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【読書録99】「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」8月編

「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」(致知出版社)を毎朝読むことを日課にしているが、今回は、8月の中で特に自分のなかで気に入ったものについて取り上げる。


8月2日 最も問題が解決しない考え方 岸良裕司

岸良さんは、「ザ・ゴール」のゴールドラット博士の弟子。問題解決の著書などを多く書かれていて、何冊か著書を読んだことがある。ユーモラスで非常にわかりやすく問題解決の手法を教えてくれる。

岸良さんは、稲盛和夫さんが創業した京セラの出身である。私に取って、稲盛和夫さんの教えで、最も理解が難しかったのが、「宇宙の法則」だ。

「宇宙は常に進化発展している。そこに心を委ねるならば、京セラも未来永劫発展する」

岸良さんは、この「宇宙の法則」を自分の体感と合わせて以下の通り解釈するが、その話が、とてもわかりやすく共感できた。

世の中はよき方向に向かっている。それなのに、その妨げになるものがあるとすれば、それは我われの持つ、最も非生産的で問題が解決しない考え方、「人のせいにする」ということではないだろうか。

仕事というものは「自分がいたから助かる」という部分を見つけることから始まるのだと思う。そしてそれは必ず見つけられる。職場には必ず困っていることがあるからだ。

 安きに流れ、「人のせいにする」にしがちである。
「自分に何ができるのか」そう考えることから物事は始まるのではないだろうか。

8月7日 前後際断・瞬間燃焼 斎藤智也

 
 聖光学院高等学校野球部の斎藤監督。
「前後際断」「瞬間燃焼」という言葉をよく使うという。

潔く、試合展開にも一切こだわらず、一喜一憂せず、まさに前後際断、過去も未来も総て消す。まさにいまだけ、一途一心、という境地で臨める時は強いです。

 そんな境地になるには、どうすれば良いのか?
斎藤監督は、お坊さんが瞑想して無の境地到るプロセスに例えてこういう。

邪念の塊、雑念の塊、私利私欲の塊、そうしたものから解放されるためには、邪念、雑念、私利私欲に襲われ続けないと消えていかないことが分かってきました。

負ける怖さを骨の髄まで味わい続ける。だから解き放たれる。その時、やっと勝負事を天に任せられる状態になって、夏の大会にさあ行こうか、潔くやろうぜ、という気持ちになる。選手たちには勝つも負けるもない。ただ一瞬一瞬やり切るだけという状態になる。

 仕事も人生もそうではないか。振り切れた時にようやくスタートに立てる。

8月8日 苦を忘れるために夢中になる 坂東玉三郎


 歌舞伎という芸道一筋の坂東玉三郎氏。

 6代目尾上菊五郎の言葉「まだ足らぬ 踊りおどりて あの世まで」を借りて、歌舞伎役者としての肉体的な限界を見据えて「まだ足らぬ もがきもがきてあの世まで」と言う。

 芸道に終りがない中、人生100年時代ならではの心境なのかもしれない。

そんな玉三郎氏の人生訓が良い。

人生って修行なんです。それぞれが天からいろいろな課題が与えられていますが、それは全然楽なものではない。よく「苦楽」といいますが、そんなちょうどよく五十%ずつではないです。たぶん分量としては「苦楽苦」楽があるとすれば一割か二割です。
ただ、幸いなことに苦も楽も定着するものではありません。一瞬一瞬刻々と変わっていきます。苦しみの中にフッと楽しみがあったり、楽しみの中に苦しみがあったり。私は苦を感じたくないの。だから一所懸命になる。一所懸命になっている時って苦を忘れるんですよね。苦を忘れるために夢中になる。そうなれば夢の中ということです。

 苦は、夢中になることで忘れる。深い人生訓である。

8月13日 売れる商品と売れない商品の差 松野幸吉


 マネジメント職をやるようになって、人との接し方、動かし方の難しさを感じることが多くなった。

 日本ビクター会長(当時)の松野幸吉氏は、こういう。

結局、経営のコツというのは、いかに人間の能力を引き出すか、引き出し得るかということですね。また心の金銭の触れ合うかということですね。

人はやっぱり、使い方で動くもんや。だから上の人間は、彼はこういう長所を持っていると考えることが大切ですね。

会社は人の集団です。だからやはり、みんなが喜んで仕事をすることが大事です。

なんだか、反省させられる日々である。

8月29日 一生懸命やらなかったことを失敗と言う 高田明

 
 言わずと知れたジャパネットたかた創業者の高田氏。
 紆余曲折しながら、テレビショッピングのスタイルを築いていく話に惹き込まれる。しかしそれ以上にそこから掴んだ人生訓がさらに素晴らしい。

 私は一所懸命やらなかったことを失敗だと思っているので、やってダメだったことは失敗じゃないんです。やっぱりプロセスが大事。結果はうまくいくこともあるし、うまくいかないこともある。そこで工夫改善を繰り返していけば、いつの間にか上手くいくことが重なってくると思います。

「失敗は成功のもと」、「成功するまであきらめない」。古今東西、同じ趣旨の言葉があることを考えると、「真理」なのであろう。

行動すること、真剣に行動することこそ大事なのだろうと思う。


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