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ナポリの6度 入門🍝

~いつかござさんみたいに弾きたくて~
第4章(*1)で出てきたワード、「ナポリの6度」
これは確実にオシャレな香りがする…!
でも何がナポリ?何が6度…??調べました。

クラシックの和声学の用語のようですが、
結論、それぞれの由来は、
・ナポリ:ナポリ楽派と呼ばれる音楽家たちに好んで使用されたため。
・6度:下属音(サブドミナント)上の短6度。

ということでした。まずは"6"が大事そう。

ナポリの6度の定義は、
「短調のサブドミナント(下属和音)であるIVmの第5音を、半音上げた短6度にした」和音。Cマイナーなら、IVmであるFm(構成音F,Ab,C)に関して、第5音であるCを半音上げてDbにした和音、Db/F(構成音F, Ab, Db)のことですね。

これは主音の半音上(短2度)をルートにした長和音の第一転回形(*2)と一致します。同じくCマイナーなら、bIIであるDb(構成音Db, F, Ab)の第一転回形にするとDb/Fとなり、上記と一致します。このため「ナポリのニ(II)」とも呼ばれます。

いずれにしろ、これがどう使われているかというと、とにかくベートーヴェンの月光ソナタがわかりやすかったです。

冒頭の第3小節で、A(ラ ド# ミ)→D/F#(ラ レ ファ#)…と変化します(00:15あたり)。この後半のD/F#こそがナポリでした。暗い短調のイメージから、突然光が差してハッとする感じがします。こんな効果があるみたいです。

この後半のD/F#は、曲冒頭部の嬰ハ短調(Db minor)のIVmであるF#m(F#, A, Db)の第5音Dbを半音上げてDにし、D/F#(F#, A, D)にすることでできています。まさにナポリの定義通り。

なお、ナポリの6度は、元となる和音がサブドミナントなので、ドミナントに進む性質があります。この場合だとG#mに進もうとするということでしょう。

ナポリの6度は歌謡曲やJpopでも使われているそう。身近な曲に使われていないか、調べてみるのも面白いかもしれません。

色んな数字が出てきて、混乱しながら調べていましたが、どうやら名前のついたコードは他にもあるようです。「ピカルディ―の3度」、「ホルンの5度」、「ドリアの6度」、「エオリアの7度」等々。ワクワクしますね。またゆっくり勉強してみようと思います。

それでは。


*1 JAZZ STANDARD THEORY/納浩一・著
(リットーミュージック)の第3章
昨年から、ゼロからのろのろと勉強しています。
*2 第一転回形:第3音が最低音になった和音。この時最低音の第3音からみて6度上にルート音が置かれているため、「六の和音」とも呼ぶ。このことから、ナポリの6度の和音を「ナポリの六」とも呼ぶ流儀もある。