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教師として学び続ける中で気づく子供の背景の重要性

通級指導で子供たちと接する中で、子供の背景を正しく理解することの難しさを日々感じています。見えない背景は海面下に隠れた氷山の一角のように大きく根深いものです。子供の発達における脳機能の問題や心の問題、身体機能面など、さまざまな要素を理論的に考察する必要があります。発達障害と愛着障害は似た傾向を示しますが、症状の現れる年齢が異なるため、アプローチ方法も異なります。背景のアセスメントを見誤るとアプローチの効果が薄れてしまいます。子供の背景を正しく知るためには、発達障害や脳機能、情緒障害に関する知識だけでなく、子供の成長に関する幅広い知識を学ぶ必要があります。学んだ知識を実際の子供の実態と照らし合わせ、鋭い観察力を養うことも重要です。机上の空論だけでは解決できないことを子供と向き合いながら実感しています。子供の困り感や生育歴との因果関係を検証し、目標を設定した後も指導の結果を振り返り、継続的に検証することが重要です。また、学ぶほどに自分の至らなさを痛感し、教師として専門家として成長していくためには、常に学び続けることが欠かせません。この教師としての旅路は、一生涯のものであり、不足感を感じながらも学びのサイクルを続けていくことが大切です。これこそが私たちが子供たちの成長を適切に支援するための道なのだと、日々感じています。

さらに効果的なアプローチをするためには下記の10点を踏まえていく必要があります。

①統合的なアセスメントの重要性
子供の背景を正しく理解するためには、単一の要素だけでなく、複合的な要素を総合的に考慮することが必要です。脳機能や心の問題だけでなく、養育環境や家族の状況、学校での経験など、幅広い視点から情報を収集しましょう。

②様々な専門知識の習得
子供の成長や発達に関する知識だけでなく、特定の症状や障害についても深く理解することが重要です。発達障害や愛着障害など、特定の問題に関する知識を高めることで、より的確な支援を行えるでしょう。

③実践と経験の重視
学んだ知識を実際の現場で活かすためには、実践と経験が欠かせません。子供たちとの関わりを通じて、理論と実践を結びつけ、常に自己反省を行いながら成長していきましょう。

④多職種との連携
子供の背景を正しく理解し、適切な支援を行うためには、教師だけでなく、心理士、カウンセラー、医師などの専門家との連携も重要です。情報共有や相談を通じて、より総合的なアプローチを実現しましょう。

⑤成長の喜びを感じること
子供たちとの関わりは、苦労や不足感も伴うこともありますが、同時に成長の喜びもあります。子供たちの変化や成果を見つけ、その喜びを感じることで、自身のモチベーションを高めることができるでしょう。

⑥コミュニケーションの重要性
子供たちとのコミュニケーションを通じて、彼らの思いや感情を理解しましょう。言葉だけでなく、非言語的なサインや行動にも注目し、彼らの声に耳を傾けましょう。信頼関係を築きながら、彼らの内面に寄り添うことが大切です。

⑦柔軟なアプローチの採用
同じ手法や教育プログラムが必ずしも全ての子供に合うわけではありません。子供たち一人ひとりの特性やニーズに合わせて、柔軟なアプローチを採用しましょう。時には試行錯誤しながら、最適な方法を見つけることも必要です。

⑧自己成長への意識
教師として専門性を高めるだけでなく、自己成長への意識も持ちましょう。自己啓発や学びの機会を積極的に探し、教育の最新動向や研究成果にアンテナを張りましょう。常に向上心を持ち、自身の専門領域を拡大していくことが重要です。

⑨チームとしての学び
教育現場は個々の教師だけでなく、チームとしての学びも大切です。同僚や上司とのコラボレーションや情報交換を通じて、知識や経験を共有しましょう。お互いの学びを助け合いながら、より質の高い教育を実現しましょう。

⑩子供の可能性を信じること
子供たちの背景や問題を正しく理解しながらも、彼らの可能性を信じることが重要です。彼らの持つ個々の才能や特性を引き出し、成長のチャンスを提供しましょう。希望と夢を持ちながら、子供たちと共に成長していくことが真の教育の目標です。

子供は個性も生まれ育った環境も多種多様です。マニュアル通りにすればうまくいくという確証はありません。10人子供がいれば10通りのアプローチがあると思います。さらに言えば教員の個性や強みによってもアプローチは異なるかもしれません。個人因子と環境因子の掛け合わせによっても異なります。とにかく日々学び考え、実践の日々を積み重ねていきます!

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