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経営チームがチームワークを発揮するために

昨日の記事には多くの反響をいただきました。ありがとうございます。


実はこの記事を書きながら考えていたことがあります。それは、ここで書いたような「部門をまたがる課題」に、うまく対応できる会社と、そうでない会社の違いは何だろう、ということでした。

私の答えは、経営チームのチームワーク です。

チームワークの話をするために、私が考えるチームワークと分業の違いを説明しますね。

10の仕事があったときに、

あなた4やって、私も4やるから。で、残り2はあの人にやってもらおう!

これはどう見てもチームワークではありません。ただの分業です。

一方、チームワークが発揮された状態では、シナジーが生まれます。シナジーとは、1+1+1が5になったり10になったりすることです。今までなかった視点が出てきたり、新しいアイディアが生まれたり。

個々のメンバーだけでは思いつかなかったこと、できなかったことが、実現できること。これがシナジーが生まれて、チームワークが発揮されてる状態です。

これ、多くの経営者やリーダーは、現場レベルで意識し、実践すべきことと考えているようですが、経営チームとして、このようなチームワークが発揮できているかというと、どうでしょうか?

コンサルタント時代も含め、これまで多くの「経営会議」(名称はさまざまですが)に出席してきましたが、経営チームとしてチームワークを発揮できている会社は、意外と少ないのではないか?

もう少し正確に言うと、部門長であっても、経営チームの一員になれていない人が多いのではないか?と感じています。

経営チームは多くの場合、部門長で構成されますが、経営会議でその部門長たちの発言が部門代表としての発言だけになっていたら、それは経営チームがチームワークを発揮できていないということです。

会社が持つさまざまな機能を分業しているだけです。

ただ単に部門を代表した、しかも機能組織の代表としての発言しかしない。自部門の視点しか持ってないようでは、経営チームの一員とは言えません。部門長かもしれないけど、経営チームメンバーではない。

トップ(社長)だけしか、部門横断(機能横断)的な視点を持っていない会社は、とても危険です。トップといえどもすべてを把握できるわけではありませんから。

各部門の視点で見ていたら見えないような課題を、どれだけ掘り起こして議論できるか。

他部門のことも含めて、どれだけ口を出せるか。

それを、顧客視点で議論できるか。

経営チームのメンバーに問われるのは、まさにココなんですが、現場から順当に上がってきた部門長には、なかなか難しいようです。

昨日の記事に書いたような、部門をまたがるような課題を、経営チームが議論できるか。まさにアジェンダ設定力が問われているわけですが、経営チームの一員であれば

「いま、経営チームとして議論すべきは、ソレではなくコッチではないか」

そういった議題の提案をしないといけないのです。

あちこちから出てきる全社レベルの(部門を越えた)議題が、経営会議で議論され、個々のメンバーだけでは思いつかなかったこと、できなかったことが、実現できる。これが、経営チームがチームワークを発揮している姿だと思います。

ここまで読んでくださった皆さんはもうお気づきだと思いますが、なにもこれは経営チームだけの話ではありません。

どの階層のリーダーであっても、同じことが求められるのです。

自部門のことばかり考えていないか。
横のチームが見えているか。そこに口を出せるか。
顧客視点で課題を発見し、議題として提案できるか。

分解されて自部門に課されたKPIばかりを追いかけていては、大きな課題を見逃してしまいます。多くの会社で第1四半期が終わるこの時期、そんな議論をするには良いタイミングかもしれません。


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