新しい電池と古い電池の違いを理解する実験

①実験の目的

・電池の内部抵抗を体感できる。
・可変抵抗器は手作りで十分なことを実感
・電流計や電圧計よりもマルチメーターのmAが扱いやすいやすく、成功体験をうめる。
・スプレッドシートに電池の端子電圧Vと電流Iを入力し、直線の方程式を自動的に算出することで、授業時間内でしっかり簡潔できる。


②授業案

⑴高校物理基礎の電池のイメージ
 電位差を作って、電流を発生させる装置
⑵高校物理の電池のイメージ
 起電力E+内部抵抗r I=端子電圧V
※先にネタバラシをしてしまいます。

⑶生徒実験
・まずは回路を組む
 下のサイトを参考にさせてもらいました。

参考http://www.ztv.ne.jp/urnzpaqe/523.pdf
実際に本校で行なった実験の様子

ちなみに抵抗線は手作りである。高価な可変抵抗器より圧倒的に使いやすく、抵抗が長さに比例することを感覚的に理解しやすい。
長さの確認するため、印刷した物差しを貼り付けた簡易的なものだが、十分である。

手作り可変抵抗器


・可変抵抗器の長さを20cmから2cmごとに6cmまで調節しながら端子電圧と電流の値を読み続ける。
・班ごとにスプレッドシートへの入力をさせると、自動でグラフ化する様に設定しておく。
・生徒たち自身で近似直線の式を出させる。

スプレッドシートで近似式を出すやり方

表をドラッグする。⇨右クリック⇨グラフエディタ⇨系列⇨カスタマイズ⇨トレンドライン⇨ラベル⇨方程式を決定

参照
https://www.officeisyours.com/entry/2019/11/24/151602
左が新しい電池 右が古い電池
生徒が入力する様子
新しい電池の方程式
古い電池の方程式

③教える側の感想

この実験は、市販で売られている可変抵抗器だと、抵抗と長さの関係があまり実感できないが、本校の手作り抵抗器はいわゆる電熱線でイメージがしやすい。
また、入力データを自動でグラフ化してくれることもテンションが上がる。さらに近似直線の方程式を教えることで、②⑵の定義に従って、内部抵抗と起電力を求め始める生徒が出てきて、授業時間内で十分簡潔できたことが良かった。
3年前に市販の可変抵抗器と昔ながらの電流計と電圧計で実験したが、ほとんどの班がうまくいかなかった。今回は全ての班で成功し、生徒の実験の集中力も大変良かった。

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