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No.8「頑張ることの意味」

結果が全て。頑張ることに意味はない。ただ頑張れないことは問題なのだ。
頑張るということは、大小あれ自分としては無理をしているということである。この時代は、バワハラなどとすぐ騒がれ、泥臭く頑張って結果を出すことに美学はない、効率的かつ効果的な行動をといった省エネで結果を出すことが称賛される時代となった。私自身も効率的かつ効果的な行動には賛成であるし、あえてムリ・ムラ・ムダをする必要など微塵もないと思う。ただ一方で、初めから効率的かつ効果的を意識することが果たして正しいのだろうか。私は、違うと思う。効率的かつ効果的というのは、全体像を把握した上で述べること、つまり一定数ムリ・ムダ・ムラを乗り越える経験も前提として必要なものだと思っている。乗り越える経験を得るためには、「頑張ること」が必要不可欠である。このムリ・ムダ・ムラを乗り越えるための頑張りに成果や生産性があるかといったら、そんなことはなく、行動そのものに意味はない。最初からもっと効率よく要領よく結果を出すことはいくらでもできる。しかし、乗り越えることで経験が増え、視野が広がり次に繋がっていくことが大事であり、加えてムリ・ムダ・ムラを乗り越えた先にしか解決できない課題があることもある。だから、乗り越えることができない、つまり頑張れないことは大きな問題なのだ。

頑張るという行動は、頑張った経験がある人にしかできない。勿論、最初の1回は自ら踏み出すしかないが、1度頑張ることができた人はその経験を基に、分野を問わず頑張ることができるようになる。その点で大切なことは、人生のどこで最初の「頑張り」を行うかということである。これは、早ければ早いに越したことはない。若年のうちに経験することができれば、その後の人生のおける「頑張り」は非常に容易になる。はたまた、この「頑張り」が50歳までなかった人が今更頑張ることができるのかといったら、正直難しい話かと思う。その言った若年のうちに「頑張り」を経験できなかった人は、1度も頑張らずに生涯を終わるか、突然頑張らないといけない瞬間が生まれ乗り越えられずに潰れてしまうかの2択ではないかと思う。

しかしながら、冒頭に述べたように現代において頑張るという行動に対しての美学は失われ、若者が「頑張り」を経験しにくい環境となっていることも事実なのだ。理不尽のない良き時代に進んだという反面、特に若者の成長機会が失われてしまった面はある。しかし、理不尽を強いろというわけでは決してなく、若いうちに逆境を乗り越えていく経験をした方が良いということを進言したいだけなのである。では、どのように逆境を乗り越える経験を積んでいけばよいのだろうか。経験を積むことが、現代においてできないかというとそんなことはなく、成長機会が失われたと述べはしたが、むしろ適切に積むことができるようになったと私は考えている。方法は本当に単純な話で、自分自身で自分に高い目標を設定して、その目標に本気で挑戦すれば良いのだ。高い目標に直面した時、それは人にとって逆境である。分野はなんでもいい。部活なのか、勉強なのか、恋愛なのか。1度でも逆境に本気で挑んでいく経験さえできれば、人は自ずと成長を続ける生き物であり、どんな分野でも頑張ることができるようになる。

私は、弓道の部活でこの頑張る経験を手にした。特に高校時代や大学時代は一見どう見ても不可能と言わざるを得ない「日本一」を目標に掲げ、狂ったように練習した。高校時代は未成年補導に怯えながら23時まで市営の弓道場で練習したり、大学時代には昼の12時から道場に行き終電で帰るような生活を4年間続けたりした。少し上手くいくことはあったが、結局「日本一」には全く届かなかった。結果が出なかったあの練習時間に弓道的意味があったとは言えない。しかし私は、あの時に「日本一」を目指すという逆境に対して諦めずに立ち向かった経験が、その後の自分の人生にすごく活きていると胸を張って言える。仕事でも多少のことでは諦めないし、物事を成し遂げようとする姿勢には誇れるものがある。あの弓道での「頑張り」が、他分野の仕事への「頑張り」に繋がっているのである。そして頑張ることができるからこそ、本質的な結果を追求することができるのだ。勿論、自分が完成されているということなど全くなく、私より頑張れる人間は世の中に山のようにいる。だからこそ「頑張り」を増幅させ、良い結果を出せる人間になれるよう日々精進していく所存である。

是非、皆さんにも早いうちに逆境を乗り越える経験を積み、自分が頑張れる人間だと思えるようになってほしい。既に積んでいる方には、その「頑張り」を増幅するために様々なことにチャレンジしてほしい。泥臭く頑張って結果を出すことに美徳を置かれない世の中ではあるが、世の中が何と言おうと、頑張れる能力はあなたの強力な武器であり、それだけであなたの価値を十二分に証明しているものなのだ。

最後に、頑張れる皆さんへのメッセージで文を終えることとしよう。
頑張れるあなたは、いつか必ず最高の結果が出せる。
泥臭い頑張りに胸を張って突き進んでほしい。

2022年3月31日 記

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