私は考えています。アメトーークで使用されているマイシャローナで有名なザ・ナックはこれかなと思っています。(ファンの方、本当にごめんなさい。)
ちなみに、ザ・ナックでグーグルに打ち込むと、検索候補で「ザ・ナック 一発屋」と出てきます。現実は厳しい。
レベル5:プロの中でも群を抜ける(超一流レベル)
業界で一目置かれる。素人でも「何か違う」と分かるレベル。
正直、歌詞の意味がわからなくても、発声や声量や音程の揺らぎが相まって涙が出てくるレベルです(作詞した方ごめんなさい)。
ちなみに、歌手でいうとフレディマーキュリーはこのレベルだと思います(中学生のころ、英語が分からなくても、涙が出てきました)。
ボヘミアンラプソディーが映画化されたのも彼の功績と才能が偉大で、素人にも感じる物があるからだと思います。
Somebody To Loveなどは歳をとり、繰り返し聞くにつれて、曲の素晴らしさやメッセージ性に気づき、折にふれて聞き返す名曲になりました(作詞・作曲した方ありがとうというか、この曲はフレディ作らしい。歌だけじゃなかったマジ凄い)。
多様性やセクシャリティについて、公に話せる今だからこそ、クイーンの曲がより沁みるような気がしています。文章を書きながら思い出してしまう辺り、チープな表現ながら神曲だなと思います。
ちなみに、ここ最近で日本人の歌手でこの水準にあるなと感心するのは、長屋晴子さん(緑黄色社会のボーカル)です。歌詞や舞台背景を置き去りにして、涙するレベルでした。歌詞を考えると、少年漫画の主題歌じゃない(少女漫画・群像劇っぽい背景)気がしてきますがここではこれ以上言及しません。
おわりに
最後に私の仕事の話を少し。
現在、お酒を造る仕事をしています。売れる商品はなにか?と自問自答して、ビジネス書でノウハウを拾っていますが、理想は「圧倒的な質で消費者を驚かせる」ことです。
マーケティングやバズ狙いではなく、圧倒的なクオリティで世間の評価をねじ伏せたい・・・でも、それが出来ない。
多分、俺は超一流の器じゃない・・・と思いつつ働いています。
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