見出し画像

changemaker #7 探究学習 (マインドセット3-俯瞰的思考)

「changemaker」では、探究学習を通して「パラダイムシフトを起こすことができる『チェンジメーカー』を育成する」ことを目指しています。

これは、VUCAという不確実性の高い社会において、環境が大きく変化しているにもかかわらず、今までと同じ課題今までと同じ視点で捉えたり、今までと同じ課題今までとは異なる視点で捉えるだけでは、想定内の解決策しか生み出すことができず、パラダイムシフトを起こすことはできないと考えています。

そこで、環境が大きく変化している中で、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題今までとは異なる視点で捉えることにより、想定外の解決策を生み出すことができる「チェンジメーカー」を育成する必要があると考えています。


想定外の解決策を生み出すことにより、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えることによって、固定観念を顕在化させると共に固定観念から脱却する必要があります。

そこで、顕在化している課題をそのまま捉えるのではなく、潜在化している課題、つまりは、固定観念を顕在化させるためには、無意識の思考パターンである「マインドセット」が重要となります。


【全方位的視点】

固定観念から脱却するためには、「俯瞰的思考」という「マインドセット」が必要であり、「俯瞰的思考」とは、自身を中心に全方位的に事象を捉えた上で、事象を構造化することによって、全体を俯瞰的に捉える無意識の思考パターン(構造化)となります。

「俯瞰的思考」における自身を中心に全方位的に事象を捉えることとは、捉えた事象に至るまでの状態、現状の範囲の状態、将来に向けての状態など、関係する人や物の全てを構造的に捉えたコンテクスト(文脈全体)のことを言います。

そして、構造化した常識であるコンテクストに対して、飛躍的に捉えた非常識が二項対立することにより、構造化した非常識であるコンテクストを捉えるなど、俯瞰的に捉えることととなります。


【常識であるコンテクスト・非常識であるコンテクスト】

例えば、「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という課題を捉えたとします。

赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」(事象)

「一層のこと検診を受診しないというはできるのか」
途上国では検診を受診していない」(法則)
「日本では検診は受診するものである」
「日本における赤ちゃんの生存率より本当に検診を受診する必要があるのか」
「途上国では不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っている」
「どうして不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っているのか」
途上国では不衛生であることもあり免疫力が高い」(仮説)
「日本は衛生面に配慮しすぎるため免疫力が低下している」
「どうすれば日本においても途上国と同様の環境を作ることができるのか」
「衛生面のレベルを低下させることにより免疫力を高めることができる」
「予防接種的な発想を活用できるのではないのか」
「あえて菌(常在菌)を投与することにより免疫力を高めることができる」

「未病のための免疫力を高めることができる常在菌の入った薬」

自身を中心に全方位的に捉える上で、赤ちゃん、赤ちゃんの母親、来院している他の母親、検診機関の医師・看護師、検診機関の設備、日本の保険制度、日本の健康事情などから、「日本における赤ちゃんの生存率より本当に検診を受診する必要があるのか」というように、日本における検診に関わるコンテクストを想起することにより、日本において常識であるコンテクストを構造的に捉えることとなります。

そして、構造的に捉えた日本において常識であるコンテクストに対して、「意外なこと」「あり得ないこと」(飛躍的思考)である「検診を受診しない」が二項対立することにより、「途上国では不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っている」というように、日本において非常識であるコンテクストを構造的に捉えるなど、俯瞰的に捉えることとなります。

これらのことから、「途上国では不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っている」というように、日本において非常識であるコンテクストを構造的に捉えることによって、「検診を受診する」という固定観念から脱却できることとなります。


【課題転換フェーズにおける固定観念からの脱却】

これらのように、「検診は受診する」という常識と「検診を受診しない」という非常識が二項対立することにより、「そういえば、途上国では不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っている」という具象的に捉えた新たな常識(日本では非常識)を想起することによって、「検診は受診する」という固定観念から脱却できることとなります。

そして、固定観念から脱却することにより捉えた「検診を受診しない」という新たな常識に対して、「途上国」から「不衛生」、「不衛生」から「免疫力」へ連想するなど、「途上国では不衛生であることもあり免疫力が高い」という具象的に捉えた新たな常識(日本では非常識)における理由を推論することによって、より明確に「検診は受診する」という固定観念から脱却できることとなります。


【まとめ】

これらのように、「俯瞰的思考」というマインドセットに基づき、「時間軸」「空間軸」「意味軸」で捉えることにより、事象を構造化・概念化することによって、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えることができる「チェンジメーカー」になることができると考えます。


#1 探究学習(思考方法1-論理的思考・創造的思考)
#2 探究学習(思考方法2-創造的思考方法)
#3 探究学習(思考方法3-固定観念顕在化)
#4 探究学習(思考方法4-固定観念脱却)

#5 探究学習(マインドセット1-無意識的思考パターン)
#6 探究学習(マインドセット2-飛躍的思考)
#7 探究学習(マインドセット3-俯瞰的思考)
#8 探究学習(マインドセット4-懐疑的思考)

#9 探究学習(課題発見1-ゲイン・ベイン)
#10 探究学習(課題発見2-見える・見えない)
#11 探究学習(課題発見3-当然・当然でない)
#12 探究学習(課題発見4-利害関係者)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?