4話-人生は七転び八起き
私には人生の機転がいくつかあった。
それがあったのが、18歳の高校卒業したすぐ後のことだった。
私は当時乗っていた原付バイクで柔専館からの帰り道、軽自動車に撥ねられた。
その時、私の頭の中が真っ白になり意識を失う。私は本当に死んだと思った。
しかし、目を覚ますと病院で呼吸器をつけられていて、全身の痛みで動けなくなっていた。
右半身全身打撲と肝臓を少し痛めたらしく、二、三ヶ月ほど入院。普通の人だったら死んでいたという。
それにより当時通っていた専門学校はまだ3回しか行ってないのに中退。
病院の中でニート生活が始まった。
時間を持て余した私は、毎日毎日本ばかり読んでいた。
腕立て伏せは点滴が抜けてから再開したが、何度か看護師さんに見つかって怒られた。
その中で高橋歩さんの本「毎日が冒険」に出会う。
その本には人生やったもん勝ちだと言わんばかりの内容が綴られていて、当時塞ぎ込んでた私は聖書のように持ち歩いては読んでいた。
私はこの経験から、人は本当にいつ死ぬかわからないと言うことを学んだ。
明日、死ぬかもしれないし1年後かもしれない。
そんな日がいつ来るかわからないのに、こんなところで何がしたいのかもわからず死んでしまっては、生きている意味がないと感じた。
だから自分の好きなことをしようと心から思った。このチャンスは父がくれたチャンスなんだと思う。
私は何がやりたいか病院の近くにある海を散歩しながら思った。
「柔術をやろう」
そして私は入院中に何度も病院を抜け出しては柔専館に行き、ウェイトトレーニングを黙々始めた。
ベンチプレスしかまだ出来ず、ベンチプレスを毎日やりに行った。
そして体の痛みも徐々に回復し、ベンチプレスだけでなくデットリフトもできるようになってきた頃、柔専館の伊東元喜さんに出会った。
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