混ざりあう_100日チャレンジ(90日目)
水と油は混ざりあいません。
このことから、「お互い性質が合わず、しっくり調和しないこと」を表す、ことわざになっています。
どうして混ざらないかというと、水と油はそれぞれの分子同士で引き合う力によって集まっており、お互いこの力が違うからです。
どんなに必死に混ぜても、しばらく放置すると、水の層と油の層にきれいに分かれます。
水と油を混ぜるためには、互いの分子をつなぐ作用をもつ「界面活性剤」を用います。
界面活性剤は、洗剤に使われていますので聞いたことがあると思います。
油汚れが良く落ちるのは、界面活性剤の新油基が油汚れにくっつきます。
新油基の反対側には親水基があるので、油汚れが浮き出して水に溶けることで汚れが落ちます。
界面活性剤が多くあると、混ぜているときに白く濁ります。この作用を「乳化」といいます。
水と油を混ぜる役割を果たすものを、洗剤や化粧品の場合は、「界面活性剤」、食品の場合は「乳化剤」と言います。
乳化した食品は牛乳、バター、マヨネーズ、ドレッシングなど、たくさんあります。
パスタを作るときに、オリーブオイルにパスタのゆで汁を加えて乳化すると美味しい、なんていいますよね。
乳化させると油を含むソースとパスタが絡みやすく、なめらかな口当たりになります。
また、パスタに含まれるでんぷんが乳化剤の役割を果たして、ソースにとろみがつきます。
水と油では、油の方が水に浮くため上層になります。
これは分子間力だけでなく、液体の持つ比重が関係しており、水の方が油よりも重たいからです。
ちなみに、重さがあるものは地球上では重力の影響を受けます。
宇宙空間の無重力状態では重力の影響を受けないため、水も油も小さな粒の状態で分散するため、混ざっているように見えます。
宇宙でなくても、無重力状態を作ることができれば地上でも確認できるようなので、一度挑戦してみたいです。
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