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【感想】Netflixドラマ『コブラ会』シーズン4

2021年は元日にシーズン3・大晦日にシーズン4が配信されるという嬉しい悲鳴なハードスケジュールで届けてくれたNetflixドラマ『コブラ会』

そもそも『コブラ』会は1984年公開の映画『ベスト・キッド』が源流にある作品。

アメリカの少年ダニエル・ラルーソがミスター・ミヤギという日系人から空手を教わって成長していく物語。
悪役というかライバル道場として登場するのがジョン・クリーズ率いるコブラ会。

ドラマ『コブラ会』は『ベスト・キッド』の34年後を描いた続編。
シーズン2まではYouTube Premiumで配信されていたが、YouTubeがドラマ製作事業から撤退することになりNetflixへ移籍。

そんなわけで現在はNetflix独占配信中。
(当たり前ですがシーズン1と2もYouTubeからNetflixに移ってます)
これを書いてる時点ではシーズン5継続が発表されている模様。

シーズン3はオールバレー地区の空手大会でコブラ会に勝つため遂にラルーソとロレンスが手を組み、さらに負けた方の道場は閉鎖という約束がクリーズとの間に結ばれたところで終了。
いやー、あの終わり方は最終決戦目前という感じでアガったなぁw

ところがいざシーズン4が始まると指導方法をめぐってラルーソとロレンスはまた対立w
最初はミヤギ道場とイーグルファングの違いがカルチャーギャップコメディみたいな感じで楽しく見れるのだが、これが結構長い。
第5話(全10話なのでちょうど折り返し地点)でラルーソとロレンスの直接対決となるのだが、俺が見たかったのってこれだっけ?という感じがしてくる。
なので正直前半はちょっと我慢の時間だった。

さらにシーズン4はストーリーも内省的。
テーマはmy own wayとでも言おうか適切な日本語が見つからないけど「自分で人生の選択をする」こと。
それぞれの道場の教えを言われた通りに守るのか、それとも自分の考えを取り入れてアップデートしていくのか。
空手以外でも進学や交際など登場人物たちが何かしらの選択を前に悩む場面が多々。
なので全体的に悶々とした空気が漂っている。
それが結実するクライマックスは確かにアツいんだけど、個人的には信念を割とあっさり曲げたようにも見えてしまって全乗っかりできない部分もあったり。

サム、ミゲル、ロビー、トリーの四角関係も個人的にはもう食傷気味なんだよな…w
いや、10代はああいう感じで別れたり復縁したり元カレ元カノ同士がくっ付いたりするのかもしれないけど。
中高男子校でその辺は全く未知の世界だから感情移入も共感も難しいんですよねw

ちょっと不満が続いてしまった。
じゃあ駄作なのか?というとそんなことはなくて格闘技アクションシーンはやっぱり最高。
シーズン2の学校やシーズン3の家など試合会場とは異なる場所の面白さを使った見せ場は今回はアメリカ学園ドラマの定番プロム(あれ結局どういう風習なのか未だによく分からないがw)の二次会パーティー。
プールサイドを舞台にドレスアップした服装で戦う画は面白かった。

しかもこれは前哨戦で、クライマックスはシーズン1以来となるオールバレー空手大会。
原点回帰である。
空手大会のアクションはカメラワークも編集も、そして何より空手を本当に演じたキャストが素晴らしかった。
学校や家と違って地形やその場にある物での誤魔化しが効かない正真正銘の生身アクション。
編集でカットを割って工夫してる箇所もあるのかもしれないけど、基本的にキャストみんな本当にキレキレな動きだった。
毎シーズン積み重ねてきたアクションの集大成。
(大会序盤は音楽に乗せたテンポの良い編集で一気に駆け足で見せるんだけど、その音楽のかけ方というか飛び道具的演出も爆笑w)

群像劇としてどのキャラクターも捨てずに丁寧に描かれているから決勝戦だけでなくトーナメントの途中の試合でもグッと力が入る。
新キャラとして『ベスト・キッド』シリーズからカムバックしたテリー・シルバーも新しい風を持ち込んでいて素晴らしかった。
クリーズに対して引け目を感じていて強く出られないのか、実は心の奥底で見下しているのか、純粋に対等な関係であろうとしているのか。
そもそもコブラ会に戻ってきた真意も終盤まで読めない。
まさか不動のラスボスと思われていたクリーズがあんなことになってしまうとは…!

そんなわけで個人的には終盤は盛り上がったものの、そこまでの8話は我慢&シーズン5への橋渡しに落ち着いた感もあるシーズン4。
シーズン継続は決まってるもののそろそろ完結の香りが。
新たにカムバックするキャストの噂もあるし、なんだかんだ楽しみ。

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