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イマイチな会議を良い会議に変えるコツ

皆さん、会議は嫌いですか?

そうですか...残念ですね。
それはたぶん、良い会議に巡り合ってないのでしょうね。

とかく嫌われがちな会議・ミーティングですが、ちゃんとアジェンダが設定され、参加者が適切な態度で臨むミーティングというのは、とても価値が高いものだと、私は思っています。

先日ご紹介した『1分で話せ』はプレゼンに関する本でしたが、ここに出てきた

ゴールは相手の行動
「理解してもらう」はゴールにならない

という内容を読んで、かつて自分なりに整理した「会議の質を高めるためのポイント」を思い出したので、ご紹介したいと思います。


会議・ミーティングがイマイチな原因は、たいていの場合、目的の設定がイマイチだからです(それ以外の原因は、そもそも目的が設定されていないから)。

そもそもミーティングの目的というのは、以下の4つしかありません。
下に行くほど、ミーティングの価値は高くなります。

Inform  何かを伝えるため
Discuss  議論するため、または議論させるため
Decide/Drive a decision  意思決定するため、意思決定を促すため
Ask/Move to action  行動してもらうため、行動を起こさせるため

こう見てみれば明らかなのですが、何も考えずにミーティングを開催してしまうと、つい「何かを伝えて、議論する」だけで十分に意義があると思いがちです。
しかし、Inform や Discuss が目的のミーティングというのは、たいして価値がありません。
方針を決め、それに沿った具体的な行動を導くところまでいって、初めて複数人で集まった意味があると言えるのです。
イマイチなミーティングはたいてい Inform/Discuss しかしていません。
そんなときは、ミーティングの目的を Decide/Ask に変えるのがポイントです。

今でも行われているかは知りませんが、かつて Intel社では、ミーティングがはじまるときのフレーズが決まっていたそうです(すみません、出典忘れました)。

“The purpose of this meeting is to inform you about X, to discuss Y and to decide on Z,” where Z is a specific, well-defined decision.
「このミーティングの目的は、皆さんにXについて伝え、Yについて議論し、Zについて決定することです」

(Zは明確に定義された意思決定のポイント)


ここで必要となるのが、適切なアジェンダを設定する力です。
本来、アジェンダというのは、「実行に移されるべき(ことがら)」という意味だそうです。

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ミーティングが終わった時点で、どうなっていたいのか?
何が実行に移されるべきで、具体的には誰に何をしてほしいのか?

これをミーティングの「前」に考えておくのがとても大事で、そこから逆算しない限り、本来「アジェンダ」は決まらないはずなんです。
「○○について」だけでは、アジェンダとは言えないんです。

AさんとBさんがともに○○については◇◇する、という結論に合意し(Decide)、Bさんには△△を、Cさんには□□に取り掛かってもらう(Move to action)。

このような、ミーティングが終わった後の状況、具体的な結論を、ミーティングの「前」に考えたうえで、アジェンダを設定し、その時間に話をどのように進めるか作戦を練っておくことが、本来の「アジェンダ設定」なんです。

ここまで考えて、ミーティングのアジェンダを設定し、そのミーティングをコントロールできたら、それはもうあなたが「意思決定」をコントロールしたのと同じです

これが、以前「ジェネラリストという道」でご紹介した「経営という役割を仮想的に果たす方法」であり、「自分が意思決定の権限を持っているつもりで、仕事をする」コツです。


価値の高い会議にまだ巡り合ったことがないという方は、ぜひあなた自身がアジェンダを設定し、Decide/Ask を目的にした会議を運営してみてください。
チームの皆さんから「今日の会議は良かったね」と言われるような、素晴らしい体験をしてみてください。
「会議も悪くないな」と思えるはずです。


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