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ビジネスで模倣されたらどうする?模倣と正面から向き合ってみる

はじめに

こんにちは、商標登録サービス「 Toreru 」の宮崎です。
ビジネスの世界では、「模倣」という現象がよく見られます。それは、僕自身が専門にしている「知的財産」の分野でも大きなテーマであり、多くの人が悩んでいるのではないかと感じています。
今回の記事ではこの模倣について、なぜ起こるのか、どうすれば良いのか等を、実体験も踏まえて一緒に考えていきたいと思います。

なぜ模倣が起こるのか

模倣が起こる理由は、主に二つ考えられます。

  1. ビジネス上の利益:模倣することで研究開発費や試行錯誤を省略し、既存のビジネスモデルやアイデアを利用することで、楽に利益を得られます。

  2. 法的許容:多くの模倣は法的に許容されています。それが違法であっても、少し改変すれば合法になることも多いです。

模倣する側は「やったー!これで楽に儲かるぜ!」という喜びを感じ、一方、模倣される側は「真似されて悔しい!せっかく頑張ったのにそれをとっていくなんて許せない!」という悔しさを感じます。物を盗む方と、盗まれる方の心情と似ていると思います。

Toreru が模倣された経験

僕自身も Toreru のサービスが模倣された経験があります。 色々なレベルの模倣にあいましたが、一番ビックリしたのは長いメールの文言がほぼ同じだったことです。 恥ずかしながら、その時に初めて自分のクライアントの「模倣されることが悔しい」という気持ちを理解することができました。
それまでは、「まぁまぁビジネスなんだから模倣されることもありますよ」と冷静にアドバイスしていました。冷静でいられたのは、専門家であるからではなく、単に当事者ではないからだったんですね〜・・・!

模倣がされやすいビジネスモデル

模倣されやすいビジネスモデルには、2つの特性があります。

  1. 儲かっている

  2. 再現可能

これらの特性が揃ったビジネスモデルは、他者に模倣されやすいです。

模倣をさせないための戦略

それでは、模倣を避けるためにはどうすれば良いのでしょうか?

  1. ニッチ市場を選ぶ: ニッチ市場を選ぶことで、競争相手が少ないビジネスを展開します。

  2. 参入障壁を築く: ネットワーク効果(例:メルカリやPayPay)、規模の経済(大規模な製造業など)、多額の資金力が必要なビジネスを展開することで、模倣による新規参入を防ぐことができます。

  3. 外から見えない強みを持つ: 外から見えないノウハウ、企業文化、蓄積されたデータなどを活用し、競争優位を確保します。例えば、スターバックスのように独自の人材教育マニュアルや、パタゴニアのような独特の企業文化、Amazonのように顧客データを活用してユーザー体験と販売の最適化を行います。

  4. 知的財産権で守る: 特許権や商標権などの法的な手段を用いて、ビジネスを保護します。ただし、これは範囲が限定的であり、完全な防衛は難しいこともあります。

どの戦略を取ればよいか

事業の規模別で最適な戦略は変わってきます。

  • 個人→「ニッチ市場を選ぶ」

  • 中小・中堅企業→「外から見えない強みを持つ」

  • 大企業→「参入障壁を築く」

個人事業主の一番の強みは、経費が低く抑えられることです。そのため、ニッチ市場を選ぶ戦略が最適です。
また、中小・中堅企業はニッチ市場で戦うこともできますが、競合が少なくても数社は出てくる可能性があるので、「外から見えない強みを持つ」が重要です。
大企業はその資本を活かして「参入障壁を築く」ことで優位に立てます。
しかし、業種や業態、市場環境など様々な要因で良い戦略は変わりますので、これはざっくりとした見解になります。

まとめ

ビジネスにおける「模倣」は、利益追求や法的許容から起こりますが、模倣される側にとっては結構辛い経験です。 しかし、模倣の対策(ニッチなビジネスを選ぶ、参入障壁を作る、外部から見えない強みを持つ等)もありますので、ビジネスを立ち上げる時から模倣について意識しておくと良いと思います。

ありがとうございました!

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