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【百人一首鑑賞】なげきつつひとりぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る 右大将道綱の母

■なげきつつひとりぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る   右大将 道綱の母

(詠んであじわう)なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは
いかにひさしき ものとかはしる

【訳】今夜もいらっしゃらなかった…
ためいきをつく 独り寝の床の 夜の長さ 夜明けまでの長さを
あなた、ご存じ?

田辺聖子 小倉百人一首より

妾(しょう)の悲しみ

右大将道綱の母、というと、大河ドラマ光る君へで言うと、そう!まごうことなきこの方!

ドラマでは、「藤原寧子」となっている、財前直見さん演じるこのお方です。そうそう!蜻蛉日記の作者でもありますよね。本当のところは本名が分からないので、子供の母ということになっているみたい。この人のお父さんが藤原倫寧というので、ドラマではそこから一文字もらって『寧子』としたのでしょうかね?

「光る君へ」で映像化されているので、生々しいのは具体的なイメージができちゃうこと。この歌のお相手はあの方しかいませんものね💦

我らが兼家さま!!!!!

いやはや、ドラマを見てしまうとこんな和歌も書きたくなるよね💦と納得です。兼家さんは正妻時姫さんがいらして、道長たちお子もいらっしゃいますしね。道綱もあのキャラクターで何やら切なし。

でも兼家が亡くなる前に、この歌ほめてましたね。脚本家の演出本当に粋だわ!


実は、兼家の返答の和歌もあるらしい

他の女性の家々を周り、自分のところに来てくれない兼家にうらみつらみの和歌ではあったけど、なんとこの和歌への返答があった!ということを田辺聖子先生の著書で分かりました。

げにやげに 冬の夜ならぬ 真木の戸も おそくあくるは わびしかりけり

げにやげに、というのは「いや、本当におっしゃり通りです」というニュアンスみたい。これ、謝っていますね。また兼家のマメマメしさも伝わってくるような。

和歌のやりとりをしたとき、寧子(ドラマでの名前を借ります)は道綱が生まれたばかり。でも頼りにしている父も遠く陸奥に赴任中だったといいます。心細さマックスの時に、夫がこれだとそれはお冠ですよね( 一一)

こうなると、蜻蛉日記も読んでみたい

寧子さんに興味が湧いてきます。。。蜻蛉日記読んでみたいな。。。もちろん田辺聖子先生の訳で。。。(原文でよめる力は残念ながら持ち合わせておりません💦)

妻として母として、たくましい彼女の一面を知れそうです。

なお、古典となると、LADY-KAMAAは、田辺聖子先生が必ず古典の入口となっています(笑)

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