スタートアップで一人目のマーケターが最初にやったこと

こんにちは。Acompanyの竹田です。
これはAcompany5周年アドベントカレンダーの最終日の記事です。
18日目に代表の高橋が書いた記事がめちゃ良い内容で、「こっちのほうが最終日にふさわしくない?」という気持ちはそっと胸にしまって書いていきたいと思います!

これまでのAcompany

私がAcompanyマーケティング担当として、何をやってきたかを書く前に、私がジョインする以前どうだったかを、若干の推測も交えて整理したいと思います。

2020年から秘密計算エンジン『QuickMPC』を開発・提供していたところから、「もっと広くプライバシーテックを扱えるプラットフォームを作ろう」ということで、2022年に『AutoPrivacy』をリリースしました。
このあたりの詳しい話は代表の高橋が書いてくれています

私がジョインしたのはAutoPrivacyがリリースされた数カ月後なのですが、プロダクトコンセプトといくつかの機能は存在しているものの、本番運用に必要な機能はまだまだ不足している状態でした。
加えて顧客からのニーズ収集も不十分で、所謂”PMF前”の状態です。

一方で秘密計算を主軸とした技術力と、プライバシー規制における知見は相当なもので「フィットする課題を持っている会社(人)とじっくり話すことができれば売れる」という状態でした。
体制面では、マーケティングの専任者はおらず、代表や広報が兼任していて、主な顧客開拓のチャネルは金融機関などからの紹介でした。

Acompany最初のマーケターとしてやったこと

前述の通り、”勝手にモノが売れていく”という状態ではなかったので、マーケティングと聞いてぱっと浮かぶような、コストをかけたプロモーションを実施することはできません。
マーケティングの最優先課題は「どの市場で、誰に、どういうメッセージで売るのか(STP)」を見つけ出すことでした。

とはいえ私はBtoBビジネスや、プライバシーテックの経験・知識がなく、力及ばずですぐにそういったことに取り組むことができませんでした。
(前職ではBtoCサービスのマーケティングや経営企画に従事していました)

まずはできることから。
いろいろやりましたが、主に2つのことに取り組みました。

とにかく顧客と話す

顧客のことを知らなければマーケティングはできません。
なので、とにかくお客さんと商談をしました。

自分で選択したというよりも、会社内のリソースの都合もありましたが、初回の商談は基本すべて私が担当し、2022年10月から今日(2023年6月)までで100社以上の方々とお話をさせて頂きました。
営業の方からすると少ないと思われるでしょうが、営業未経験のオフィス引きこもり系マーケターからするとかなりの数です。
おかげで

  • どんな企業に売れるのか

  • どんなメッセージが刺さるのか

という点についてはだいぶ理解が深まりました。

データを整える

これは直近の課題には関係ないのですが、今後の事業スケールを見据えて、データを整えていきました。

マーケティング活動は基本的に、調査やヒアリングを通じて仮説を立て、実践した結果をデータを用いて分析・検証していきます。
データとしては最低限「誰がどうやって流入して結果どう着地したのか」を見えるようにしなくてはいけません。

SalesforceのようなSFAツールを導入するのがセオリーですが、前述の通りあまりお金をかけることはできませんでした。
加えて、人数も少なかった(国内の顧客開拓担当は、当時私を含めて二人)ので、仕組みを整えなくても”意識”でまだなんとかやれると考え、以前からドキュメントツールとして使用していたNotionを使うことにしました。
Notionのデータベース機能は非常に便利で、かたちさえ整えておけばさしあたり構造データのかたちを成してくれます。

「課題が顕在化してからデータ整備に取り組んでも良いのでは?」という考えもありましたが、あえて最初に取り組みました。
前職でSalesforce導入のプロジェクトを担当していたのですが、既にオペレーションとシステムが構築されているところに、別のツールを突っ込んでBPOしていくのはかなりしんどいです。
特にSFAのような業務の根幹を担うようなものはなおさら。
イメージ的には人員数が3倍になったら、BPOは6〜9倍くらい難しくなります。
Salesforceの事例セミナーもたくさん見ましたが、どの会社も「現場が入力してくれない」と同じ悩みを抱えていたので、私の主観というわけでもないのでしょう。

Acompanyは「世界No.1の偉大なプライバシーテックカンパニーになる」ことをBHAGとしていたので、いずれは大きな組織になっていきます。
いったんDBと、データを入力する習慣を作ってしまえば、新しいツールを入れても、現場目線からの変化はUIの変更程度に抑えられます。

あまり入力項目・頻度を多くしても浸透しないので、シンプルに以下のようなアーキテクチャにしました。

データを入力するメリットを感じられないと継続されないので、可視化のところも取り組みました。

GAとNotionのデータを一度BigQueryに集約し、CountというBIツールで可視化しています。
これでサイト流入〜受注までをつなげて、KPIのモニタリングや分析に活用しています。
Countについてはイナミさんが別日の記事で書いてくれているので、BI好きはぜひ。

スクレイピングもできるとは驚き!

これからやっていくこと

プロダクト機能のほうは、うちのスーパーなエンジニアたちがなんとかしてくれるので、マーケティング機能としては

  • どの市場で、誰に、どういうメッセージで売るのか

  • 適切なマーケティングチャネル

をそれぞれ見つけるべく、手数を増やしていきたいなと考えています。
ここからがスタートアップでのマーケティングとして楽しいところ!
楽しく頑張っていきます。

仲間を募集しています!

Acompanyではともにプライバシーテックの拡大という挑戦に、一緒に取り組んでくれる方を募集しています!
特に事業開発とエンジニア大歓迎です!
まずはカジュアルに面談をさせてください。



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