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24話-21歳11ヶ月。黒帯になる

そして私のブラジル修行も十二月に入り終わりが見えて来た。

私の柔術もかなり磨かれた。

特に精神面が良くなり、集中力をそのまま実力に使うことができるようになった。

そのスタイルは無駄なものがなくなり、技はカウンターが増えた。

と言うのもバルボーザ道場は平均ミドル級以上の人が多く、戦うには下から守りながら一瞬の隙をカウンターにとってスイープするブリッジスイープが磨かれた。

そしてタイミング技は集中力がキーになるので、その集中力を磨くのにはこの長時間の練習が結果的に最適だったのだ。

私のスタイルは誰も真似しないようなスタイルになったので、お前はトリッキーだと言われ続けた。

しかしこの環境で生きて行くためにはそうするしかなかった。

おかげで今現在もそのブリッジスイープで世界に強豪からポイントを取ることはできている。

年の瀬、バルボーザ道場は定期的に帯昇段式があった。

そこで帯昇格者は一人ずつ呼ばれて帯昇格者を祝うのである。

しかし祝うと言ってもブラジル流。

まずは帯叩き。

100人ぐらいに道場の端から端まで歩いてそれを周りを囲んだ人たちが自分の帯で滅多打ちにする。

日本だと一人一回と言うのがなんとなく暗黙の了解だけど。

バルボーザの人たちはもうその名の通り滅多打ちだった。

本当に打たれまくるので端から端に歩くのも歩くと言うか、走り抜けると言う感じだ。

黒帯になったのは嬉しかったけど、こればかりは本当にやりたくなかったが私も見事滅多打ちにされた。

そのあとに待っているのは回しのスパーリング。

帯昇格者はずっとスパーリングで周りにいるものが、その昇格者たちをボコボコにする。

もちろん強ければそうはされないが、なぜかその場合2対1でボコボコにされる。

全くひどい話だ。

私はボコボコにされている間考えていたことは、このひどい時間もどうせ1時間後には終わってるさ。

とか遠い未来につて考えていた。

そしてなんとか無事昇段式が終わり私は晴れて黒帯になった。

と思ったら次の日

シセロコスタがスパー中私を呼んだ。

「お前黒帯になったんだろ?おめでとう」と言いスパーリングが始まった。

私はおーシセロいい人だなと思ったら全然違った展開に・・・

もうとてつもないぐらいボコボコにされた。

シセロは笑いながら黒帯にようこそと言っていた。

もう本当に勘弁してくれ。

とはいえ私はもう一つ達成していることがあった。

21歳11ヶ月で黒帯は当時日本人最年少黒帯だったのだ。

私のバルボーザ先生からもらった証明書は今でも大切に保管しているのだが、

「MasahiroYwasaki」

と思いっきり間違えていた。

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