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海のいきものワークショップ×みんな違って、みんな同じ

7月28日(日)、田野地区交流センターにおいて、海のいきものの魅力や環境について、体験的に親子で学ぶワークショップを開催しました。7家族・19名の参加がありました。
講師は、宮崎大学教育学部教授の西田伸先生で、海のいきもの(クジラ、アカウミガメ)と海の環境について、いろんな生き物の本物の骨格標本に触れながら教えていただきました。

講師:西田伸先生(宮崎大学教授)、持っているのはクジラのあごの骨。

「これ、変ですよね~。おかしいですよね~。」
まず最初に、アナグマやイタチの骨格標本から始まり、クジラやヒトとの目、耳、口の位置の違いを教えてくれました。そして、なぜ、そうなっているのかを教えてくれました。
先生がお話している時に、説明の前に入るセリフがとても気になりました。
標本を持ちながら、「これ、変ですよね~??」と聞いてくるのですが、こちらはさっぱり(笑)
でも、そのあとの説明を聞いていくと、「確かに変だ!なんでそうなってるの??」と、疑問や興味関心が湧いてきます。
「なぜ?どうして?」という好奇心が、目で見えているものから見えないもの(背景)が見えてきます。ヒトだけでなく、いろんな生き物と”つながる”ことで、”ひろがり”が見えてくることに気づくことができました。ヒトだけでは、もったいない!

親子で骨並べ
親子じゃなくても骨並べ
親子の好奇心
先生の解説で、見えるものから見えないものが見えてくる
ドキドキしながら先生に質問!これも好奇心!
見て、触れて、感じる
兄弟じゃないけど骨並べ
みんなで骨並べ
最後はみんなで背くらべ

今回のワークショップで、リンクしたことがあります。YAMAPの春山慶彦氏と生命誌研究の中村桂子氏の対談を思い出しました。この対談ででてくる「生命誌絵巻」です。
参照:https://www.youtube.com/watch?v=NvqTRrxVlB4&t=1297s

参照:「生命誌絵巻」、中村桂子氏

 この絵巻は、地球上にいる生き物すべては横並びで、多様であり、命の始まりは同じであることを示しています。上の部分は、ヒトや動物、植物と、いろんな生き物が横並びで、今ここに存在し、多様です。そんな多様な生き物たちは、実は、下の真ん中のところにある単細胞アメーバが、起源と言われています。そして、この起源から様々な生き物に生るために、約40億年の軌跡があります。ヒトにも、アリにも、ライオンにも、植物にも、命があり、その命には、40億年の軌跡がギッシリ詰まっています。
「みんなが違って、みんな同じ」ということが言えます。

中村氏は、対談の中で、「生き物は調べれば調べるほど、”ヘンテコ”」とおっしゃっていました。西田先生も、「これ、変ですよね~?」とおっしゃっていました。私は、このお二人が生き物を捉える感性が似ているなと感じました。
「ヘンテコ」=「不思議・神秘さ」。自然の中には、分かっていることより分かっていないことの方が多いです。分かっていない領域に、好奇心を持って、一歩踏み込むことで、いろんな発見につながり、視野がひろがるのだと私は考えます。
人間に置き換えると、「みんな違って、みんな同じ。みんな40億年の軌跡がギッシリ詰まっている」と捉えることができれば、いじめや差別もなくなるのではと思ってしまいます。この視座を得るためには、自然の中でいろんな生き物や人とつながることだと思います。
”つながる”ことで、”ひろがり”が得られ、ひろがりが得られれば、また新しいつながりが生まれます。そのつながりを得るためには、”かかわり”が第一歩だと思います。自然との”かかわり”を、私生活の中でできることから組み込んではいかがでしょうか。

今回のワークショップも、参加者の皆さんには、本物に触れ、感じることを大切にしてもらいました。こどもたちや保護者の皆さんが、知識だけでなく、感じたことを私生活や子育てに生かしてもらえたら嬉しいです。

この頭の大きさで、子どものクジラ!


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