見出し画像

農業複業化プロジェクト2年目の米作り

農業複業化プロジェクト。
先日無事稲刈り→脱穀→収穫祭を終えて、今期の活動が一区切り。
若干ですが収量も増えたし、2年目だからこそ気づける気づきもあったし、今年も良い1年になったと思います。

そして、田植え後の工程の様子を農業複業化プロジェクトのマガジンで紹介していないことに気づいてしまったので(汗)、ちょっと季節は遡りますが紹介しておきたいと思います。

◆田植え後の雑草との戦い(6月毎週)

田植えをした後待っているのが雑草との戦いです。

なぜ雑草をとるかといえば、雑草に水や養分を横取りされたり日光を遮られて成長を阻害したり、風通しが悪くなったり病害虫の発生源になったりしてしまうからです。

ちなみに僕らは無農薬でやっているので、除草剤を使いません。ですので、初動と特に田植え後1か月は定期的な除草が大切になります。田植えをして1週間程度、苗が根を張り始めたころ、1回目の除草をします。こういった田車という道具を使って条間(稲と稲の間)を除草していきます。田植え後1週間では草っぽい草は確認できませんが、ほんのちょっとだけ発芽して芽を出してきているので、今のうちにやっつけます。

田車。これで生えたての雑草をからめとります。
作業日を決めて、みんなで除草作業。田車をおして除草していきます。
任意参加の日を決めて、時には朝6時くらいから除草。

この作業、なかなかの重労働ですが、毎週やりました。というのは、去年は遠方から来ているメンバーもいるので、ちょっと遠慮して2週間間をあけたことがあります。この時期の雑草の生命力はすごくて、あっという間に雑草だらけ。しかも根をしっかりとはってしまうので、田車が効きません。つまり手で抜くしかなくなるわけです。そして「ひえ」にどっしりと根付かれると手で抜けません。鎌で刈るしかありません。去年は「ひえトリート」とメンバーで笑いあってやっていました(実際デスクワーカーのメンバーが多いのでデトックス効果は確かにあった)が、今年は気合を入れて定期的に、根を張られる前にやっつけました。

そのせいもあってか大分雑草退治はうまくいったと思います。

そして、田んぼの中もそうですが、畔の雑草も草払機で定期的に刈って管理していきます。

この雑草との戦いが、おそらく総労働時間の半分を占めているのではないかと思います。

ちなみに昨年はこんな感じでした。

昨年田車が効かなくて、手作業で雑草とり
ひえと稲の違い分かりますか?僕らは一瞬で見分けられるようになりました笑


◆穂肥~出穂~登熟~落水(7月~9月)


(穂肥7月9日)

さて、7月。
今までは苗を植えて分けつと稲の生長を促進する時期でしたが、今度は稲の穂をしっかり実らせるために肥料(僕たちは有機肥料)を蒔きます。この蒔くタイミングが難しく、穂がでる直前で追肥をします。このタイミングが早すぎると茎や葉っぱに効いてしまって、穂の生長につながりません。

その判断は、このように稲を割って、稲の中に穂ができてきているかを確認します。この時期に追肥をします。追肥の量や、追肥するかどうかは、葉の色を葉色板(カラースケール)で見て、生育状態によって判断します。

穂ができてきているか確認
小さな穂が出てきています
肥料をサンパーという道具につめこみ
均一に蒔いていきます

(出穂→登熟)

そして、穂肥から1か月くらい。8月に入ると今度は、出穂(しゅっすい)してきます。写真には納められませんでしたが、出穂後、開花して受粉し、これでいよいよ実成長していく登熟期に入ります。光合成によって実が生長していくので、天気が良いことを祈ります。

穂がでてきました(8月6日撮影)

また、この時期注意しなければいけないのが「いもち病」。僕たちの田んぼも若干発生してしまっているので、「ストチュウ水」を散布して対策します。さかもっちがみんなを代表して散布してくれました。

ストチュウ水を散布してくれたさかもっち

※ストチュウ水とは、酢と焼酎、木酢液を同量ずつ混ぜ合わせ、それを水で希釈したものです。

そして、8月末頃になると、しっかりと実ってきてくれました。

(落水8月27日)
さて、いよいよ稲刈りに備える段階にはいります。
田んぼの水を落とします(落水)。
去年の反省(なかなか水が抜けない部分がある)を踏まえて、10日ほど早く落水してみます。水を落として土を乾かすことで、機械がしっかり入れるようにします。

田んぼの水を抜きます。

この時期はすずめに狙われる時期でもあるので、今年も昨年同様、子供と女性陣中心に案山子づくり。

また、男性陣はハゼかけ用に竹の棒を近所の竹林に調達しに行きます。

案山子もできたし、ハゼかけ用の資材も調達で来ました。あと3週間後にはいよいよ稲刈りです。

案山子づくり&竹の棒調達の日。実は初めてメンバー全員がそろいました。


◆稲刈り(10月1,2日)~脱穀(10月22日)

さて稲刈りです。
当日は天気に恵まれて、すごく気持ちの良い稲刈り日となりました。
ただ、実は今年は稲刈り前台風が続いたり雨が多かったため、田んぼのコンディションは悪い。バインダーが入れない場所が多々あり、その場合は人力による「手狩り」をしなければなりません。あー、これはしんどくなるかなーと思っていましたが、なんと首都圏から助っ人が20名近く来てくれて、作業が一気に進みました。稲刈り作業に2日間予定していましたが、1日巻いての終了です。人手パワーってほんとすごいです。

こちらの田んぼは全部手狩りでした
佐久地域は「はぜかけ」と言います。地域によっていろいろ呼び方・やり方があるようです。
バインダーが入れる場所は機械でかっていきます。
乾燥するまで、あともう少しよろしくね
稲刈り終了!

稲刈り終了後は、お隣の川で、大人も子供も一緒に遊びます。いや、遊んでいたというよりは、過酷な作業で泥だらけだったので、水浴びしに行ったという方が良いかもしれません。今年もこちらの川で季節ごといろいろ遊ばせていただきました。ありがとうございました。

川で水浴び

(脱穀)
稲刈りから約3週間。脱穀です。
ひたすら脱穀機に乾燥した稲を入れて脱穀していきます。
また今年は人数がおおかったので、脱穀と同時並行、藁カッターで藁を裁断。来年の米作りのために土に藁を還す準備も同時に実施しました。
いやー、稲刈りや脱穀って人手があるとこんなにも時間短縮になるのですね・・・。一度覚えてしまうと、元に戻れなさそうです苦笑
助っ人の皆様、来年もどうぞよろしくお願いします。

脱穀前
脱穀
脱穀
ひたすら脱穀
しっかり実ってくれているはず!?
藁カッター
カットした藁を均等に
完了!!
脱穀したお米をライスセンターへ
ライスセンターに運び、仕上がりを待ちます

◆秋耕~収穫祭(11月3日)

さて、先日ライスセンターに運んだお米が仕上がってきました。
最終作業の秋耕を行って、その後はみんなで収穫祭です。

先日藁カットした藁を、今度はトラクターですき込みます。こうやってすき込んでおくことで、藁が土にかえり、来年の栄養になります。実は、この時期に実施しておくのが大切だったりもします。米作りは終わった瞬間に、来年の米作りがスタートしています。

さて、秋耕を終えたら、いよいよ新米の登場です。
まずは、みんなで収穫をかみしめます。

肝心の味はというと、、、去年より甘みが増したように感じます。昨年20年以上使われていなかった休耕田を田んぼとして再生、今年は2年目となるわけですが、こうやってだんだんとおいしいお米が取れるようになっていくのだと思います。来年はもっとおいしくなるように、今から土づくりをしていきます。

高谷岩。シンボル的存在。
紅葉がピーク。最高の状態です。
トラクターで秋耕。
みんなで交代で作業します。


炊けました!
僕は、第一弾、玉子、鮭、鰹節、ハンバーグをトッピング。そして第2弾へと続く。
新米に合うと思う1品を持ち寄りました。

農業複業化プロジェクト2年目の米作りも無事終了しました。
今年は大豆も作付けしてみました。11月中旬に脱穀なので、きなこにしておはぎにしてもおいしいかもです。

さて、12月に今年の振り返り&来年の方向性の作戦会議をして、第3期目に備えます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?