ネット物販で南の島暮らし 9
そうだ!まずは「マネをしろ」だったよね。よし、他の人がどんな文章で売っているのかを見てみよう!
同じようなアクセサリー販売をしているショップをググって…
気づけば、外が明るくなり始めていた…(眠)…ダメだ…まずは、寝よう…ZZZ
お昼前に目が覚めてパソコンを開くとメモ帳アプリに、麻由さんのアクセサリーの素材である夜光貝や白蝶貝などの解説文がどこかのサイトからコピペされていた。その他、アクセサリー作家のプロフィールなどの情報もコピペされていて、あぁ、こんな風に麻由さんを魅力的に紹介できればいいんだなぁ…なんて考えながらネットサーフィンをしていた昨夜の記憶が蘇ってきた。
よし、これをベースに文章をまとめていけば良いんだよね。
ということで、まずは真似してみる事に集中した。
いくつかのサイトからコピーしてきた文章を、つなぎ合わせてみて、なんとなくそれらしい文章にはなってきた。必要と思われる情報も全部入っているようにも思う。
…でも、なんだか…あまり、しっくりこないというか、魅力が感じられないような気がする…こんな文章で、お客さんが買い物をしてくれるだろうか?
ちょっと悶々としながら、気分転換に午後のビーチに散歩に出てきてみた。夏の日差しが強烈ではあるけど、爽やかな微風が吹いていて、気持ちが良い。まさに最高の南の島日和だった。
海に目を向けると、今日もプーさんがSUPをやっていた。私に気づくとこちらに向けてスーッと海面を滑るように近づいてきた。
「智恵ちゃんもやってみる?」
「ええっ、良いんですか?」
「いいよ、いいよ。貸してあげるから乗ってみなよ。
「ありがとうございます!」
ちょっと海に浸かろうかとも思っていたので、下に水着は着てきている。準備は万端だ。
軽くプーさんからレクチャーを受けて、早速ボードに乗ってみた。初めのうちはグラグラして、何度か海に落ちたけど、それでもすぐに慣れてオールで水をかきながらボードを進めることができるようになった。
今日は、波もほとんどなくてボードは本当に滑るように水面を進んでいく。透明度の高い石垣の海は、ボードの上からでも海の中の景色がはっきりと見える。泳いでいく魚の群れや海藻&ナマコ(笑)。
少し沖に出るだけで珊瑚礁のさまざまな色と形もはっきりと見える。そこに泳ぐカラフルな魚たちの姿もはっきりとわかる。
すると足元を五〇センチくらいの大きさの茶色い塊がすごいスピードで通り過ぎていった。びっくりして、目で追ってみるとウミガメだ。体長五〜六〇センチくらいだろうか、まるで水の中を飛んでいるようにとても追いつけそうにないスピードでウミガメが去っていった。思わず
「カメーーーーーーっ!」
と、叫んでしまった。
「そうそう、ここでは良く見かけるんだよ〜!」
浜から、プーさんが返事をしてくれた。その途端、私はバランスを崩して海の中へドッボーン!
でも…最高だ…私は、南の島を満喫していた。
初めてのSUPを堪能してビーチに戻ってくるとプーさんは、ビーチチェアに寝転びながらリラックスしていた。
SUPボードをビーチに引き上げながら、聞いてみた。
「セールスレターっていうのを書いてみたんですけど、なんかしっくりこないんですよね。まだ何か足りないような、これではお客さんが買ってくれないんじゃないか…とか、そんな感じがするんですよね。」
「さっきさぁ、智恵ちゃん『カメーーーー!』って叫んでたでしょ。(笑)あれが欲しいんだよ。ああいうのがお客さんの心を動かすの。あの時の気持ちを文章で表現するとしたら、どうなるかな?もしかしたら『カメーーーー!』だけでも、良いかもしれないんだよ。(笑)あの時、智恵ちゃんの心が動いて出た叫びだったわけじゃない。それが重要なわけ。だから、セールスレターもその商品について説明するときに、実際に智恵ちゃん自身が『これメッチャいいっ!』って気持ちを感じて、心を動かして、それを言葉=文章として表現できると、もっとお客さんの心に響くような文章になると思うよ。」
「そっかぁ…、ただ、真似しただけじゃダメなんですね。」
「まぁ、真似するのは大事なんだけど、それだけだとやっぱり真似は真似であって、イマイチ何か伝わってこない…ってのが多いよね。だから、そこにいかに智恵ちゃんらしさを表現できるか?っていうのが、難しくもあり、楽しいところでもあるんだよ。」
「わかりました。やってみます。」
「そう。まずはどんどん数をこなそう。初心者のうちはさ、質より量で勝負だから。(笑)さらにいうと、スピードも大事。『如何に早く、量をこなすか?』を考えた方がいいよ。要はさ、『如何に早く失敗するかが大事』ってこと。結局人って失敗から多くを学ぶんだよね。失敗しないとわからないことっていっぱいあるんだよ。
成功してる人は決断が早いっていうじゃない。それなんだよね。要は成功している人は、それだけ人よりも多くの失敗を経験してるってことなのよ。でも、スピードが速いからいくつか失敗しても、その後にドカンと成功が来るんだよね。
でも普通の人は失敗が怖いから、慎重になってなかなか決断できなかったり、仕事に時間をかけ過ぎちゃったりするんだよね。そうすると、成功するにも時間がかかるわけ。成功している人って、大体見切り発車するんだよ。上手く行くか行かないかわからないような段階でもスタートして、そりゃ問題も次々起きてきたりするけど、その都度それを解決することで力をつけて、より大きな成功を手にする…って感じなんだよね。」
「わかりました。質より量。そしてスピードですね。」
「そう。でも、しっかり楽しむことも大事!だから、今日みたいに遊ぶ時は思いっきり遊ぼうね。(笑)…ってことで、SUPやってきまーす。」
プーさんは、ボードを抱えて海へと入っていった。
「ありがとうございましたぁ!私はお先戻って、セールスレター書き上げてみますぅ!」
海の上を滑るように進むプーさんに声をかけると、プーさんは手を振って答えてくれた。
私は、心地よいそよ風の吹くビーチを後にした。
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