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個人事業主(フリーランス)が一年を生き抜くためのロードマップ管理法。計画の重要性と作り方

こんにちは @masa_yco  です。2021年11月に東京から長野へ移住して、現在は夫婦で個人事業を営んでいます。僕はマーケティング関連、妻は専従者としてアパレルOEMの仕事をしながら生計を立てています。

個人事業主に成り立ての僕たちは「この一年をどう生き抜くか」は死活問題です。僕の仕事柄、計画を立てることが多いいのと計画するも好きなので1月中旬ぐらいに2022 年のロードマップを組み立てました。

会社勤めの時は当たり前のように行っていましたが、いざ自分の事業として作ってみると「過去の実績(数値)がない」「やりたいことが多く詰め込みすぎてしまう」など、考えることが多かったです。時間をかけながらも、売上や営業利益などの数値を並べるだけでなく、「○月までにはこうなりたい」「この事業の売上を○月までには作りたい」などアクションを細かく入れて現実的な計画が立てることができました。

ということで今回は「個人事業主(フリーランス)が一年を生き抜くための年間ロードマップ」と称して、ロードマップの重要性や作り方を書きます。

個人事業主(フリーランス)がロードマップを作る目的

まずは、ロードマップを作る目的です。一般的には「やることを明確にする」「全員に共有して目標と課題を把握する」「モチベーションを高める」みたいなことが目的とされますが、個人事業主(フリーランス)は、チームなんてないし、モチベーションがどうのこうのとか言ってられないです。個人的には、以下の3つを目的としています。

  • 目標を定めることで行動に繋がる

  • お金の動きを把握し、数字と睨めっこする癖をつける

  • 自分への評価を計画にしてもらう

それぞれ解説します。

目標を定めることで行動に繋がる

これは「やることを明確にする」に近いのですが、少し意味合いが異なります。現在僕たちは以下の事業を展開しています。

  1. マーケティング関連の受託業務 → NOW

  2. アパレルOEM → NOW

  3. 自社メディア運営 → NOW

  4. D2C → NEW

  5. 地域の仕事 → NEW

【NOW】と書かれているものが現在進行形で、【NEW】がこれから立ち上げる事業です。よくあることですが、どうしても目先の利益に繋がる業務やタスクを優先してしまうため、新しく始めることは後回しになっていきます。ロードマップにアクションを追加することで、頭の中にインプットされ、自然と必要な情報を収集し、行動を起こすようになっていくのが狙いです。

下図は2022年1月の全体としてやる必要があることを並べています。これ以外にも事業ごとにマイルストーンを設けて、各事業でやることを明確にしています。

年末年始に来年(今年)は○○やるぞ!と意気込んだものの、正月が終わってから…、成人の日を含む3連休が終わってから…、2月から…、春から…夏までには…と一瞬で1年が終わってしまった経験はないでしょうか?

そうならないためには、適宜振り返りができる計画が必要なのです。もちろん必ずしも計画通りに進んでいくことはなく、不確実性の高い仕事において「システムに不備があり対応に時間がかかった」「想定以上にタスクが膨らんだ」「自分や家族が体調を崩した」など、予定にはない突発的な対応がしばしば出てきます(むしろそればっかりかもしれない)。

仮に進行が遅れても、計画を立てていれば「どれくらい遅れているのか」「影響がどれくらいあるのか」「どこかでリカバリーできないか」など、先を見越して動くことが可能です。

ここで大事なのは追い込みすぎないこと。計画通りに進めなければ死ぬ…みたいに追い込んでしまうと、達成できなかった場合、逆にやる気をなくし、どんどん後回しにして、挙げ句の果て何もやらなくなります。そうなると感情の問題になってしまうので巻き返すことが困難になります。完璧にこなす必要はなく、不確実性を前提に程よく良く進めていくことが大事です。

お金の動きを把握し、数字と睨めっこする癖をつける

ロードマップには定量的な数値と定性的なアクションを入れています。定量的な数値は「売上高」「売上総利益(粗利)」「営業利益」などいわゆるPL(損益計算書)に入る項目、定性的なアクションは、数値を作るために必要な行動です。例えば「○月までにECサイトをオープンさせる」「○月にネットリサーチ(アンケート)を行う」などが該当します。

会社員時代と大きく異なることは、全ての数値を管理できることです。事業責任者やマネージャーならば事業単位での数値は管理しますが、会社全体や他の事業部の数値を詳しく把握できない、もしくはコントロールできないことが多いかと思います。(そのために役割配分されている)

規模は小さくなるものの、個人事業主(フリーランス)の人は、小さな雑費から大きな投資まで全て自分で管理し、お金の動きを注視します。僕たちの事業では工場への仕入れやライター、デザイナーへの発注などの外注費が発生するため、ただでさえ少ない資金がショートしないように、いつどのタイミングで増減するのかを日々睨めっこしてます。(ちなみに細かな経理管理はマネーフォワードを利用中)

毎月どの事業がどれだけの売上を上げて、仕入れ・外注費がどれだけ必要なのかを加味した1年の予測を立てることで、年間の売上高や営業利益を割り出すことが可能です。数値の見通しがわかれば、あとは答え合わせをするだけなので、1年を大きく4つに分けて目標とのギャップを確認します。乖離が大きければ、目標を見直して実態を伴う数値を作っていきます。

本来なら昨年の実績をもとに目標を定めたいところですが、個人事業主に成り立ての僕たちは過去の実績が乏しいため、おおよそこれぐらいは売上が出るだろう(欲しい)と予測して数値を出しました。

その他にも運営しているWEBメディアとSNSのKPIやそれに対してのアクションもロードマップに組み込み、全ての数値がわかるように一枚のシートで管理しています。

今では毎月の答え合わせが楽しくてしょうがなく、PL(損益計算書)の読み方もわかってきました。ここで分かったのは「行動を起こさなければ何も変わらない」です。何か一つでもアクションすると0.0001ミリでも数値に変化が起きるので、上手くいかなくても行動しないよりは100億%マシだということです。

しかし、話は変わりますが住民税、国民健康保険料、国民年金料は思ってたよりかかるので、ビビってます。

自分への評価は計画にしてもらう

これが個人事業主(フリーランス)にとっては重要です。会社では「人事査定」があり、成果や能力、日頃の行動や姿勢などを客観的に評価してくれる機関があります。僕たちは夫婦でやっているので少なくとも二人ですが、お互いのことを評価はしません(そこまでビジネスに振り切った関係ではないです)。仕事の結果をクライアントから評価されることはあれど、個人事業主(フリーランス)は、自分のことを客観的に評価してくれる人はいないのではないでしょうか。

これは泥舟に乗っているかのような危険な状態を示唆しており、基本的に業務委託は今ある知識とスキルの切り売りで、他者からのフィードバックによる知識の広がりや、新しい技術への理解は、かなり意識していないとインプットできません。知らない間に自分の知識やスキルが時代遅れになり、ビジネスシーンから退場する可能性が潜んでいるのです。

では、チームで動かない個人事業主(フリーランス)は、誰に評価してもらうかと言うと、やっぱり自分しかいません。具体的には計画を立てた自分…つまりロードマップです。決めた目標に対して達成できなかった場合は、「なぜできなかったのか」「そのアクションは正しかったか」「時間がかかったことは何か」など自問自答して評価します。自分で作ったロードマップ…つまりそのプロジェクトにどれだけ貢献できたかをシステム的に評価するイメージです。

逆に達成できた場合は自分で自分を褒めましょう。基本的には誰も褒めてくれないので思いっきり褒めてあげましょう。(これ大事)

しかし、考え方や新しい技術の情報共有は、一人で自問自答しているだけでは限界があるので、SNSを頻繁に眺めたり、興味のあるコミュニティに参加したりなどがおすすめです。方法はたくさんあるので積極的に試してみてください。ちなみに僕は(ほぼROM専ですが)、6つのコミュニティに属し、2つの有料note(定期)を購買してます。

おかげで新しい情報にはくらいついていく習慣ができています。そこで得たことは自社事業で試して、満足いく結果が出たらクライアントワークにも活かされるため、良い循環が生まれています。

また、評価とは異なりますが、ゴールへ到達するためにはメンターが必要だとも思ってます。

会社向けはお値段がお高いので難しいですが、個人向けとして「THE COACH」や「ment」などの便利なサービスがあるため、一度体験してみようかと思います。

また、独学を強化したい方は、山口周さんの「知的生産力を高める独学の技法」がおすすめです。独学をシステムとして捉えるという考え方に共感で、「戦略」「インプット」「抽象化・構造化」「ストック」の四つについて語られています。気になる方はチェックしてみてください。

年間ロードマップの作り方

次はロードマップの作り方を紹介します。使うツールは、売上や目標達成率を集計するためGoogleスプレッドシートやExcelがおすすめですが、「notion」や「asana」など便利なツールがあるので、それを利用するのもいいですね。

ここではツールの使い方ではなく、必要な項目を説明します。ただし、あくまでも個人観点なので環境や状態によって変わることをご理解ください。

ロードマップの項目は以下のようにしています。

①全体数値

  • 売上高・売上総利益

    • 事業A

    • 事業B(※事業の数だけ入れる)

  • 営業利益・利益率

    • 事業A

    • 事業B

  • 固定費

    • 通信費

    • 従業員給料

    • ツール費用 など

  • 変動費

    • 仕入れ

    • 外注費

    • 経費 など

  • 各月毎の重要なアクション

②事業ごとの数値

  • 事業A

    • 売上

    • 営業活動費・利益率

    • KPI(サイトUU、フォロアー数など)

    • 採用人数

    • 各月ごとの重要なアクション

※上記を事業の数だけ入れる

以上です。たったこれだけ?と思いますが、全体的にはこのようなシートになります。

1年のロードマップ。目標と実績、達成率が一目でわかるようになっています

このシート一枚で事業全ての数値とアクションがわかるようになっています。大枠はこのシートをもとにして、それぞれのアクションのタスク群は、notionで管理してます。毎月末に次月のタスクをリスト化し、そこからさらに細分化したものを1週間単位で入れていきます。

タスクは仕事だけではなく、プライベートの予定も入れます(例:燃えるごみ捨てる

ポイントは仕事のタスクだけではなく、プライベートのタスクも入れることです。例えば、燃えるゴミ捨てる、買い出しに行く…など。全てをひっくりめてタスク化することで、自分の体が1日にこなせる量も分かってくるので、調整しやすくなります。notionを使った具体的なタスク管理術はスワンさんのこちらの記事がとても参考になるのでチェックしてみてください。

売上目標の作り方

個人事業主(フリーランス)にこれからなる人や成り立ての人は、売上目標をどう作るのか基準がわからない人もいるかもしれません。その場合、まずは生活にかかる費用を整理してみましょう。家計簿と同じ要領です。家賃、光熱費、食費、通信費、交際費、雑費…など生活をする上で必要最低限かかる費用を出します。そして重要なのが、住民税、国民健康保険料、国民年金料です。昨年の年収によって計算されるため人によっては金額が異なりますが、計上を忘れないよう注意ください。(もし仕入れや外注費がある場合は、その費用も計上してください)

例えば上記すべての合計が50万円だった場合、最低でも月50万円の売上がないと、生活が苦しくなります。苦しいのは嫌ですよね、なので1.3倍ぐらいを目標に置くと現実味があるかもしれません。その場合、65万円が毎月の売上目標になります。

次にその65万円をどうやって作っていくのかを決めます。もし1件20万円の仕事なら3〜4件、10万円なら6〜7本、5万円なら13件…と単価×本数の組み合わせで、毎月どれくらいのボリュームをこなさなければいけないのかを決めます。僕の場合、一つの会社に絞り込むのはリスクが高いため、複数の収益源を作るようにしています。自分の体は一つしかないため、体を使わなくても収益を得られるような仕組み作りにも取り組んでいます。

最後に、ロードマップのテンプレートを共有します

日々の業務に経理にセルフマネジメント…個人事業主(フリーランス)には必然的にマルチタスクが求められます。あれもこれもと手を出してしまうと、結局何がしたいんだっけ?の沼にはまる危険性があるため、この一年で最も実現させたいことを明確にして、それ以外は、80%ぐらいの達成率でいいやぐらいの気持ちで進めると楽しめます。(楽な気持ちで望んだ方が目標達成できる説)やっぱり体が資本なので無理せず、心身ともに健康な状態でいられることがベストですね。

ちなみに僕の今年の最も重要な目標は起業(法人化)するです。会社を設立するだけなら事務的な手続きだけなので簡単ですが、継続的に仕事をとる仕組みとそれを実行するチームも合わせて作っていければと思ってます。

最後に、僕が使用しているロードマップのフォーマットを共有いたします。全ての項目が仮で入っているため、任意のものを入れてください。フォーマットもカスタマイズして使いやすいように変えても問題ございません。

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以上、最後までありがとうございました!


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