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自転車持論

 毎日の足であり趣味でもある自転車という乗り物は、徒歩で見る景色とは違う、また自動車で見る景色とも違う独特の景色を見せてくれる道具だ。
 自転車で軽く散歩することをポタリングという。のんびりする、ぶらつくと言った意味のpotterを語源とした和製英語らしいが、ただ走るだけのサイクリングと違い、途中見学したり、食べたリとぶらり途中下車的自転車徘徊がポタリングである。
 おいらの主催する日本ポタリング同盟下町系は2007年から数十回のポタリングを実施している。そしておいらのポリシーとしポタリングはどんな自転車でも楽しく参加可能なコースを組んでいる。実際のプロ競技選手と赤ちゃん背負ったママチャリママが同時に参加したことだってある。下町の裏路地を巡るのでむしろロードバイクのような長距離巡航車はやや不向きである。
 ここからは少しだけ市街地専門自転車乗りとしてのおいらの持論を展開するから心して読飛ばして欲しい。
 自転車の動力源はもちろん人である。最近は電動自転車が増えてきてはいるが、本来自転車は人ひとり、つまりパワーの差こそあれ、一人力で走る道具である。パワーに限りある動力なのでギヤ比の変化領域によって加速性に重点を置くのか加速が鈍くても高速巡航性能を重視するのかを選択しなくてはならない。またそれによってフレームの形状や運転姿勢も変わる。従って用途別にいろいろな自転車があるのであるが、どうもロードバイクが最高峰
と考えている方が多い。スポーツ自転車屋の口車にのって始めて買った自転車がロードバイクという人は特にね。
 ロードバイクは限られた条件の元ならば素晴らしいパフォーマンスを発揮する。高いギヤ比による高速走行やその速度を維持する為の空力を考慮したポジション(運転姿勢)により、トラック競技や長距離の舗装路走行には向いている。
 しかしながら、未舗装の林道や、急に何が飛び出してくるかもわからない
市街地や裏路地などではたちまちその弱点を露呈する。特に信号間が短く、段差や急な飛び出しもある市街地の走行にはあまり向かない、田舎いや郊外専用の自転車なのである。だからおいらのような都市部しか乗らない人にとっては無用の長物というかもらってもいらね〜自転車なのだ。
 それではどんな自転車が市街地にマッチするのか。所謂ママチャリを含むシティサイクルは街乗り用にタイヤサイズやギヤ比を考えられている。また、クロスバイクと呼ばれる軽快車も市街地にマッチしていると言えるだろう。ロードバイクでもストレートハンドルのものはマッチするよ。
 マウンテンバイクはブロックタイヤのままでは転がり抵抗が大きく舗装路では脚力を消耗する。ちなみに安価で大量販売されている、「なんちゃってマウンテンバイク」はマウンテンバイクではない。サスペンションがついていても弾むだけで減衰しないしフレームも軟弱だ。それでも市街地を走るにはそれほど問題はない。
 それでは市街地で最強な自転車はと言うとマウンテンバイク街乗り仕様である。(これがおいらの持論)マウンテンバイクはその名の通り山道や未舗装路に特化した自転車である。軽くて強靭なフレーム、優れた瞬発力を生む低いギヤ比、衝撃と駆動力を考慮した前後サスペンション、確実な制動力を確保する油圧ディスクブレーキ、荒れた路面でグリップ力を発揮する極太ブロックタイヤが定番だ。このタイヤを市街地専用に700Cスリックタイヤに換装するのである。
 おいらの所有するメイン2機は年式は古いがフルサス(前後サスペンション付き)のアルミフレームマウンテンバイク。ハンドルバーは市街地の取回しを想定しコントロール性を確保できる範囲で短くカットしている。また制動性能を重視し、前後とも4ピストン油圧ディスクブレーキにダウンヒル用の8インチローターを装備している。
 ちなみに所有自転車ラインナップは初号機、弐号機は同形式で主力戦闘機、参号機はお買い物用のハードテール(前のみサスペンション付き)スタンド&鍵付き。以上3機はマウンテンバイクベースの市街地仕様である。
四号機は非常用電動自転車(ホンダラクーンコンポ)である。主力戦闘機に関してはパイロットがひとりなので、2機あれば片方がメンテナンス中でも困らないという考えだ。
 特に弐号機はロードバイクサイズの700Cホイールを履いていてスプロケットのギヤ比も男前のロング仕様。おいらのデザインデータを元に、自転車塗装の神様Z-WORKS禅師匠渾身のメラミン焼付け塗装が施されている。
 自動車同様、走る、曲がる、止まるの3点が自転車でも基本重要で、加速性能、旋回安定性能、制動性能、市街地においてはこの3点とも確実にマウンテンバイク街乗り仕様はロードバイクに勝るのである。

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