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ネット物販で南の島暮らし 10

 その後、私は何回もセールスレターを書き直しては、プーさんにメールで添削してもらった。質よりも量&スピードで数をこなして行った。
 
プーさんがくれたアドバイスは、
 
● お客さんの悩みや痛みは何か?
● お客さんが求めているものの本質は何か?
● お客さんに貢献できることは何か?
● 製作者をブランディングする
● 制作秘話など、ストーリー仕立てにできないか?
● 数値化できるものは数値化する
● 何かしらの権威性を持たせることはできないか?
● お客さまの声や推薦の声を集められないか?
● お客さんの疑問や、不安をあらかじめつぶしておく
● 返金保証やアフターサービスなど、お客さんを安心させる事はできないか?
  …などなど。

 私が書き直す度にプーさんも辛抱強く付き合ってくれて、少しずつではあったけど確かに最初の頃に比べると格段に納得のできる文章になっていった。
 正直に言って途中、頭がパンクしそうにもなったけど、少しずつより良いものに文章が変わっていくことが楽しくもなっていった。
 
「うん、とりあえず、こんな感じでいいんじゃない?お客さんからも信頼されそうだし、智恵ちゃんのワクワクした感じもだいぶ伝わってくるようになったよ。これだったらお客さんも『欲しい!』って気持ちになるんじゃないかな。」

 まるまる五日かけて、やっとプーさんからOKがもらえた。

「でも、これで完璧ってわけじゃないからね。実際、お客さんに見てもらって、興味を持ってもらえるかどうか?ものを買ってくれるかどうか?様子を見ながらブラッシュアップしていくものだからね。とりあえずお疲れさん!直人さん、智恵ちゃんにビール出してあげて。」

「はいよ〜。」

 サンセットのご主人が、キンキンに冷えたオリオンビールの小瓶を持ってきてくれた。

「はい。お疲れ様〜!」
 
 カチン!とビールの小瓶とグラスを合わせ、ひと仕事を終えた達成感と、開放感に満たされながらホロ苦いビールが喉を流れていった。

…最高っ!
 
 翌日から、いよいよサイト作りが始まった。
プーさんから教えてもらったE Cサイト構築サービスを色々とチェックしてみた。

 基本無料で使えるサービスなども何社もあったり、スマホだけでサイトが作れてしまうようなサービスもいくつかあった。

 とりあえずまずはお試しで無料で試せたりするので、これは?と思えるサービスに幾つか登録して実際に使ってみる。その中で、機能的にもコスト的にも良さそうに思えたサービスで、ネットショップを作っていくことにした。

 料金は基本的に無料で、売れた時にだけいくらかの販売手数料なり、決済手数料なりが取られるというシステムだ。モノが売れない限り、利用料金は発生しない…無料でネットショップを持てるなんて、なんてありがたいサービスだろう。

 サイト作りも簡単そうだ。すでにテンプレートで、モデルになるようなショップデザインがいくつもあって、そのサイトの画像や文章を独自のものに変更するだけで、もうそれなりのショップが出来上がってしまう。

 私も実際に試してみたが、確かにそれなりのショップが大枠のデザインだけだけれど、一時間もかからずに出来上がってしまった。

 さらに、画像に文字を入れ込んだり、いくつかの画像を組み合わせたり、グラデーションのような効果を加えたりするような画像編集アプリも、なんとウェブ上で無料で利用できるものがあるとプーさんが教えてくれた。

 そして、無料で使える写真素材やイラスト素材もネット上には存在することを教えてもらって、そう言うところからダウンロードした画像と、私が撮影した商品画像を組み合わせ、さらにそこにショップ名やキャッチコピーなどを入れるといった事も、無料でできてしまった。

 最初は難しそうに思えたが、基本的なやり方を教わってしまえば、いろいろと自分で試していくことができた。

 それに、自分で解決方法を見つける方法も教えてもらえた。

 以前はよく『ググれ(Googleで調べろ)』なんて言われていたけれど、今やYouTubeがかなり活用できる。

 アプリの使い方などでわからない事があったら、YouTubeの中で検索すると、なんと問題の解決方法を無料で、動画で解説してくれている人がいるのだ。

 ネットショップ構築サービスに関しても動画で解説してくれている人もいる。確かに、これを活用しない手はないと思った。

 学ぼうと思えば、誰でもどこでも学べる時代なんだなぁ…感謝感謝だ。
 
 そんなこんなでネットショップは思っていたよりも早く一週間もかからずに形になってしまった。

 素材の商品画像やセールスレターがあらかじめ用意してあったので、それを微調整しながらはめ込んでいくといった感じの作業だけで、ネットショップは出来上がってしまった。

 法的に必要な表示情報なども整え、商品の登録も何点か済んだ時点で、クレジットカード決済会社などへの審査の申し込みも完了していた。住所だけが私自身が仮住まいの身だったので、ビジネスパートナーとなった麻由さんの住所を使わせてもらうなど、ちょっとした工夫が必要であったが、問題なくクリアできた。

 実際に、自分で注文を入れてみて、決済ができるか?受注メールなどのシステムは問題なく稼働するか?注文が入ってから実際に発送して、発送完了のメールを送信するまでの業務の流れもひと通りやってみた。

 さらにどこからどれだけの人がネットショップに来てくれたかなどが計測できるアクセス解析の設定もしたりした。
 
…オッケー。これでいつ注文が入ってきても大丈夫…のはずだ。(汗)
 
 すでにネットショップは、公開されている。さぁ、どっからでもかかってらっしゃい!
 


 
 …でも、注文は全く入らなかった。(涙)
 

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