40話-試合時間 1時間4分
CARPE DIEMとは、ラテン語で「今を生きろ」と言う意味の言葉らしい。
初めは覚えにくいとか言いにくいと言う感想があった。
しかし、数年後この道場名を全国どころか、世界的に通用する名前になるとは誰も想像しなかっただろう。
CARPE DIEMの石川さんをはじめ、強さんや私は、当時から世界を意識していた。
道場の名前がCARPE DIEMになり、私もCARPE DIEMの選手としての第1戦目が決まった。
柔術プリーストと言う橋本欽也さんが主催の番組の100回記念のイベントで、柔術の大会を開催し、そのスーパーファイトの一コマに私の試合があった。
ルールはオンリーサブミッション時間無制限。
要するに極めないと終わらない過酷なルールだ。
相手は塚田市太郎さん。
一度負けてる相手だったが、必ずリベンジしてやると私はすぐオファーを受けた。
強さんに青山の道場でオンリーサブミッションの実戦練習をしてもらったが、思いのほか極まらない。
しかも相手はタフで有名な選手だ。
私は試合まで策を練った。
試合当日、私は代々木のスタジオで試合をした。
塚田さんはいつものように十分だったが、私は密かに闘志を燃やした。
試合が開始し、私は足取りのフェイントを入れて引き込んだ。
前回はこの最初の一手で狂った。
二度目はないよう注意を払っていた。
引き込みが成功し、ハーフ、ディープハーフ。
リバースハーフへ。
それから私の得意なスイープを成功させた。
がこれはオンリーサブミッション。
点数やポジションは関係ないのだ。
しかし私は最初から下は捨てていた。
そこからトップの戦いになった。
パスガードを狙いながら、
塚田さんのオモプラータ、三角をかわしていく。
40分が経過した。
その間パスは上下の代わりは無し。
しかしこれは作戦だった。
私はそろそろかと思い、
パスをディフェンスした。
塚田さんの足を足首固めで捕らえた。
バキバキっと音がしたが、
塚田さんは回転しながら逃げた。
手だけで極めに行ってしまい、
脚がついてこなかった。
そしてまた上下のパスゲームの形になった。
私は塚田さんのスタミナが尽きない事は知っていた。
しかし、集中力はいつか欠けるときが来ると思っていた。
1時間が過ぎようとした時、
私はフットロックに行った。
そしたら塚田さんが少し痛そうな顔をした。
私はこれは極まると思った。
しかし、時間は死ぬほどあるので、
次塚田さんが攻めたターンが終わったら行こうと考えた。
塚田さんはオモプラータを仕掛けて来た。
私は受け止めて時間をかけて外した、
その流れでフットロック。
道着を持たれていたが道着ごと持って行った。
ここしかないと思った。
そしたら塚田さんがタップ。
1時間4分フットロックで極めた。
全体で見たら塚田さんの方がよく攻めていた。
だから私はペース配分と長時間である事を利用した。
塚田さんは強敵だったからそうせざる得なかった。
しかし私はCARPE DIEMとして1勝目を挙げることが出来た。
1時間も熱心にセコンドしてくれた強さんには感謝しかなかった。
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