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【Some Flowers制作日記 その11】

■Chapter10 ボーカル録り
2月から始まったズカルフのレコ発ツアーも終わり、ようやくこれで一段落。
しばらく手つかずにしてあったままの、ぼくのソロアルバムのレコーディングを再開することにした。

配信ライブも含めた、怒涛のズカルフライブシリーズの疲れがまだ身体に残ってはいるものの、そんなことも言ってられないので、今日はレコーディングエンジニアの玄ちゃんこと、玉井さんのプライベートスタジオにお邪魔して、何曲かの歌入れを行ってきました。

電車に乗ること数十分、黄砂のせいなのか車窓から見える遠くの景色がぼやけて見える。
あれこれと考え事をしていたら、あっという間に下車駅に到着。某駅に着くと玄ちゃんが車で迎えに来てくれていた。

玄ちゃん宅のスタジオに着くとまだ時刻は午前中。こんな早い時間から果たして声が出るのか少し不安になってきた。
普通、ボーカル録りというのは午後から開始することが多い。午前中はまだ身体が目覚めていないのと、喉も開いていないためからなのである。

でもぼくは午前中から身体も目覚めている(はず)ので、おそらく大丈夫であろう(笑)。

早速本日のミッションである、一曲目の「陽だまり」という曲の歌入れからスタート。
声出しを兼ねて何度か軽く歌ってみる。うん、喉の調子も悪くない。
この陽だまりという曲はぼくの作詞作曲の作品で、男女の掛け合いの曲だ。いわゆるデュエットというヤツである。

今回は女性パートの部分を、毎回千葉トリオの配信ライブで素敵なボーカルを披露してくれている、涼子ちゃんにお願いすることにした。
彼女に打診してみると快く快諾してくれた。嬉しい。
でも今日はぼくのパートだけの歌入れなので、涼子ちゃんはいない。ちょっと寂しい(笑)。

自分のパートを何回か歌ってみる。自分で作った曲なのになかなか手強い。
それでもテイクを重ねるごとにだんだんと良い感じになってきた。 
ぼくのボーカルを数テイク分録って終了。
ボーカル録音が終わると、今度はその録ったテイクの中から良い箇所をつなげてOKテイクを作るのだが、今日はそこまでの作業はやらないで、その作業はまた後日に持ち越すことにする。

エンジニアの玄ちゃん作業中。背後から盗撮(笑)

少し休憩の後、もう一曲の歌入れ開始。
二曲目は「Heart of gold」という曲。自分で作った曲の中でも一二を争うぐらい大好きな曲だ。
でも好きなのと実際自分で歌うのとはまったく勝手が違うので、果たしてちゃんと歌えるのか少し不安になる。

この「Heart of gold」という曲はとても音域の広い曲で、下から上までかなりの音程の幅がある。
特に高音部のG(ソ)の音は、ぼくにとってはかなりキツい音域で、相当気張って歌わないと出ない。
若い頃は結構楽に出たGの音も、今のぼくの年齢になると出すのがかなりキツい。

そのためそのGの音が気持ち良く出るまで何度も歌うのだが、無理してそこの箇所ばかりを何回も歌っていると、今度は喉に負担がかかってスカスカの声になってしまうため、慎重にならざるを得ない。

ひとまずその高い箇所は後回しにして、AメロBメロの箇所から録って行くことにする。
レコーディングでの歌入れというのは、必ずしも最初から最後まで一曲を通して歌うわけではない。
そりゃ一気に最後まで歌って、ハイおしまい、とか言う方もいないでは無いが、よほどの大御所の方でもないかぎりは、ブロックごとに歌っていく方法をとっている方が多いのではないかと思う。

ぼくはもちろんコマ録り姉妹方式での歌録り。
何故に最初から最後まで通して一気に録音しないかと言うと、ぼくの場合は集中力が続かないからなのである。

ライブでは一発勝負なので、たとえ音程が悪かろうと声が出なかろうと勢いで歌ってしまうのだが、レコーディングでの歌唱は、音程やニュアンスは勿論のこと、リズムや息継ぎの場所等も細かく確認しつつ、修正して行きながらの作業になるため、途中で止めてそのつど確認しながら歌い直して行くのである。あくまでぼくの場合の話だが(笑)。

そんないろんなことを気にしながら、何度も同じフレーズを歌っては、音程やニュアンスやリズム等の確認修正をしていく。
何度も何度も歌っていたら新たな発見が。この曲を何度も歌っていると、歌詞の素晴らしさがジワリと沁みてきた。

「Heart of gold」の歌詞は、大学生のグループが海に借りたハウスで合宿をしながら、自分達の音楽を作って行くという、ひと夏の体験の中で、芽生えたロマンスを歌った曲だ。
ちなみにこの曲の詞は作詞家の秋谷銀四郎さんに書いていただいた。さすがはプロの作詞家、実に素晴らしい詞である。

そんな詞を噛み締めながら、数テイクのボーカルを録って無事に終了。何とかちゃんと歌えて安心した。
そしてなんと、この曲のコーラスには、エンジニアの玄ちゃんにも参加してもらった。ぼくの声と玄ちゃんの声が混ざったコーラスは一聴の価値有り。お楽しみに。

熱唱中のぼく(笑)

ちょっと時間が余ったので、「Harbor Lights」のボーカルも録音してしまった。
歌入れ初日からなかなか快調なスタートである。
この感じで残りの曲も録って行けたらいいなぁ。

続く。

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