農業における新型コロナを考える
世界60万人オーバーのパンデミックとなり、ネットやTVでは始終コロナ関連のニュースでざわついてます。
その中では観光や外食を中心に社会全体の経済への影響取りざたされ、観光農園や給食、直売所への影響など農業界における影響も次第に大きくなってきました。
今回は自分なりに生きていく中で必要不可欠な食料の源流となる農業、農家がこの危機を乗り越えていくためにできることはなにかを考えてみます。
別に無名な私なので大した影響力はないと思いつつ、基本私の記事はそこまで深く情報の精査をしているわけでもないので 情報としての価値は自分で判断してください。
今農家はどういう状況か
新型コロナによる農業への影響で多いニュースとして
・イベントやエンタメ関係の自粛による花き業界への影響
・外出自粛による外食産業への影響の連鎖
・外出自粛による観光農園への影響
・各国の水際対策や本人の判断による実習生の入国できない⇒人手不足
・給食の中止による野菜や牛乳
・外出自粛での直売所の売り上げへの影響
・水際対策によるインバウンド低下、和牛などの日本食への影響 ..etc
ネガティブな影響を挙げれば枚挙にいとまがない。
農業法人の人間として考えてるけど今後どうなるか結論は出ません。
今一番怖いのは
これから何が起こるのか、どういう状況になるのかよくわからない
ことだと思う。
多くの農家が春到来により、すでに春の作付を始め、準備していると思う。
逆に言えば そうすることしかできない状況でかつ、考えても仕方がないというのが ほとんど農家さんの本音であろうと思う。
そこには(花きその他は少しずれてしまうが)命に必要不可欠な食を支えているという自負とそうはいっても食べる量が極端に減るわけではないはずなので、生きるのに必要不可欠ではない産業に比べれば圧倒的なアドバンテージが第一次産業にはある気がする。
ただやはり食品を作っている農家にとっても出荷先は様々で外食や給食、直売所など、もろに影響を受けている農家は対策を考える必要がある。
それは各団体が行っているような政府への補助や税金の免除や猶予などもあるだろうが それがその場しのぎか、今すぐ解決にはならないのはみんな分かっていると思う。
じゃあ我々は新型コロナとどう立ち向かうべきだろうか。
緊急事態に「人のせい」にしても価値は残らない
うちの話でいくと 高原でほうれん草や葉物を栽培し、農協と契約の半々ほどで出荷している。
5月半ばくらいが出荷開始予定で準備はしているが正直なところ影響が全く読めない。
2月下旬や3月上旬には
「そうはいっても4月5月には落ち着くだろう、インフルエンザの方が致死率高いし なんでこんな騒いでるんだよ!」的な人も多数いたし、今でも楽観論があるようだが 個人的には短く見積もっても一年は何かしら影響が出続け、社会の形を変えるような爪痕が残るであろうと思っている。
今後の政治的な判断も大きく影響していくだろうが だからと言って国や政権のせいにしても 彼らは最低限しか保証できないでしょう。
それは「ダメな政治家どもが!」 ということではなくて国民の命や健康を最優先するにあたり、個々の営農その他すべてを考えていては手の打ちようがないということ。
誰かに寄りそえば、誰かから離れるからね。
そういう意味でいうと
どう考えても最終的には受け身でいるより、各自で対策を考え、自身で身を守る必要あるんだ。
「緊急事態宣言」の定義はどうでもよく、今は我々農家にとっては緊急事態なのだ と理解し、考え行動する必要に迫られている。
もし裕福で余裕があり、影響なさそうならゆっくり構えてても構わないが
少なくとも私も会社もさほど余裕はない。
もし、私と同じ立場なら考え動くべきだ。
どうしよか?
「耐え忍ぶ」で考えよう
そうはいっても終わりは来る。
来なければ その時はコロナウィルスが変異して人類滅亡レベルなので 火を起こすところから始めよう。
感染による死者も多いので軽々しくは言えないが 世の中から人が消え去るわけではないのでいずれまたいつもの日々が戻ってきて、農家であれば作物を作り、出荷できるようになる。
それまで なんとか耐え忍ぼう。
特に影響がない農家さんはひとまずラッキー。
(早めに手を打ってその状況なら素晴らしい)
でもそうじゃない農家さんは手を打たなきゃだよね。
役に立てるか分からないけど 最後に私ならこうしてみるを共有します。
都内に住む親戚から送られてきたスーパーの一角。みんなご飯食べれてるか心配です。。。
①前売り券
SNSで一番よく見聞きするのが 花き農家さんの悲鳴です。
みんな 花を買って応援しよう!って投稿がよくみられるし、応援したい気持ちもあるけど、今私に花が必要かというといらないというのが本音です。
ただ、今年の嫁の誕生日の花を予約することならできる。
もし、花が動かず、廃棄することで収入・現金がなく耐え忍べないなら 花農家さんは花屋さんと一緒に数年先まで誕生日の花束の前売り券を売ろう。
記念日なら何でも構わない。
リーマンショック以上の不景気と言われるこの時代に情だけでは大切な金は払えないよ。
前売り券の考え方は花だけでなく なんでも使える気がするから応用して考えよう。
②移動販売
都内で外食をやっている知り合いのレストランは壊滅的な状況とのこと。
TV見たけど渋谷であれだけ人が歩いてなければ店空ける意味も考えてしまうよね。
でも上の写真でもあるように買い物はしてる。
食料は手に入れなければだし、不足が怖いから買い占め?ってこともあるだろうけど なるべく外に出たくないから買い溜めなんだろうと思う。
そう、みんな出たくないんだよ。出るなって言われてるし。
特に高齢者は命に関わるからね。
じゃあ 運んであげよう。
焼きいも的な感じでアナウンスしてもいいし、なるべく均等にちりばめられたコンビニや病院の駐車場でいい。こんな時なら協力してくれる企業はあるよ。
軽トラいっぱいに野菜を積んで、もしくは卸と協力して様々な野菜を詰めて家から近い場所で売ってあげれば必ず需要はあるよ。
人が密集しないように、売り手が感染しないように配慮は必要だけどね。
もちろんECサイトなどは今まさに真価を発揮してる、素晴らしい。
でも みんな買い物したいと思うんだよね。人間らしく。
私が昭和生まれだからかな、、、
ともかく こちらから出向いて売るってとこから 無限にアイデアは派生できると思う。
③加工品・保存食
嫁さんが買い物行ってたので聞いたら、上の都内の写真程ではないけど
「ないものはなかったよー」とのこと。
何がなかったの?って聞いたら
「長くもつもの」だって。
乾燥めん類を中心に生ものでも野菜より冷凍しておける肉がなかったとのこと。足の速い(腐りやすい)のが残ってる。
単純な考えかもだし、これについては絶対とは言えないけど 現状はコロナを中心に、昨今の災害の多い時代となれば 保存食としての食料の価値は今後も続いていくだろう。
和牛であれば 素人考え的には 冷凍ダメなの?って思ってしまうけど価値が落ちてしまうのかな?
ひとまず ジャーキーとか作れないかな。
裕福であろうと、金や金に代わるものって大体食べれないのでこういう時はなるべく保存できる食料に変える選択肢はあるのだから商品にできない?
いますぐ売れないにしても原料加工しておけば 商品化もいずれできる可能性はある。
加工施設持ってるかどうかでスピード感変わるけど、一つの選択肢に持っておくことで可能性は広がると思う。
④農業プレイヤー
うちはギリギリ間に合ったけど国境封鎖でここ数日、東南アジアからの入国もストップして農業の現場においても人手不足の可能性が増してきている。
おそらく完全に規制がなくなるまでは数か月は続くだろう。
そうなってくると今からシーズンを迎え、外国人実習生に頼っている農家さんはかなり厳しい戦いを強いられる。
我が地域である高原の葉物農家はその最たるもので、自力(日本人のみ)で乗り越えられる体力や若さを持っている農家さんはかなり少数派だと思う。
規模にもよるけど、家族のみで栽培できる分だけ作るという選択肢もあるがその収入で次年度営農できるかは正直疑わしい。
補助金も出るだろうが、農業だけでなく日本のほとんど産業が疲弊しきっている時に政治的補助だけに頼るのもリスクでしかない。
ただ、もし小さなプライドを捨て、農家としての誇りを保ちながら今後も農業を営んでいきたいなら 今はプレイヤーになる手もある。
実習性が絡んでいるところでは多くの地域で人手不足が深刻な問題となる。
その時に 農家の手としての価値は計り知れない。
このままでは廃業だと嘆くより、農家として培ったあなたの経験や手を欲しがる農家は山ほどいる。邪魔なのはつまらないプライドだけだ。
第一次産業が止まっては人間社会は石器時代化するし、今こういう時代だからこそ第一次産業の価値が高まっている。
その価値を共有できれば必ず我々の時代が来るんだ。
実際 コロナの影響で就職先や職を失った人も多いようで、そこをきっかけに「リベンジ就活」と銘打って就農への道を創っている素敵な農業法人もあるし、フランスでは首相が農作業やろうってニュースにもなってる。
コロナの影響で社会からあぶれてしまった人たちに繋ぎでもいいので 農業をしてもらうことも有効だし、この機会に価値観を改めるべきではないかな。
⑤リモート体験
今 政府としてもテレワーク(自宅勤務)が推奨され、オンラインテレビ会議アプリやスラックなどのコミュニケーションツールもだいぶ需要が伸びているらしい。
リモートコントロール(遠隔操作)。リモコン。
新型コロナでの使い方でいうと 観光農園かな。
例えばいちご狩り農園なら
携帯テレビ電話でイチゴ見せながら子供たちの手の代わりにスタッフが収穫し、実際収獲したものを送るようなサービスはできる。
今思いついたけどこれって施設外に出れない病気や障害を持つ子供や高齢者向けサービスとしても機能するね!素敵。
とにかく今、都内を中心に子供も大人も外に出れないストレスがかなり溜まっている。リモート体験でそれを少しでも緩和させ、自然体験と学びを同時に共有できるんじゃないかな。
リモートで体験したとこには実際行きたくなるしね。
子供向けの無料農園セミナーやってリモート体験に客引っ張るとかもできるね。
負けない農業を確立せよ!
正直、上にあげたアイデアが実質回るのかやってないからわからない。
でも ここで挙げた理由は視野を広く持って考えれば道は必ずあると思ってるからです。
アイデア自体は無限に出せるし、アイデア自体に大した価値は感じないけど行動と責任を持つことは実際難しいかもしれない。
ただ、手をこまねいてネガティブに社会批判したり、あきらめる前にできることは必ずあります。
倒れるにしても前のめりに誇らしく
「ここまでやって無理ならしょうがないよねーww」
って笑いながら倒れよう。
そんな魅力的な人を社会はほっときはしない。
闇が深ければ深いほど、朝焼けは近いってさ。
らしくないけど、言うよ。
勝たなくてもいい!負けるな、日本農業!
ありがとうございます。何かしら社会の役に立ったり、誰かの人生に影響するような記事を心がけていきます。 根が照れ屋なので 若干の不真面目は照れ隠しです。 ご承知おきを。