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生前整理を手伝う〜過去の自分を整理するということ〜

今回も来て頂き、ありがとうございます、雅子です。

最近、友人から事情あって、生前整理を頼まれました。

まずは大きな敵

彼女の自宅ではなく、彼女の結婚する前の実家の彼女の部屋だった一部屋丸々に詰め込まれたものたちです。

彼女も結婚して20年近く経ち、ほぼ触らずじまいの元自室を空にして、すっかり後期高齢者になった両親に迷惑がかからないように、キレイにしたいと相談されました。

私が日頃から、

「人生は何があるかわからない、私はほとんど日常のいるもの以外、整理した。遺言としては、あとは残らず捨ててくれと言いたい」と「あとは卒アルと結婚写真、などだけだ」と。そろそろそれも、折りを見て、携帯に自分のところだけ取り込み、処分しようと考えている。

私は51歳です。彼女も同い年。

私は自分の整理を勝手にしましたが、主人の物は手をつけず、彼が決心したものだけ処分しています。

まずはこのnoteでも書きましたが、雛人形を手放した話。これを聞いて、真っ先に「どうすればいい?」となりました。

自分はもう結婚し、子宝にも恵まれた。

娘には娘のコンパクトな雛人形がある。自分のは七段飾りのデカいものだ、もうどうしたらいいのか悩んでいると。

私の経験を話しました。まずは人形供養で検索をしてみてくれと。少なくとも費用がかかるかもしれないから。

するとそう決意した時、彼女は偶然、葬祭場の会社が行う人形供養の情報を見つけ、これまたそこの葬祭場の互助会に入っている彼女の両親が、なくなったと思っていた会員カードを見つけた。電話をしてみると人形だけだが、無料だという。

これで人形だけではあるが、供養として手渡せる先ができた。

雛人形の嫁入り道具は、材質別に分け、処分した。七段の枠は金属、毛氈は燃える物、ボンボリは家電(コンセントついてるので)人形以外とは言え、相当な嵩張り具合だった。昔、自分たちの時代の愛は重いのだ。

自分たち時代は、団塊の世代が親なので、こういう手放し案件には、反対されることが多い。

もったいない。(押し入れにほっとかれる方が、もったいない)

捨て方がわからない(パソコンやスマホがない家は、情報を得るのを諦めがち。かといって、子供に聞くのは親のプライドがある)

人形だから捨てたらバチが当たる!(じゃあ押し入れに詰めっぱなしはバチは当たらないのだろうか?私には負のオーラを感じるんだが)

全部、相談してみたらどうでしょう?わかる人に。年下だろうがなんだろうが誰かに助けを求めるのが一番です。とりあえず、プライド、捨てようかね、先輩方。

本当の敵は奥に隠れていた

これで終わりではなく、本丸はこれからでした。幸い?衣服は結婚の時に自宅に持っていったのでありませんが、それより多いものが、作りつけのタンスの奥の奥まで、あったのです。

行きに行きまくったコンサートのパンフレットとグッズ。そしてその当時推しだったアーティストのビデオ、CDの数々。カセットまで。

パンフは質の良いものばかりでしたし、なんなら一冊の本のようなものまで。これも愛の分だけ嵩張って、すっごく重い。

幸い私もこの手は最低限だけにして、全部手放し済。彼女も全部手放すと言ってくれたので、思い出と懐かしさを語りながら、まとめるだけの作業だったのですが、それでも二日合計6時間、重さにして50キロになりました。

昔のコンサートやパンフレットは豪華だったし、派手だった。水も火も吹き出すものもあった。2度とは見れないけど、パンフやビデオでは感じれない気持ちは残ってる。思い出で楽しめる。笑い合える。

そのころのアーティストも歳をとって、多分同じレベルのパフォーマンスは見れないし、引退している人や大病をした人もいる。まして世の中の情勢として、昔とのアーティスト活動とは別のパフォーマンスになるだろう。

自分が年取った分だけ、時代が動いているのだ。

そしてそれを受け入れて、いさぎよくこれからを動けるように、彼女も私も生前整理している。これからを楽しめるように、後悔なく引きずられることなく心置きなく動けるように。

生前整理というと、縁起でもない!!やめてくれ!!という人もいる。

肩のにを下ろして、次の一歩のためにも、必要なんだ。本人がやりたいのだから、考えあってやっているのだ。実際彼女の身内は、良い顔をしないので、私が手伝っている。私なら、理解してくれるし、自分の両親にもうまくやってくれると。

コンプレックスと世代背景が邪魔をする

生前整理の大きな壁は、身近な人。両親や配偶者。

でもね、体が完全に動かなくなる前に、他人から見て「本人がいないから、もう必要ないね」と処分できるものだけ残したいのが希望だ。

よく「私が死んだら好きにして良いから」といい、お役目は過ぎているものをいつまでも「愛でることもなく」「定期的に手入れすることもなく」「心の奥底での自己満足」のために残して行ってしまう人がいる。

失礼を承知で言うなら、「金品」や「歴史的価値」があること以外は、多かれ少なかれ、自分が思っているより後世にとっては「負債」のことが多い。

今の時代は物に溢れている。むしろ処分にお金がかかる時代。

ヨーロッパなどの家具のアンテーィクは、手入れを丁寧にして、使っているから価値がある。

私の母がそうであったのが、姉弟の二人分の小中学校までの教科書全部、高校での参考書までも残してあったのには、世代や彼女の学歴コンプレックスが見え隠れする。母は自分が中卒なことと、字が上手じゃないことを悔やんでいたようで、子供には進学と習字を習わすのに熱心だった。

「勉強するもの」は捨てちゃいけない。タダで国から貰っていても、もったいない。

母が存命のうちに姉弟とも、結婚、孫も生まれている。しかしその頃には「そんな物の存在を忘れている」うちの場合はコレです。

まだお元気な高齢者の場合は

「邪魔になってはいるが、処分方法がわからない」

「多すぎて(大きすぎて)処分に出せない」

「お金がかかるから、もったいなくて処分できない」

と言う方が多いと思わレます。その子供世代はちょうど私くらいの世代。

よくわかります。捨てるには「処分するための体力」とともに、「捨てるための分別する頭」がないと進まないのです。

体力も分別能力も自信ないなら頼る

幸い身近な人が両方を兼ね備えておられるなら、ぜひ相談して、頼ってみたらいかがですか?

なんなら「自分は出かけるから、その間に「貴金属」や「判断に困る物」は残しておいてくれたら良いから、一度スッキリ片付けてくれ」と言うのも良いかもしれません。なかなかそこまで江戸っ子気質の方もいないとは思いますが。

ただそれは怖いと言うことは自分で自分の物が把握できてない恐れがありうるので、「大事な物を捨てられたらどうしよう!でも大事なものって、どこに入れたかなんてわからない」から、そう思うのです。

いきなり家全体はさすがに大変でしょうから、まずは「押し入れ」の中とか「物置」とか普段出し入れが少ない所の見直しからどうでしょう。

今回の整理も実は「押し入れ」がすごかったです。

押し入れって奥に深いでしょう?

奥にしまうと(特に一番上)見ないから、何年も出し入れが大変から出していないホットカーペット。存在も曖昧だった使っていないミシン。

もはや中学生になった孫が使った七五三の着物の飾り。埃がかぶったまま。(状態がよく見えたので、リサイクルに出しましたが、ちょうど時期を逃したのもあって100円だったそうです)

あとは彼女のまだまだあったコンサートグッズでした。さすがに最後は自分で過去の自分に呆れていました。美しく言うなら「青春だったねえ」(笑)

各4時間、2日の作業でした。処分品はその日に、売るものは後日彼女が取りに行きました。これで一部屋、本棚から押し入れまで、捨てる判断が素早かった50歳そこそこでも、捨てるためにかさばったものを運び出したり、捨てるための分別ルールに分けるのは大変でした。

これが多分、どの後期高齢者宅にはあるでしょう。彼女のお宅の部屋にも、あります。彼女のはありません。しかし彼女の父の「触らずに置いておいておけば良い」と言ったものが。

それは「過去、自分が録画したビデオテープ」でした。昔使っていたテレビ台の中と2箱の段ボールにみっちり。残念なのは、ビデオデッキがありません。これから先、ビデオをお金出してdvdに焼き直すのか、デッキを買って見ようとするのか。わかりません。判断するのは、彼ですから。

私と彼女は、ほぼ処分しました。(CDは聴きますから少し残しました、ビデオは全部処分しました)

そこで処分のパンフの中から、何枚もある紙を見つけました。その時に彼女がコンサートの様子や感想を絵を交えて書いたものでした。彼女は気付いてませんでしたので、あっただけまとめて、後日彼女に渡しました。

彼女は「おばあちゃんになった時に、思い出すため用だった」と笑いながら言いました。

「十分自分でこっそり反芻してから、紙だし処分も楽だから、自分の手で処分しな」と言いました。きっとそうすると思います。

片付けや物を手放すことを忌み嫌う人がいます。大方は「自分の心の隙間を満たすための象徴」です。特に歳を重ねて、未来より過去の方が重くなってくると、どうしても大事な判断が鈍くなります。

「自分の頭と体が元気なうちは、触らせん」が推奨する時代ではなく、

「自分の頭も体も元気なうちに分別しておく、死んだらコレは捨ててくれ。

コレは価値あるかもしれんから。あとは今使っているから、すまないが死んでから自由にしてくれ」と言うのが潔いと言われる時代が来てるかもしれません。

そろそろ少しずつ過去の物を見直して、荷物を下ろしませんか?すると自分の本当に大事なものがわかったり、好きな物に囲まれる快適さに気づけると思います。

今回は、いささか長くなりました。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。




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