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多様性と多層性〜5/7自給自足カレッジ第3回目の講義と実習③〜自給自足カレッジ86

上記の写真は、自然の森を上から撮った写真です。

自給自足カレッジの座学の中で村上眞平さんが強調するのは、自然の森のサステナビリティの構成要素である、前二回のノートで書いた循環性に加えて、生物多様性と多層性です。

自然の森では、太陽のエネルギーや水、酸素や二酸化炭素、ミネラル等がサステナブルな形で循環し、多層構造を持つが故に太陽の光のエネルギーを余す事なく効率的に活用し、そういう構造の元で多様な植物や動物、微生物が共生しています。

自然の森の多層構造

土は森の中で作られています。葉が落ち、朽ちた植物や動物の死骸を微生物が分解し、それが腐蝕となり土になって植物を育てています。

  毎年同じ姿で同じ動物が住み

  害虫がいても変わらない。

  病原菌がいても病気がない。

誰も耕さなくても肥料がなくても農薬がなくても、木がすくすく健康に育っている。

これが自然の森の中で行われている事で、縄文時代以前では、人間もこの森の生物多様性中で生きていました。

戦後植えられた杉林

三重県の森の70%は、モノカルチャー的な上記のような杉林や檜木の林になっています。
この為、森の動物は食べるものがなくなり、人里まで出てくるようになりました。
土の中の根の構造も単層構造なので、自然の森と異なり土砂崩れが起きやすくなります。

昔は、杉林の隣には雑木林を置く事で生物多様性や多層構造が維持されていました。
なので杉林の比率が30%台と低い福島のようなところでは、獣害はなかったと言います。

モノカルチャー

これが現代農業の姿です。

労働効率性を重視するしている為に、面積あたりの生産性は大きくて落ちていると言います。
地面が見えているので、太陽光の利用率も落ちており、土に雨が直接当たる事で、土中の腐蝕やミネラル分等は流されます。これは多層構造が失われた結果です。

戦前までは、田畑で取れたものは田畑に返すことをしていて循環性が担保されていましたが、今は工業的に作った窒素、リン、カリ、を入れるだけで、どんどん土が硬くなり、微量要素も枯渇し、単位面積あたりの収量も落ち、最後には過去の四大文明が辿ったように砂漠化への道を突き進んでいるようにも思えます。

モノカルチャーでは、病虫害の問題は避けられないので、農薬を撒きます。すると生物多様性は失われて、益虫等も居なくなり、時間が経つと農薬に耐性を持った虫や雑草が出てくるようになります。
そうすると今度は遺伝子組み換え作物等が登場してきますが、ここでは生物多様性は考慮されません。もちろん循環性もないので、サステナビリティに必要な三つの条件のどれも満たしていない事になります。

自然農法では、この三つの要素である循環性、多様性、多層性を極力取り入れた形の農業が行われています。
化学肥料や農薬を一切使わず、藁や籾殻を堆肥化して戻し入れたり、雑草で草マルチをします。

草マルチをされた乾田苗床

先週末に、自給自足カレッジの講師である野呂さんに、受講生用に用意してして頂いた自然栽培用の田んぼで、乾田苗床を作る作り方を習っている作業風景です。

苗床は、刈り取られた草で覆い、土に直接雨が当たらないようにしています。

草の中は多層構造になっており、虫や微生物の棲家にもなります。

微生物によって分解される草は土に帰って行き、苗に栄養素として取り入れられたり、土を肥やしたりします。

生物多様性が担保されているので、病虫害のリスクはかなり低くなると言います。

タガメを捕まえて自慢するタオくん

是非一度、VISON農園の無料体験に来てみてください。

5月以降でも、本格的に無肥料無農薬でお米や野菜が育てられる自給自足生活の手法を学べる講座が、毎月第一第三週の週末(土曜日曜)に開催されています。

ゴールデンウィーク以降では、5月20日(土)・21日(日)
6月・・・ 3日(土)・4日(日)・17日(土)・18日(日)
7月・・・ 1日(土)・2日(日)・15日(土)・16日(日)

今まで経験した事のない新たな経験や発見があるものと思います。

下記は、自給自足カレッジの紹介ビデオです。
見ていると気持ちが何となく落ち着いてくる気がします。

YouTube動画(3分)

https://www.youtube.com/watch?v=N66HzZV7Td0

体験会等について詳しくは、下記のホームページをご覧ください。

https://self-sufficient-life.jp

自給自足カレッジ
小柴正浩



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