10月31日

もうすぐ今日が終わる。今日と明日を乗り越えれば三連休だ。日曜日は何の祝日だったっけ、そんなことを考える。大学に入ってから、自由な時間が受験生の時と比べて圧倒的に増えたが、それでも祝日というのは嬉しいものだ。

今日は10月31日。きっと渋谷はすごいことになっているだろう。
うちの大学でも毎年この日には仮装をしている学生が一定数いる。私もそのうちの1人だった。それで授業に出たりするものだから、今日が何の日かということをみんなが気付くことになる。

ようやく家に着いた。
化粧を落としていく。目を閉じてクレンジングをしながら今日あったことを思い返す。
午前中は友達と一緒に必修の授業に出ていつものようにスマホとにらめっこをした。ハロウィンに合わせてみんなでメイクをして行ったけど教授からは特になにも言われなかった。
その後は、出席を取られないことをいいことに昼の授業をサボって最近できたカフェに行った。タピオカのブームはまだ続いているのだろうか。
夕方は近くのアパレルショップでバイトをして、夜にはまた仲の良い友達で集まっていい男はどこにいるんだろうとか言い合ってお酒を飲んだ。
大学生というのは無限に時間があるものだと思っていたが思っていたよりもたくさんやることがある。今日も濃い1日だった。そんなことを考えながら手を動かしていく。もう今日は疲れたからシャワーをしたら早く寝よう。そう思った。

シャワーを浴びるために服を脱ぐ。私は秋服が他の季節に着る服に比べて1番好きだ。だから秋が短いと言われているこの町に住んでいるけれど、秋服はかなり持っている。そんな私の秋服コレクションの中から今日選び抜かれた服たちを脱いでいく。

シャワーを終えスウェットに着替える。これが私の部屋着だ。コンタクトを外し、髪を乾かす。みんなが今日の写真をインスタにアップしている。私もしなきゃな。投稿し終えたらアカウントを切り替える。このアカウントでは高校時代の親友と好きな芸能人しかフォローしていない。もちろん鍵をつけている。これが俗に言う裏垢ってやつなんだろう。髪が乾き終わったら肌のケアをしていく。女子というのは本当にやることが多いと思う。男子は女子が毎日していることを言い当て、それらを順番通りに正しく行うことができるのだろうか。そんな意地悪なことを考える。この姿になるといつもそうだ。ダメだ、もう寝よう。

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今日を乗り越えれば三連休。それだけを思い浮かべる。右手の人差し指に左目のコンタクトを乗せて目につける。鏡の前で口角を上げる。これで完成。今日のファッションもメイクも完璧なはずだ。私は私になった。

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「おはよ〜。昨日まじ楽しかったね〜。その帽子かわいい〜。」

なにがハロウィンだ。私は今日もハロウィンをやらされている。