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うどんこねながら思い出話

今日はFacebookの3年前の記事。この日は、朝から小麦粉捏ねうどんを作ったようです。
そして、そのうどんにまつわる思い出話です。

小麦粉こねるとリラックスします


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20年ほど前、不登校や退学になった男女のための専修学校で調理実習の授業をやっていました。
そこは、調理実習室なんてものはなく、設備のない2階の食堂を使い、洗い場は一回の職員室の小さな水道ひとつ。ガスコンロも電気調理器もなく、ホットプレート3台も使えばブレーカーご上がってしまうという、なぜここで調理実習ができると思った???
と思うようなところでした。

しかも1週間のうち3時間だけの仕事。調理実習にはレシピをつくったり材料調達をしたりと事前にやることもいっぱいです。
後片付けの時間も考慮するととてもこの施設状況だと「やれない」と判断するのが妥当だと思いました。

また、問題を抱えた生徒や、素行の悪い生徒、コミュニケーション障害だろう生徒が入り混じり、生徒との関係性を築くのも困難だと推測されました。

「あなたならできるかもしれないと思って」

そう言って話を持ってきたのはその後私が起業に至るきっかけを作った派遣会社を経営する友人でした。

現場を見にいくと、もう新学期が始まって居て好奇心で様子を見にくる生徒たちはとても幼く感じました。

とても、いうことを聞くような子たちではないよな。
その数年前に保育所調理員をしていた私は保育園児の方がたぶん素直でやりやすいだろうと思ったくらいでした。

まあ、ハードルが高くて多いほど萌える、、、燃えるタチなのでお引き受けすることになったのですが、先述したように、この条件でやれることは限られ、それでもなんとなく世の中から見捨てられてしまったような諦めてしまったようなエネルギーが漂う生徒たちに少しでも、料理を楽しいと思ってもらい、将来誰かのために料理をして食べてもらう嬉しさを味わえるきっかけになればと、毎回レシピ作りに試行錯誤しました。

火力の弱いカセットコンロ。
ホットプレート。
100円均一で揃えてもらった調理器具。
保温調理も兼ねられる土鍋(100円)などなど。

レシピから生徒25名分の材料計算をするのは栄養士の勉強が役に立ちました(栄養士の免許アリ)

当時は真面目だったので、レシピを決めると必ず家で試作していました。
手作り肉まんも、ピザもこの当時試作で作って息子たちに食べさせていたのを息子たちは覚えていて今でもを肉まん食べたい作って」なんて言い出すのです。

そして、その一つが「手打ちうどん」です。
決して衛生的とは言えない食堂のテーブルで生地を捏ねることはできないと考えて、大きめのビニール袋で生地を作るレシピを見つけ出し、茹でるまでの作業をしたら、あとは市販の麺つゆで食べてもらいました。

これは、人気で半期に一度はやった気がします。

あれから20年、彼らはいい大人になっているのでしょうね。

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