PREP法はマジ優秀!まずマネてみよう【話し方、書き方に悩む人へ】

何をいまさら。
と思われる読者の方も多いと思います。

しかし、それでも。PREP法は有効なのだと私は思う。

PREP法をご存じない方のために簡単に解説を。

P:Point:結論
R:Reason:理由
E:Example:例
P:Point:結論

この順序で話を進めることをPREP法といいます。

「話す」という行為は「聞く」とセットですよね。
誰かが話せば、必ず誰かが聞いているわけ。

自然発生的に、聞く人が話の内容を理解するという流れが生じます。
話した内容を理解してもらえなければ、まったく意味がないですよね。

この「聞く人が理解する」ことを強力に補助する方法。
その一つがPREP法なのです。

なぜPREP法が有効なのかというと、理由は簡単。
聞いている人(以下:聴者)の頭の中を整理しながら、話が進むからなのです。

例えば次の文章を読んでください。

国語の勉強はとても大切です。
なぜなら、すべての教科が日本語で書かれているからなのです。
つまり国語力が他教科の学習効率を左右するわけです。

例えば、算数と数学の問題集を思い出してください。

小学生の頃は文章題の問題文は何行だったでしょうか?
1~2行程度だったはずです。

では、高校の頃はどうでしょう?
3行以上に増え、条件は複雑化し、条件の数も増えていませんか。

これらを速く読み、整理し、解答を導くための式を作る必要があるのです。
国語力が低ければ、読むのも遅く、書いてある内容を理解する力も中途半端になります。
結局は正解を導き出すことができなくなります。

つまり、すべての教科の学習効率を高めるには、国語力は必須なのです。
それを高めるためにも、国語の勉強がとても大切なのは間違いあいりません。

ちょっと無理やりな感じもありますが、そこは例ということでご勘弁を。

さて、この例はPREP法で記述されています。
最初に「P:結論」として「国語の勉強は大切」と伝えています。

この時点で聴者の頭の中に、話のポイントが構築されます。
話者の主張の中心に聴者を引き寄せ、固定しているわけですね。

同時に聴者の頭の中に「なぜ?」という疑問も発生するので、放置せずに確実に拾っていきます。
この「なぜ?」に対応するのが、次の「R:理由」なのです。

発生した疑問に即座に答えることで、聴者の頭を整理します。
「なーんだ、そういう理由か」と一旦スッキリさせるわけですね。

ただし、ここで理由を述べてはいますが、聴者の頭の中は、まだぼんやりとしています。
つまり、完全に納得したわけではないということです。

では、なぜ完全に納得していないのでしょうか?
それは、話の内容が抽象的だからです。

確かに「すべての教科が日本語で書かれているから」というのは万人が実感できます。
すぐさま脳内に学校の教科書のイメージが展開されることでしょう。

そのイメージには日本語しか書いてありません。(英語は例外ね)
つまり、この部分では聴者の頭の中で、抽象→具体ができるわけです。
かなりスッキリしますね。

しかし、まだ疑問は残ります。
後半の「国語力が他教科の学習効率を左右する」という部分に、モヤモヤが発生します。
即座にイメージできるのは、同じような経験をした人か、同じ実感を持っている人だけだと思います。

そこで、そのモヤモヤを解決するために「E:例」を提示するのです。

P→Rの時と同じように、疑問→解答の流れですね。

ただし、例について聴者の体験とマッチしなければ逆効果です。
聴者が理解できない例だと、却って混乱に陥れてしまいます。

では、どうすれば良い例を見つけることができるのでしょうか。

話し上手な人は「E:例」の前に、「〇〇の経験はありますか?」などの質問を挟んでいきます。
また、話し始める前のアイスブレーク段階の雑談を通して、様々な情報を仕入れています。
そこから、例示する内容を選択していくわけですね。

もし相手のことをよく知っているのなら、相手の趣味などに合わせて例を選ぶといいでしょう。

例えば野球好きの人には次のような例がいいかもしれません。

テレビでアナウンサーが「エラー」や「フィルダースチョイス」とアナウンスしているのは理解できても、スポーツ新聞で「野選」や「失策」という言葉を見てもピンとこない人がいますよね。

この「E:例」の部分であなたのセンスや知識量が問われます。
(私にはセンスがないかもしれません)

相手が野球好きな人なら「あ~あるある!」となります。
そして相手の例を自分の体験で上書きします。
つまり「自分のこと」として捉えられるようになるのです。

ここまでの流れを見れば、次の二つが平行していることがわかるでしょう。
1.話者の主張を伝える
2.聴者の頭の中を整理する(理解補助、自分のこと)

整理しながら伝えていくことで、腹落ちしやすい状況を作り出しているわけです。

そして、最後にまとめの「P:結論」をもう一度伝えます。
ここまでで、聴者はかなりスッキリしています。
つまり、話者の主張が理解できている状態です。
効果的な例示によって、自分の体験とリンクし、具体的なイメージになっています。つまり相手の話ではなく、自分の話として感じているのです。
だから、すんなりと最後の結論も受け入れてもらえるわけですね。

いかがでしたか。
PREP法はそれほど難しくありませんよね。
そして、誰もが簡単に習得できる基本的な技術でもあります。

基本であり、誰でも簡単に使える。
そして相手に伝わるのです。
だからPREP法は有効なんですね。
もちろん報告書などの文書にも使える方法です。

蛇足:

社会人1年目の研修などでPREP法を学んだ方は多いと思います。
しかし、研修の場では方法を学ぶだけで、その狙いや効果的な進め方、なぜPREPの順で話すのか、などなどの詳しいことは教えてくれません。
ひょっとすると、伝えている講師自身さえ理解していない可能性もあります。

うまく伝えられない、相手が理解してくれないなどの悩みがある方は、まずPREP法で話したり、書いたりする練習をしてみましょう。
慣れてきたら、応用したり、その他の方法を学んだりして、少しずつ幅を広げていくのがいいと思います。

ただし、PREP法は万能ではありません。
しかし基本の型であるのは間違いないのです。
基本を学び、実行できるようになって初めて応用ができます。
その基本の一つがPREP法であり、誰でも簡単に使えるものなのです。
悩める方は、ぜひ、取り組んでみてください。

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