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本気と書いて『ホンキ』

【ラジオ体操3日目】

こんばんは。
バレンタインに受け取ったチョコが市販のものだったので、まさか本命だとは思わず「義理でもうれしいからありがとう」と最高の笑顔で受け取ったら、泣かれてしまった経験があるコマリストです。

本日のテーマは、19歳の頃から長年に渡って私を縛ってきた「本気」という言葉についてです。

もちろん、この言葉自体は小学生の低学年で教わっているので、知っていました。

なぜ、19歳にもなった私がこの言葉に縛られるようになったのか、その経緯について、触れたいと思います。

あれは、〇年前のこと。
大学生になった私は、大学で学ぶことに全く興味を持てなかったため、進学してすぐに近くのお店でアルバイトを始めます。

ここのアルバイトは、力仕事もあるし、接客もあるし、何より労働時間が長かったので、大変な仕事だったなと思います。

けれど、当時は本当に楽しくて、お客さんと仲良くなったり、従業員同士で遊びに行ったり朝まで麻雀したりと充実したアルバイト生活を過ごしていました。
#大学のことは忘れてる

このお店でのアルバイト生活2年目に突入した19歳の時、この先の私の人生を変えてしまう人と出会います。

このお店は、県内に16店舗を構える業界内でも中堅クラスのお店でしたが、何せ莫大な固定費がかかる業界でもあるため、多店舗経営に苦労していました。

会社全体の立て直しを図るため、外部のアドバイザーが招聘され、会社の母店であった、私のアルバイト先に常駐するようになったのです。

この人こそ、「本気」という言葉を私に刷り込んだ張本人です。

この方の指導の下で実施されたのが大規模なリニューアルオープンでした。
このリニューアルは、店舗そのものの改装はもちろんのこと、アルバイトも含め、そこで働くスタッフ全員を1から教育するというもの。

お店を1か月近く閉めて、毎日毎日研修が行われました。
研修の中身は「言葉遣い」や「お客様と対峙する際の姿勢」などといった「接客の基本」から、「経営理念」や「ビジョン」を共有してマインドを変えるもの、さらにリニューアルオープンに伴い、新たに実施する大量のイベントをすべて叩き込むという内容でした。

この研修を週に6日、朝8時~夜22時近くまで行いました。
今考えると、やばい研修ですね(笑)
というより、現役大学生の私よ、大学はどうしたんだ?

そして、この研修の中では、講師に対する「質問」が常に許されていたのですが、これがまた厳しかった。

「○○はどういう意味ですか?」
なんて質問をすれば、講師は何も答えてくれません。

ながーい沈黙ののち、
「自分で調べたのか?」と聞かれてしまいます。

ちなみに、
「○○について、自分なりに調べてみたところ××という意味だと認識しましたが、これはあっていますか?」

少しだけレベルを上げたこの聞き方でも、講師は答えてくれません。
同じく、長い沈黙が訪れて、こちらが冷や汗をかき始めたころに一言。

「お前の考えが入っていない質問に答えたところで意味はない」
と返ってくるんです。

少しだけ成長した今の私であれば、この講師の目的を理解することができるので、こういった対応をされても成長につなげることはできますが、何せ19歳のクソガキです。

質問していいって言ったのはお前だろ!
と、一人でイライラしていましたw
#今だから言える

でね、この講師が何度も何度も繰り返していた言葉があるんです。
それが『本気』。

ことあるごとに、
"本気でお客様のことを考えたのか"
"お前らの本気はそんなもんなのか"

と怒鳴りつけられる毎日。

そして1か月の研修の最終日、明日はいよいよリニューアルオープン当日です。参加している全てのスタッフの声が枯れ、全身が筋肉痛状態。
そんな中で、最後のシミュレーションが実施されました。

2時間にも渡るシミュレーションでしたが、
結果、誰一人無駄な動きがない一糸乱れぬ完璧なシミュレーションが完成していたんです。
これはもう、芸術だと言ってもいいレベルでした。

このシミュレーションが終わった後、最後に講師から、
『皆さんの人生でこれほど"本気"になった1か月は無いかもしれない。けれど、誰かに感動を与えるようなことを成し遂げたいのであれば、自分が"本気で"取り組まないといけないということを覚えておいてほしい』
と、コメントがありました。

次の瞬間、私を含めた本当に全スタッフが、声をあげて泣いていました。

そう。
『本気の姿勢が、相手に感動を与える』
これを講師は、この1か月に渡って、自らの姿で伝え続けてくれていた。

翌日のリニューアルオープンが、最高の結果となったことは説明する必要もないと思います。会社創業以来、最高の売り上げを叩き出しました。

そして、新たにスタートした「会員制度」に初日だけで500名近くのお客様が入会されたのです。

この研修ののち、近隣の母店クラスの3店舗で同じ研修が行われ、ありがたいことに、1アルバイトスタッフの私を講師として、100名弱のスタッフの前に立たせてくれました。

最高にシビれる経験でした。

ちなみにこの後、私は大学を休学してこの会社の社員となり、歴代最速で役職に上がり、年間358日・1日18時間勤務という仕事をしていくことになったのですが、この話は面白くないのでやめておきます。


すみません。
「本気」という言葉に縛られることになった経緯だけで、かなり長くなってしまいました。

今でも、当時のことをハッキリと思い出せるくらい、私の人生に影響を与えたこの研修ですが、ここで私に植え付けられた「本気」という言葉は、良くも悪くも私を縛っているのです。

色々あって、私はこの会社を退職したのですが、この講師との出会いは、私に新しい"夢"を与え、今の職業を目指すきっかけとなりました。

この後、私はたくさんの仕事を経験していくのですが、その仕事をこなす中で、いつも"お前の本気はそんなものか?"というあの講師の声が頭から離れません。

結果、何事にも熱くなれない中途半端な人間の出来上がりです。

最近は、自分の夢であった職業に就き、目の前の方に"本気で"向き合うという生活を送っているので、今ならあの講師に会いに行けるかなと思っているところです。

けどね、今でも誰かとパートナーを組んで仕事をすると、
"やばいやつ"扱いされるんです。

何せ、私は目の前の困っている方のことを本気で考えて、なりふり構わず動くもんだから、リスクとかコストとか言ってる人とはかみ合わないんです。

もちろん、どっちが正しいとかそういうことではないと思っています。
ただ、私は「本質」を忘れて保身に走るような行動をとることが好きではないだけです。

だって、耳元で、
"お前は本気でお客様に向き合っているのか"と囁く「あの人」がいるから。

つい最近、実際にあった会話の中で、
「売れるかどうかわからないので、〇個売れたら本気で取り組みます」

と、おっしゃられた方がいました。お客さんではなかったので、
『そうですか。売れると良いですね』

と答えましたが、内心はそんなこと1mmも思っていません。

私の本音は、
〇個売れたら本気出すって、そもそも売るために本気になってない商品はお客さんには届きませんよ?
というもの。

けれど、人それぞれ考え方は違うからしょうがないと、
本音を飲み込みました。
#大人でしょ

ちょっとだけ毒を吐きます。
"○○になったら、本気出す"
"○○できたら本気になる"
"本気を出せば○○できる"

あなたは、ニートですか?でなければ、小学生ですか?
そんなこと言ってたら、時間だけが経過して本気出しても間に合わなくなります。

まだ小学生くらいの子だったら、
『しょうがないか』で、済みます。

けれど中学生以上であれば、もう進路とかキャリアとか、将来に直結することがすぐ目の前に迫っています。

今、何かに挑戦していたり、諦めそうなくらい苦しんでいたり、なかなか成果が上がらずに困っている人がいたら、一度自分に聞いてみてほしいです。

"お前の本気はそんなものか?"

皆さんをこの言葉で縛りたいわけではありません。
皆さんに夢をかなえてほしいんです。目標を実現してほしいんです。
私のように、無駄に時間を浪費してほしくないんです。

私を縛り続ける『本気』という言葉。
一度、考えてみて下さい。きっと、"もっとやれる"と思えるはずです。

ということで、本日のまとめです。
・私を縛る言葉
・本気で向き合うということ
・あなたは今、本気で生きていますか

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