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【USCPAへの道】FAR合格までの旅2(テスト当日と結果)

(持ち物のチェック)

テスト当日は次のものを持っていきました。

①パスポート、②NTS、③予約番号がわかるメールのプリントアウト、④Scratch paper & pencils(試験中に紙と鉛筆を使う許可を事前にメールで取りました)

③予約番号がわかるメールのプリントアウト

予約番号メール

④Scratch paper & pencils

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9.試験当日 & 試験中

自分の試験時間は午後1時ごろでしたが、ホテルのチェックアウト時間が12:00でしたので、11:50分くらいにチェックアウトし、試験会場に向かいました。試験会場はホテルから徒歩10分のところで、12時過ぎには試験会場のプロメトリックに到着していました。手荷物をロッカーに入れ、手続きを済ませると、席が空いているので、すぐに試験を始められるとのことです。ですので、トイレに行って、気持ちを落ち着けてから試験を開始しました。

テストを受けるコンピューター室に入る前には、毎回ズボンのポケットや袖、足首周りにメモなどを隠していないか、電子機器は所持していないかしっかりとチェックされます。コンピューター室に持ち込めるのはパスポートと試験官からもらった計算用紙と貸し出してくれた電卓、ティッシュ2枚でした。ティッシュや計算用紙が追加で試験中に必要になれば、ベルを押してそのことを伝えるともらうことができます。

指定された席につくと、自分の受験番号を入力し、5分以内にテストを始めないと、棄権とみなされると聞いたことがあります。受験番号に間違いがないかきちんと確認し、深呼吸して、よし頑張ろうと気持ちを引き締めてテストを開始しました。また、事前にテストの時間配分(Testlet1(MC33問) 40分、2(MC33問) 40分、3(TBS2問) 40分、4(TBS3問) 60分、5(TBS3問) 60分)について考えていたので、それを頭の中でもう一度確認しました。

FAR時間配分

テストの第一印象として、モニターの大きさに対して、文字が小さいと感じました。そこで自分で文字の大きさを変更できるか試してみましたが、無理でしたので、試験官に尋ねてみました。でも、文字の大きさは変えられないといわれたので、そのまま試験を続けました。

Testlet1が始まると、まず計算用紙の見えるところに「3:20」とメモしました。これはMC問題33問はだいたい40分で終わらせたいので、テスト時間残り3時間20分まではTestlet1に取り組んでいいというサインです。わからない部分は捨てながら、どんどん問題を解いていくと、模擬試験に比べて簡単だなと感じ、自信が湧いてきました。だいだい38分くらいでTestlet1を終えることができました。少し見直しして、わからないところはダミークエスチョンかもしれないと思い、潔く捨てることにし、適当に選びました。テスト本番ではダミークエスチョンと呼ばれる採点されない問題が含まれているみたいで、テキストに載っていないような内容だとダミークエスチョンの可能性が高いので、このような問題に遭ったら、捨てようと事前に決めていました。

次に、Testlet2についてですが、同様に、メモ用紙の端に「2:40」と書き、Testlet3-5のTBS問題に2時間40分残そうと決めました。Testlet2を半分ほど解いたところで、Testlet1に比べて難易度が上がっているように感じました。ガイダンスでTestlet2の難易度はTestlet1の出来具合によって変わるという話を聞いたことがあってので、個人的にはTestlet2の難易度が上がったということは、Testlet1は結構出来ていたのかなと考えながら、なんとかTestlet2に食らいついていきました。内容が少し難しかったせいで、予定より少し時間がかかりましたが、2時間35分ほど残してMC問題66問を終えることができました。

ここでTestlet3に入る前にトイレ休憩を取りました。このタイミングで休憩をとったのは、テストの時間が減っていきますが、MC問題を解いて少し疲れたので、すっきりした気持ちでTBSに臨みたかったからです。Testlet3と4の間には15分の休憩が取れます(テストの残り時間は減りません)が、それ以外のタイミングで休憩をとるとテストの時間が減っていきますので、注意してください。

Testlet3が始まると、今回も同様に「2:00」と書いて、自分の中で制限時間を決めてTestlet3に臨みました。受験から時間がだいぶ経ったので、Testlet3の内容をあまり覚えていませんが、結構時間がかかって少し焦った記憶があります。結局予想よりも時間がかかりTestlet3を終えた時点で残り時間は1時間50分ほどでした。TBS問題は部分点があるので、少しでも点を稼ぎたいという思いが強すぎると、時間をかけすぎて、Testlet5に使える時間が少なくなるので、ある程度時間をかけたら、完成していなくても次のTestletに進むことが大切だと思います。

Testlet3と4の間には15分の休憩があるので、水分補給して、おにぎりを一つ食べてエネルギーを補給しました。またもう一度トイレに行って、自分一人の空間で、心を落ち着け、「今のところいい感じやで。あとちょっと頑張ろう」と自分に声をかけて、気持ちを切り替えてTestlet4に臨みました。(休憩が終わって入室する際にまた身体検査があるので、少し余裕を持って戻るといいと思います。)

Testlet4が始まると、まず問題を見て、大体どれくらいかかるかなと考え、少し時間が押していることも考慮して、「0:50」と書き、Testlet5に50分残すことにしました。今回Testlet4にはDRS問題(Document Review Simulation)が含まれていました。今回のDRS問題はこれまで模擬試験などで解いてきた問題と異なり、ある取引や事象についてデータベースを使い検索する必要がありました。例えば、「"FASB ASC 205-10-05-01"に基づきこのような処理をした」と問題文にかかれており、これが正しいと思えば、"Original Text"を選び、間違っていると思えば、正しいデータベースの参照箇所が書かれた選択肢を選ぶという感じです。このような形式のDRS問題は初めてだったので、少し時間がかかりましたが、一つ一つきちんとデータベースで検索すれば正解できるので、時間をかけて丁寧に解きました。その他には、このTestletでは連結の問題が出ていました。それほど難易度は高くありませんでしたが、見直しをしていたら思ったよりも時間がかかり、最終的に45分くらいを残してTestlet4を終えました。

TBS問題の注意点ですが、TBS問題ではマイナスの数字はどうやって表示するのか、答えが0になるときは0と書くのかそれとも空欄にしておいていいのかなど、問題ごとに表示方法が書かれているので、見逃さないように注意してくださいね。せっかく答えはあっているのに、答え方を間違えてしまうと✖になるかもしれませんし、このミスはかなり痛いです。

いよいよテストの集大成Testlet5です。まずどんな問題が出題されているのか確認するため3つの問題を見ました。Testlet4のDRS問題がリサーチ問題に似ていたので、リサーチ問題はもう出ないのかと思っていましたが、Testlet5でもリサーチ問題が出題されていました。リサーチ問題は解いてみても合っているか確証がないので、後回しにするようにしていて、全問正解できなくても、半分でも取れたらいいかなという感じです。残りの2問は優先株式や社債の発行に関する仕訳問題と売掛金をそれぞれの取引先ごとにチェックして、B/Sの売掛金残高が正しいか確認する問題でした。まず、簡単に点が取れそうな仕訳の問題を10分くらいで完成させ、次に売掛金の問題に取り組みました。この問題では資料が7つくらい与えられており、一つ一つの内容は難しくないですが、資料が多く、複雑に感じました。またこの問題を解いているときにテスト用のコンピューターのモニターの文字のサイズがTBS問題に合わせて設定されているのではと思いました。MC問題を解くには文字が小さくて少し見にくかったですが、TBS問題では4つの資料を同時に並べてみることができ、非常に便利でした。また本番の試験ではTBS問題の資料の文章にマーカーを引ける機能があり、別の資料に切り替えて、もう一回戻ってきたときや見直しのときに確認する場所がすぐにわかって便利です。そして最後に残った12、13分でリサーチ問題に挑戦しました。今回は、たしか繰延税金負債の処理または表示についての出題でした。途中までは簡単に絞り込むことができたのですが、最後に2つくらいの候補で迷いました。まだ時間があったので、じっくり考えて、キーワードを入れ直して、検索したところ、ぴったりの基準を発見したので、それに決めました。残り時間2分くらいのところで全部の問題を完了させることができました。残った時間記入漏れがないか確認して試験終了です。

試験終了後にはパソコン上にアンケートが表示され、それに答えてから退室しました。みんなそれぞれ自分のタイミングでテストを始めるのでテスト終了時間もそれぞれ異なります。ヘッドホンも用意されており、テストに集中することができました。今回は12/4受験で、12/16結果発表という流れになっていました。

10.FAR合格発表

12/4受験で、12/16結果発表なので、結果発表まで2か月弱かかる簿記1級に比べると、かなり短いですが、結果が気になって、待ち遠しかったです。

今回は、89/100というスコアで合格することができました。 この点数と自分のテストでの出来具合から、やはり今回合格できた勝因はみんなが取れる簡単な問題や部分点をしっかりとり切れたことだと思います。そういう意味では、事前の計画のおかげで、テストの時間配分が上手くいったと思っています。

FAR結果

11.FARを学習・合格した感想

まずFARを勉強し始めて、かなり簿記1級の範囲と被っているなあと感じました。簿記1級まで勉強していたおかげで、FARの学習がかなりスムーズに進みました。計算問題のレベルは簿記1級の方が難しいですが、FARは浅く広くといった感じで、例えば、「Held for sale」とみなされるための要件なども覚えないといけませんでした。また、簿記1級ではあまり出てこないEPSの計算や優先株式、配当などの分野の学習は新鮮で面白かったです。さらに、簿記1級ではまったく触れていない分野である公会計やNPO(FAR5)は以前から少し興味があったので、学習する良い機会となりました。

FAR、財務会計では、仕訳が多く出てきますが、一つ一つ覚えようとするよりもなぜこのような処理をするのか考え、理解すると、仕訳は自然と覚えられると思います。簿記1級を独学で勉強していたころは仕訳を片っ端から頭に入れようとしていましたが、プロ簿記というオンラインコースを受け始めてからは、そもそもの「本質」を理解しようとすると、仕訳も自然と理解できるようになりました。例えば、減損損失について、単純に減損損失xxx/機械など(または減損損失累計額)xxxという仕訳を覚えるだけでなく、そもそも資産は将来のお金の獲得に貢献する経済的資源であるから、簿価よりも将来稼げるお金が少なくなったら、切り下げないといけない、それが減損であると理解していると、このような仕訳を切る理由もわかり、仕訳が自然と頭に入ってきます。また、債務のリスケジュールについて、債務者側は新しい債務を割引せずに、貸方に計上しますが、これは保守主義に基づく処理で、保守主義では負債や費用は早く大きく計上するから、割り引かないのだと考えると、割引計算しない理由もはっきりわかります。

またUSCPAの勉強は英語の勉強にもなります。以前金融や経済の用語の英単語帳を買ったことがあるのですが、数回見ただけで、読むのをやめてしまいました。しかし、今回USCPAのFARの学習を通して、テキストや講義動画は日本語主体ですが、MC問題やTBS問題は英文なので、問題を解いていく中で、キーワードとなる英単語を自然に覚えることができました。またずっと疑問に思っていた"probable"という単語の日本語訳は「(あることが)おきそうな、ありそうな」ですが、偶発債務を学ぶことで、"probable"と書かれていれば、かなりの確率(だいたい80%以上)で発生すると見込んでいるということも感覚としてつかむことができました。受験のライバルは英語のネイティブなので、言語の面で不利ではありますが、とりあえずFARに関しては、大切な英語のキーワードを素早く見つけられるようになれば、しっかりと点数を稼ぐことができると思います。

12.今後の学習計画

今海外にいるので、コロナの状況を見て夏ごろに帰国し、その時にBECとAUDを同時に受験しようと考え、学習しています。


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