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changemaker #6 探究学習 (マインドセット2-飛躍的思考)

「changemaker」では、探究学習を通して「パラダイムシフトを起こすことができる『チェンジメーカー』を育成する」ことを目指しています。

これは、VUCAという不確実性の高い社会において、環境が大きく変化しているにもかかわらず、今までと同じ課題今までと同じ視点で捉えたり、今までと同じ課題今までとは異なる視点で捉えるだけでは、想定内の解決策しか生み出すことができず、パラダイムシフトを起こすことはできないと考えています。

そこで、環境が大きく変化している中で、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題今までとは異なる視点で捉えることにより、想定外の解決策を生み出すことができる「チェンジメーカー」を育成する必要があると考えています。


想定外の解決策を生み出すことにより、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えることによって、固定観念を顕在化させると共に固定観念から脱却することが必要となります。

そこで、顕在化している課題をそのまま捉えるのではなく、潜在化している課題、つまりは、固定観念を捉える(顕在化させる)ためには、無意識の思考パターンである「マインドセット」が重要となります。


【意外なこと・あり得ないこと】

固定観念を顕在化させるためには、「飛躍的思考」という「マインドセット」が必要であり、「飛躍的思考」とは、「意外なこと」「あり得ないこと」というような極端に振り切った想定外の非常識な事象を捉える無意識の思考パターン(概念化)となります。

「飛躍的思考」における「意外なこと」「あり得ないこと」とは、想定外のことであり、現実的なことではないことから、「意外なこと」「ありえないこと」を考え抜くものの、具象的に捉えることができず、手詰まりの状態となります。

そして、手詰まりの状態となることにより、「一層のこと・・・」と意識することによって、一段階上の事象を捉えることにあわせて、事象を対極的に捉えることとなるなど、極端に振り切った想定外の非常識な事象を想起することとなります。


【機能レイヤー・目的レイヤー】

例えば、「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という課題を捉えたとします。

赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」(事象)

「一層のこと検診を受診しないということはできるのか」
途上国では検診を受診していない」(法則)
「日本では検診は受診するものである」
「日本における赤ちゃんの生存率より本当に検診を受診する必要があるのか」
「途上国では不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っている」
「どうして不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っているのか」
途上国では不衛生であることもあり免疫力が高い」(仮説)
「日本は衛生面に配慮しすぎるため免疫力が低下している」
「どうすれば日本においても途上国と同様の環境を作ることができるのか」
「衛生面のレベルを低下させることにより免疫力を高めることができる」
「予防接種的な発想を活用できるのではないのか」
「あえて菌(常在菌)を投与することにより免疫力を高めることができる」

「未病のための免疫力を高めることができる常在菌の入った薬」

はじめに、「意外なこと」「あり得ないこと」という「飛躍的思考」に基づくことなく考えた場合、「病院で長時間待たされるのは仕方がない」「病院へ連れて行くのは仕方がない」という課題に対して、「病院へ行く」という同じ機能レイヤーで捉えることとなります。

そして、課題を解決しようという意思に基づき、「病院へ行く」の対極にある「病院へ行かない」を捉えることによって、「病院へ行くことなくリモートにより検診を受診する」というような、想定内の常識的な事象を捉えることとなります。


一方で、「意外なこと」「あり得ないこと」という「飛躍的思考」に基づき考え抜いた場合、「病院で長時間待たされるのは仕方がない」「病院へ連れて行くのは仕方がない」という課題に対して、はじめは「病院へ行くことなくリモートにより検診を受診する」というような、機能レイヤーで捉えた想定内の常識的な事象を捉えることとなります。

そこで、機能レイヤーにより捉えた想定内の常識的な事象である「病院へ行くことなくリモートにより検診を受診する」に対して、さらに「意外なこと」「あり得ないこと」を考え抜くことにより、「意外なこと」「あり得ないこと」は現実的なことではなく、具象的に捉えることは困難であることから、手詰まりの状態となることとなります。

ここで、手詰まりの状態から脱却するため、「一層のこと・・・」ということを意識することによって、「一段階上」の目的レイヤーを捉えることとなることにあわせて、「一層のこと・・・」の文脈の前後で事象を「対極的」に捉えることとなります。

事例では、「病院へ行くことなくリモートにより検診を受診する」に対して、「一層のこと・・・」を意識することにより、「病院へ行く」という機能レイヤーに対して、「検診を受診する」という「一段階上」の目的レイヤーで捉えることとなります。

そして、目的レイヤーである「受診するを受診する」に対して、「検診を受診しない」というように、捉えた事象を「対極的」に捉えることによって、「未病のための免疫力を高めることができる常在菌の入った薬」というような、極端に振り切った想定外の非常識な事象を捉えることができることとなります。


【課題発見フェーズにおける固定観念の顕在化・脱却】

これらのように、「意外なこと」「あり得ないこと」という「飛躍的思考」に基づき考え抜くことにより、抽象度の高いレイヤーで課題を捉えることによって、これらの課題における目的である「検診は受診する」という常識,つまりは、潜在化した固定観念を顕在化させることができることとなります。

そして、「検診は受診する」という常識(固定観念)に対して、極端に振り切った想定外の非常識な課題を捉える上で、「一層のこと・・・」ということを意識することにより、常識の対極にある非常識を捉えることによって、固定観念から脱却できることとなります。


【まとめ】

これらのように、「飛躍的思考」というマインドセットに基づき、「意外なこと」「あり得ないこと」という極端に振り切った想定外の非常識である課題を捉えることによって、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えることができる「チェンジメーカー」になることができると考えます。


#1 探究学習(思考方法1-論理的思考・創造的思考)
#2 探究学習(思考方法2-創造的思考方法)
#3 探究学習(思考方法3-固定観念顕在化)
#4 探究学習(思考方法4-固定観念脱却)

#5 探究学習(マインドセット1-無意識的思考パターン)
#6 探究学習(マインドセット2-飛躍的思考)
#7 探究学習(マインドセット3-俯瞰的思考)
#8 探究学習(マインドセット4-懐疑的思考)

#9 探究学習(課題発見1-ゲイン・ベイン)
#10 探究学習(課題発見2-見える・見えない)
#11 探究学習(課題発見3-当然・当然でない)
#12 探究学習(課題発見4-利害関係者)

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