ローカルのコワーキングの役割。
こちらのnoteは
コワーキングスペース運営者限定のアドベントカレンダー
に参加しています。
https://project-majakka.com/20201209blog/)
少し自己紹介をさせていただくと、長野県の佐久市というところでコワーキングを運営している江原政文と申します。
5年前に佐久市初となるコワーキングiitoco!!というコワーキングをオープンし運営をしておりましたが、なんと、今年の2月に賃貸物件の宿命というやつで、貸し手都合で更新なしとなり、3月に場所は閉じました。しかし、コワーキングは場所に紐づく訳ではなく概念なので、PAX Coworkingの佐谷さんを見習い、現在無店舗展開をしています。
そして、実は、今年の4月にオープンした佐久市のコワーキング&サテライトオフィス「ワークテラス佐久」の指定管理を受けまして、運営をしております。せっかくなので、この施設での運営と取り組んでいることを紹介させていただきたいと思います。
▼初めて「場」で人をつなげる、ということを考えてみた。
まずはどういった場かというと、、、
めちゃくちゃ広いんです。
写真のオープンラウンジだけでも約660㎡。しかも吹き抜けです。総面積な約1,400㎡で今までやっていたコワーキングiitoco!!の約7倍の広さです。これだけの広さだからこそ、ウェブ会議なんかも周りを気にせずできるので、オンライン化が急速に広がった昨今、メンバーの皆さんからは好評をいただいております。
しかし、しかしです・・・。僕はまだまだこの場のポテンシャルを引き出せているとは到底言えないと思っています。
皆さんご存じかと思いますが、コワーキング共同組合によるコワーキングの定義は
個別に仕事を持つ人達が
働く場所(環境)を同じくしつつ
コミュニケーションを図りながら
互いに情報や知見を共有し
時に協働パートナーとして
貢献しあう概念およびそのための施設
なので、ただのワークスペースはコワーキングじゃないと僕も思っています。
今まで運営していたコワーキングiitoco!!はこちらの記事を読んでもらえればイメージわくかと思いますが、小さくて、アットホームな、コミュニティ性の強いコワーキングでした。
ですので、自然と雑談が起こって、そこから何か楽しいことが起こる場であったと思っています。コワーキングにはこの雑談こそが大事だと思っています。
でも、ワークテラス佐久は、ワークスペースとしての環境はかなり良いと思うのですが、広いがゆえに席が離れていてなかなか自然な雑談が起こらない。開業当初、さてどうしたものかと悶々としておりました。(ワークスペースであることが、悪いと言っているわけではない)
で、たまたま今年の6月~8月にわたって開催された「コミュニティの教室」という講座が目に飛び込んできました。どうコミュニティを創っていくかを学ぶ場です。コロナの緊張感がまだ残るころ、急激にオンライン化が進む中、コミュニティ運営はどうなって行くのか、コミュニティにかかわる人はどう思っているのかを知りたくて、久々にこういった講座に参加してみました。
その中で、ヒントをもらったのが、小杉湯でした。小杉湯は銭湯なので、銭湯を目的に来るわけです。だから、場の設計でコミュニケーションが起こるようにしていると。なるほど、僕は今まで【人>場】という風に思っていて場の設計をそんなに考えてこなかったので、非常に学びになりました。ということで、とりあえずいろんな場の仕掛けをやってみました。
***
まずは、自己紹介カードを書いてもらって貼ってみました。どんな人がいるのか知ってもらうためです。
佐久市内山のつながり自然農園さんにお願いしてやってみたハーブや野菜を植えた一坪畑。メンバーの皆さんは野菜フリーにしてみました。また、ハーブを摘んでフレッシュハーブティーも飲めるようにしてみました。
本で人と人をつなぐ「まちライブラリー」を入れてみました。本に感想をつづってつないでいきます。
あと、フォトグラファーでメンバーの持ち込み企画「A670(アンカー670)」ほかの人の投稿した写真からのインスピレーションを自分で撮った写真でつないでいく連画企画です。
こういったちょっとした場で自然と人がつながる仕掛けをを少しずつ入れながら、何かのきっかけでつながってもらえればと思って活動してきています。でも、あくまでも基本【人>場】というのは変わらないし、今まで状況が状況だったのであまり積極的にしてきていませんでしたが、ランチ会や交流会を徐々に開きながらコワーキングにしていきたいと思っています。
▼ワークテラス佐久の利用者の多くはほぼ100%東京の仕事をしている
さて、ワークテラス佐久のある長野県佐久市。長野県の東側に位置して、有名どころだと軽井沢の隣です。新幹線で東京駅から70分という立地です。佐久平駅周辺はよくある地方都市ですが、そこから車を10分ほど走らせると美しい里山に出会える環境です。
緊急事態宣言が明け、徐々に人が動き始めた6月くらいから、ワークテラスのメンバーが増えてきました。その中には、東京に通勤していたけどリモートになってしまった、とか、こちらの移住してきて働く場を探していた、という人がほとんどで、11月末現在40名のマンスリーメンバーがいますが、そこで気づいたのが、そういった人たちはほぼ100%東京の仕事をしているということです。でも話してみると、地域とも何かしら関りをもちたいと思っているようなのですが、いまいちきっかけがないようなのです。
▼東京8割、ローカル2割の生き方の提案
そうか、そういうことかと、地域の関りしろをもっともっと打ち出していこういうことで、こんなイベントを企画してみました。
https://www.facebook.com/events/244828380058916
佐久地域の絶景ポイントに、3日間アウトドアコワーキングを出現させて、そこで、地域プレイヤーと交流して地域のコトを知ったり、自分自身が地域とどうかかわるかを考えるきっかけをつくるイベントです。ローカル2割としたのは、そのほうが感覚的に一歩踏み出しやすいかなと思ったからです。こちらには首都圏から8名参加してくれたのですが、3名が佐久地域へ移住が決まり、一人は会社の拠点を佐久地域に出すことを決めています。そのうちの1人とは、すでにコワーキングが始まっていて、2021年はいろいろと新しいコトが生み出せそうです。佐久は首都圏からのアクセスもよいので、比較的若い世代の移住も多い地域です。だからこそ、こうやって地域との接点をたくさん作って、地域にも関わってもらう提案もどんどんしていきたいと思います。
詳しくは、こちらにレポートしてあるので、よかったらどうぞ。
▼ローカルのコワーキングの役割
地域にとってコワーキングが果たす役割は何か?と考えたとき、地域のフリーランスの働く場や協働の機会を創出したり、自分のやりたいことを実現するためのフィールドを提供することはもちろんなのですが、それに加えて、僕らは地域の異業種の活動家をHUBとして横につなぎ街の魅力を発信&関りしろを見える化し、地域外の人にもかかわってもらう環境をつくることだと思っています。これは、おなじみのカフーツ伊藤さんが作成されたスライドを拝借しますが、このイメージです。
なぜ地域外の人を呼び込むのか。それは、新しい風を呼び込むというか、外から来た人の視点ていうのははやり面白い。実は僕自身佐久出身なのですが、地域の良さというのは移住者の方に教わりました。それ以降、佐久に生まれたことを本当に良かったと思っています。それに加えて、特に首都圏で活躍されている方は、首都圏での競争の中でモヤモヤしている人もいると思うのですが、地方に来るとその経験がすごく重宝されることも多いです。このような意味合いもあり、地域外の人を呼び込むのはこれからのローカルのためになると思っています。
ただ、やみくもに来てくださいといったところで、来てくれるわけがないので、地域で活躍する人たちを横につないで地域外の人ともつないだり、地域外の人たちがどうかかわればいいのか、関りしろを見える化することが大切だと思っています。そして、複数の本業をもつ働き方もこれからのローカルではすごく大切だとおもっているので、この関りしろが、複業の一つになればうれしいと思っています。
あと、この「地域外の人を呼び込む」ことは、もちろん移住していただければすごくうれしいですが、移住である必要はないと思っています。ローカルの課題は日本全体の課題なので、むしろこういった人たちが「移働」してローカルとローカルを面でつなぐことが、これからのローカルのためになると思っています。そのインフラがローカルのコワーキングなのだと思います。
こんなことを思いながら、2021年も活動していきたいと思います。
それでは、次の kazumichさん にバトンとつなぎます。よろしくお願いします。
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