増粘安定剤が血糖値の上昇を抑えるって本当?
食事を摂る際、必ず摂取するであろう食品添加物。
その中の1種類として、「増粘安定剤」があります。
食品を購入した際に、食品成分表示でよく見かける用語だと思いますが、「健康に悪そう…」など、ネガティブなイメージを抱き、実際にどんなものなのか理解している人は少ないと思います。
本記事では、増粘安定剤がどんなものなのかを簡単に解説したのち、ダイエットとの関係について詳しく解説していきます。
ダイエットの中で、食品添加物にも気を付けていきたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
増粘安定剤ってそもそも何?
増粘安定剤とは、食品に粘性や接着性をつける食品添加物のことです。
「増粘剤」「ゲル化剤」「安定剤」の3種類をまとめて言ったものが増粘安定剤で、それぞれには、以下のような違いがあります。
増粘剤…粘性や接着性をつける。
ゲル化剤…液体をゲル化(ゼリー状に固めること)させる。
安定剤…形が崩れないようにする。
みなさんが食品を購入するときによく見かける「食品成分表示」には表記のルールがあります。
本記事で解説している増粘安定剤だと、
「増粘剤(キサンタンガム)」のように「用途+使われた原料」で表記しなければいけません。
つまり、原料が何の目的で使われているのかを示す必要があるんです。
上記の例だと、「キサンタンガムという原料を、粘性や接着性をつけるために使った」ということになります。
食品成分表示でよく見る「増粘多糖類」って何?
食品表示で、「増粘安定剤(増粘多糖類)」という表記を、見たことがある方はいないでしょうか。
実は、2種類以上の原料が使われている場合、「増粘多糖類」で表記できると決められています。
例えば、使われた原料が、キサンタンガム、グァーガム、カラギナンだった場合、表記が長くなるため「増粘多糖類」の言葉で表記できるのです。
増粘安定剤に使われる原料には、血糖値の上昇を抑えるものがある
ある研究で、増粘安定剤の中に、血糖値上昇を抑制するものがあると報告されています。
結論から言うと、その研究で判明したのは、「キサンタンガム」と呼ばれる植物原料の食品添加物が、血糖値上昇を抑えることでした。
そのほかの増粘安定剤に使われる原料では、血糖値上昇を抑制する効果は見られなかったそうです。
つまり、増粘安定剤が含まれている食品のうち、キサンタンガムが含まれているものを選べば「ダイエットにつながるかもしれない」ということになります。
キサンタンガムが、血糖値の上昇を抑制する仕組み
ここでは、前述した研究で「どんな仕組みで血糖値の上昇を抑制したか」について考えられたものを簡単に解説します。
キサンタンガムは、腸で「糖質」が吸収されるのを抑制している可能性があるようです。
糖質の吸収を抑制できる理由は、ほかの増粘安定剤に使われる原料と比べて、消化に関わる「酵素」に抵抗力があるため、胃や腸に運ばれても消化されにくいからです。
消化されなければ、吸収できないため、そのまま便として出ていくだけですよね。
糖質の吸収を抑えることができれば、脂肪として蓄えられなくなります。
ダイエットをしている方にとって、嬉しい作用です。
摂りすぎると健康へのリスクがあるから注意しよう
しかし、メリットばかりではありません。
どんな食品添加物でも同じですが、摂りすぎると健康への悪影響が出ます。
増粘安定剤は、植物由来の原料が多いため、ほかの食品添加物と比べると安全だと思われがちです。
それは勘違いで、植物由来のものでも危険なものはあります。
たとえば、カラギナン、トラガントガム、ファーセレランは発がん性があると言われています。
また、先ほど血糖値の上昇を抑制すると解説した「キサンタンガム」もトウモロコシ由来になるため、遺伝子組み換えの作物が原料となります。
もちろん、遺伝子組み換えの作物のすべてにリスクがあるわけではありませんが、摂りすぎると弊害があることを頭に入れておくべきです。
増粘安定剤は、アイスやレトルト食品、コーラなど、みなさんがよく口にする食品に多く使われています。
暑い夏は、アイスを毎日食べたくなりますし、レトルト食品も忙しい現代の生活には欠かせないものです。
血糖値上昇を抑制する効果が期待できるからといって、積極的なキサンタンガムの摂取は避けてください。
まとめ
今回は、増粘安定剤についての解説に加え、「キサンタンガムが血糖値の上昇を抑える」ことについて解説してきました。
増粘安定剤は、粘性や接着性をつけるもので、毎日食べるような食品にも含まれています。
ある研究をご紹介したように、キサンタンガムには、血糖値上昇を抑える効果が期待できますが、効果を期待して摂りすぎると健康へのリスクもあります。
ダイエットをしている方で、もし、増粘安定剤が含まれた食品を購入するときは「キサンタンガム」が含まれた食品がおすすめです。
あくまで、増粘安定剤が含まれた食品を購入する場合であって、積極的にキサンタンガムを摂取するのは避けるようにしてくださいね。
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