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稲の苗は1日にして成らず~①のぎとり、種子選別、種浸し

米作りを基本に生きるチカラに向き合う「農業複業化プロジェト」
3月5日、今期の米作りのスタートともいえる作業、育苗です。
今回は、「のぎとり」「種子選別」「種浸し」。
講師は今年も佐久市内山の「つながり自然農園」の磯村さん。磯村さんの農法で、教えていただき、メンバーで実践です。

どんな作業かというと、こんな作業になります。

 ☑ のぎとり→お米の種籾(たねもみ)についてるヒゲのような部分を取り除いて、均一に籾まきができるようにする作業。
 ☑ 種子選別→中身の詰まった良い種籾を選ぶ作業。
 ☑ 種浸し→種籾を水に浸して、発芽を促進する作業。


のぎとりの様子

のぎとりは、脱芒機(だつぼうき)という機械にかけます。そうすると、ひげのような部分が取れ、種籾だけ残ります。
農業をやってみて思うことは、年1回しか使わないような「その工程専用」という機械が多いです。個々すべてそろえるとそれなりの金額になってしまうから、なかなかハードルが高くなってしまいます。でも、今回のように、育苗などの作業は地域の人たちと一緒にやれば、コストも下がるし、手間も分散できるし、何より、雑談しながら作業できるのが良いなと感じました。

塩水選の様子

のぎとりが終わったら、次は、中身の詰まった良い種籾を選ぶための作業です。こちらは「塩水選(えんすいせん)」という作業です。

中身の詰まった種とは、発芽から初期育成にかけて必要な栄養源になる胚乳がしっかりつまっている種のことで、これは見た目では判断できません。ですので、塩水に入れて沈んだ種を利用する種籾として選別します。真水のプールよりも海(海水)のほうが体が浮きやすい、それと同じ原理を応用しています。比重の目安は1.13。昔の人の知恵だと、生卵を浮かべて頭がちょっと出る程度です。こういう日常の道具を使ったさりげない知恵が本当にありがたいです。

ちなみに、この技術(塩水選種法)は、明治時代にできたそうです。
継承されてきた今では普通に使っている技ですが、考えた人って本当にすごい。去年から農に触れてきて、先人のつくってくれたインフラの偉大さをものすごく感じます。新たなコトを生み出していくことも大切だけど、このインフラを次の世代に継承していくのも大切な仕事だとも感じています。

種浸し

そして選別が終わった種籾を一定期間真水に浸します。これは発芽を一斉にさせるために行う作業です。この浸す期間ですが、通常は1週間程度のようですが、磯村さんは、ゆっくりと発芽させる方法をとっているので、2週間程度浸します。そして最後、温度を上げて、発芽に向かわせます。ゆっくり低温で浸すことが、強い苗ができるコツの一つなんだそうです。



3月5日。啓蟄(けいちつ)。
「土中で冬ごもりしている虫」の意味で、大地が暖まり冬眠していた虫が、春の訪れを感じ、穴から出てくる頃。
とても暖かい1日で、あー今年もはじまる~という感じのウズウズを感じました。今年も、とっても楽しみです。

本日の作業はこれまで。次回は、種籾を蒔くための種苗土を準備。なかなか骨の折れる作業です。レポートはこちらのリンクから。

農業複業化プロジェクトえはらっちからでした。


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