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歩みを止めるな

慣れない生活に戸惑いながらの最近のある日、子供に言われた。

「毎朝ジョギングしようよ!」

自慢じゃ無いが、僕は「走る」のが嫌いだ。短距離50mは亀仙人と修行中の孫悟空ばりに早いが、50m以上になった瞬間心が折れる。午年産まれ&射手座、みどりのマキバオーでありケンタウロス、基本下半身は「馬」なのに。少年時代のマラソン大会も部活のランニングも「いかにして走りにてれてれと歩きを混ぜるか」ばかり考えていた。

そんな軟弱な僕なので「お父さん走るん嫌いやねん」と即答したら、困惑されながらも「毎朝散歩」することになった(涙)。そこから毎朝1時間くらいブラブラと家の近所を散歩している。(もちろん人の少ない早朝に、人との距離を取りながらです。)

月並みだけど、1時間も歩いていると色んなことに気づく。「こんなとこに公園あったんだ」とか「この道って駅まで抜けれるんだ」とか普段住んでいる街のこと、「こんなこともできるようになったんだ」とか「なんか大人みたいなこと言うなあ」とか家族のこと。「なんか今日は疲れてるなあ」とか「昨日のあれは良くなかったなあ」とか自分のこと。走っていては気づかなかったことに歩いていると気づく。(あんま走ったことないから知らんけどw)(↓たまに早朝に海まで歩くと一日中得した気分になる)

新型コロナウィルスの影響で、世界と生活が一変して数ヶ月。世界は大きな困難、混沌、悲しみにさらされている。亡くなったり、仕事が無くなったり、本当に大変な思いをしている方が多い中、健康で仕事があり、家族といられるだけで自分は本当に幸せだと思う。医療現場で感染の恐怖と戦い、インフラを支えるために満員電車に乗って通勤をして僕たちの「今日」を支えてくれているたくさんの人たちがいる。だから僕たちは「今日」を大切に健やかに過ごし、感染を広げない努力をしなくてはいけない。

そして、困難な状況にいる人のために少しでも役に立つことを考え、出来る限り迅速に行動しなくてはいけない。それが家に安全にいられる人の使命だと思うし、すでにたくさんの人が様々な行動を起こしている。まだまだやらなくてはいけないことや解決すべきことが多いのはもちろんだが、世界規模で「人が人を思う社会」に少しずつ変わってきていると思う。

(↓例えば世界中で広まりつつある医療従事者へ感謝とエールを送る活動)

ただ、こんな時こそ”焦って闇雲に走ってはいけない”と思う。「人は、焦る」のだ。「こんな時こそ何かしないと!」と悶々と考え、慣れない環境下で自分にできることには限りがあってまた悩み・絶望し、ニュースや SNSで大変な目にあっている人の様子や誹謗中傷投稿を見て、また心を痛める。この数ヶ月の自分がそんな感じだった。

こんな時に、冷静に判断ができたり適切なコミュニケーションがパッパと出来る「ブッダ」(↓)みたいな人間はいるだろうか?(いや、いない)でも、焦ってしまって闇雲に走った先には、心に余裕がなく感情的になって人を傷つけてしまったり、大切な人の信頼を失いかねない事態がある。そうなっては失うものが大き過ぎる。

未曾有の事態に、何が正解で、何が限界かなんて誰にも分からない。だから焦る。でも、焦らなくても急ぐことは出来る。

大切なのは「みんなで歩みを止めない」ということだ。

「星の王子様」のサン・テグジュペリ(↓)が言っていた。

『歩みだけが重要である。歩みこそ、持続するものであって、目的地ではないからである。』

一歩一歩考え、気づきをもらいながら、冷静に自分と周りを見つめる。

思いついたことや感謝は、止めずに大切に丁寧に周りの人に伝える。

みんながしっかりと焦らず歩み続ける、持続的な社会になっていけば良いなーと思う。

圧倒的な自戒の念も込めて。(2020年4月12日)

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