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いま読んで欲しい時代小説|超主観で選ぶMy Best3

専門的な解説は一切なし超主観で選ぶMy Best3
今回は“時代小説”編をnoteします。

時代小説

通勤時間を使って1週間に1冊ペースで文庫本を読んでいましたが、最近では電車に乗る機会がめっきり減ったため、なかなか進みません。

今やケータイで小説を読む人の方が多い時代となりましたが、多くの書店で時代小説専門コーナーが出来ているのをご存知ですか?

そこで今回は、今の時代だからこそ読んで欲しい“時代小説”の中から、私のBest3を紹介します。

1位 上田秀人『水城聡四郎シリーズ』

私のベスト時代小説は上田秀人著の“水城聡四郎シリーズ”。

上田秀人 公式ホームページ|如流水の庵
http://www.ueda-hideto.jp/
水城聡四郎シリーズ 特設ページ
https://www.kobunsha.com/special/ueda-hideto/mizuki/

主人公の水城聡四郎が活躍するシリーズものですが、江戸時代でありながら現代のサラリーマン人生そのものといった物語はまさに“江戸の島耕作”です。

物語を現代に置き換えて紹介すると、六代将軍・家宣が治世する時代、主人公が将軍懐刀の新井白石にスカウトされて就職した先は、勘定吟味役という公認会計士事務所。
そこで才能と努力が紀州藩主であった徳川吉宗の目に留まります。吉宗が将軍になった暁には秘書室ともいうべき御広敷用人となり、大奥に対し辣腕を発揮。
次は将軍に世の中を見てこいと道中奉行副役の下命を受け、海外トレーニーの如く京の公家を学びに旅へ。
まさに将軍の腹心へと成長した主人公は、惣目付という名の監査役に就任して、最後のシリーズがスタートしました。

また、仕事一辺倒でないのがこのシリーズの魅力であり、仕事に絡んだ出会いから結婚、出産、単身赴任と、サラリーマンであればどこかに必ず自分と重なる姿が見つかると思います。
サラリーマンの皆様は、ぜひ一度手にとってみてください。

左:「御広敷用人 大奥記録(十二)」光文社時代小説文庫 本体620円
中:「総四郎巡検譚(六) 総力」光文社時代小説文庫 本体640円
右:「惣目付臨検仕る 抵抗」光文社時代小説文庫 本体640円

2位 山本兼一『いっしん虎徹』

第2位は山本兼一著の“いっしん虎徹”。
『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞した山本氏の“職人もの”をご紹介します。

山本氏は刀剣や刀鍛冶にまつわる小説をはじめ、職人や商人にフォーカスした作品を数多く残しています。
例えば城造りの棟梁を主人公とした『火天の城』や、今回ご紹介したい刀工・長曽祢興里虎徹入道の生涯を描いた『いっしん虎徹』が代表作として知られています。

『いっしん虎徹』を読むと、ドキュメンタリー番組を見ているかのようなリアリティと、職人が仕事に命懸けで取組む情熱とが、まるで自分自身が刀剣となって虎徹本人に鍛えられているのではないかという錯覚におちいるほどです。
こちらは個人事業主や芸術家の方にもぜひ、おすすめしたい作品です。

また、職人ものを読んだ後は、ぜひ時代劇ミステリーの『心中しぐれ吉原』もご一読ください。山本氏の懐の深さを味わうことができます。
山本氏はこの他数多くの作品を残すも2014年鬼籍に入る。

中:「いっしん虎徹」文春文庫 本体710円
右:「利休にたずねよ」PHP文芸文庫 本体838円
左:「心中しぐれ吉原」ハルキ文庫 本体580円

3位 『時代小説 ザ・ベスト』

第3位は“時代小説 ザ・ベスト”。
それは反則だというお叱りはごもっともですが、まだまだ紹介したい作品が多すぎ、絞り込むことが出来ませんでした。
すぐに思いつくだけでも…
・浅田次郎『新選組三部作』
・安部龍太郎『五峰の鷹』
・伊東潤『巨鯨の海』
・垣根涼介『室町無頼』
・澤田瞳子『若沖』
・長谷川卓『北町奉行所捕物控』
・葉室麟『蜩ノ記』
・火坂雅志『黒染の鎧』
・宮城谷昌光『太公望』
・和田竜『忍びの国』

悩んだ末に思いついたのが“ザ・ベスト”。こちらは最前線にいる時代小説作家のオールスター短編集となっています。
時代小説初心者の方はまずは一通り読んでいただき、「この文章好きだな」と思う作家がいれば、短編冒頭の作家紹介に書いてある代表作を手にとってみてください。
どの作家を選んでも外れることはないはずです。

左:「時代小説 ザ・ベスト2018」日本文藝家協会 編 本体900円
中:「時代小説 ザ・ベスト2019」日本文藝家協会 編 本体920円
右:「時代小説 ザ・ベスト2020」日本文藝家協会 編 本体980円

殿堂入り 池波正太郎『鬼平犯科帳』

今回は私の原点とも云うべき作品も紹介します。
皆様ご存知の池波正太郎著“鬼平犯科帳”です。
私の中で漫画のバイブルが『MASTERキートン』だとすれば、私にとって“鬼平”が時代小説のバイブルでした。

まだ20代前半の頃、実家に帰った際にインフルエンザに罹り1週間ほど自宅待機になったことがありました。特にやる事もなく、たまたま父親の書棚から手に取った“鬼平”でした。
読み始めるとあまりの面白さに最終巻まで一気読み、それから時代小説にドップリはまり、今では500冊を有に超えるほどに増えてしまいました。
もちろん二代目中村吉右衛門主演のテレビ時代劇も大好きな作品です。

池波正太郎先生は時代小説だけでなく、先生の生活を基にしたエッセイも執筆されており、今ではお昼過ぎの蕎麦屋でお酒を呑む“池波正太郎先生ごっこ”が、私の大好きな趣味となっています。

右:「鬼平梅安 江戸暮らし」集英社文庫 本体520円
左:「鬼平犯科帳(22) 特別長編 迷路」文春文庫 本体543円

以上、私が好きな“時代小説Best3”でした。

今後も色々な“超主観で選ぶMy Best3”をnoteしていきます。

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