マーケティングトレース#4 Minimal -Bean to Bar Chocolate
今回はメディアでの露出も多く、注目が高まっているチョコレートブランド「Minimal -Bean to Bar Chocolate」を運営されている株式会社Baseさんをトレースさせていただきました。
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◆トレース方針
代表の山下さんが元コンサルということもあり、自社の戦略をかなり言語化されてnoteで発信されていました。なので主に、山下さんの戦略を参照させていただきました。
※山下さんのnoteでは、ブランド戦略やプロダクトに対する基本姿勢など、モノづくりに関わる人にとってヒントになる多くの知見を発信してくださっています。
◆学び
・PR戦略
Minimalでは当初、広告宣伝費に予算をつける余裕がなかったためPR手法をかなり工夫されたようです。
「Bean to Bar」や「カカオの美味しさをそのまま」届けるというコアコンセプトはブレることがない一方、取り上げられる「切り口」は媒体ごとに細かくチューニングすることで、掲載率を飛躍的に高め、3年間で1500媒体以上に取り上げられたとのこと。
その他にも、「セールスターゲットとブランドターゲットの棲み分け」や「ポジショニングマップ作成による差別化」など、PR手法や下準備を丁寧にされたからこそ、「Bean to Barチョコレートといえば、Minimal」という認知を獲得できたそうです。
・ユーザーと直にコミュニケーションしながらABテスト、PMF検証を行う。
もう一つ、大きな学びになったのが、実店舗での運営という利点を生かしてユーザーと直接コミュニケーションを取ることでPMFを高め、プロダクトをさらに磨き上げていくという視点でした。
ブランドコンセプトでもある「カカオの美味しさをそのまま届ける」を押し付けるのではなく、コンセプト(強み)とユーザーインサイトの一致点を丁寧に探っていくのは、ブランド戦略の基本と言われながらも、中々できている人は少ないだろうなと感じました。(もちろん僕もです。。)
自社が強みだと思っているコンセプトが、ユーザーにとってその商品を選ぶ「本当の理由」になっているのかは、どんな時も忘れずに意識しておきたいと思いました。
◆最後に
トレースさせていただくことを決めてから実際にMinimalのチョコレートを購入したのですが、チョコレートの香りの芳醇さに驚きました。数種類のフレーバーがあるのですが、原料はカカオと砂糖だけなので、違いはカカオのみ。それだけで、驚くほど異なる世界観がフレーバーごとに表現されていました。
また、今回のトレースでは手法にフォーカスして強みを抽出してきましたが、代表の山下さんも仰られているように、最大の違いは「思想」だと感じました。
骨太の「思想」と、チョコレートに対する「愛」とそれを裏付ける「商品改良の日々」...。これらがMinimalの本当のコア・コンピタンスだと思うのですが、その分析はまた別の機会に。
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