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【乃木坂46】乃木坂らしさ、のはなし

先日、乃木坂46・29thシングル「Actually...」が発表され、ファンの中で"乃木坂らしさ"を巡り、様々な見解が示されている。私は2017年から約5年間、乃木坂46をファンとして眺めてきた。その上で、ファンが口にする”乃木坂らしさ”について何なのか書きたい。

乃木坂らしさと言えば、「清楚」

乃木坂らしさは何か?と問われれば、乃木坂ファンは十中八九「清楚」と答えるだろう。

傍から見れば、AKB48も乃木坂46も大差なく、女の子がいっぱいいるグループでしかない。
そこに線引きするとすれば、フレンチポップスから着想された「美しさ、可憐さ、儚さ」(=清楚)を基調とする前例のないアイドルの形を目指したのが、乃木坂46だったと言える。

またAKB48(2010)と乃木坂46(2017)の中心メンバーを比較して、年齢は抜きにしてもルックスの系統が全く違うことが分かる。※どちらも頂点を見た時期
「どちらが優れていて、どちらが劣っている」ということではなく、俯瞰的或いは客観的に見て、「AKB48は"派手" で乃木坂46は"華やか」という言葉がピタリとあてはまると思う。
だからこそ、乃木坂46を応援するファンはこの「清楚」というものを念頭にグループを見ているのだと考られる。

「乃木坂らしさ」の崩壊

近年の乃木坂46における"乃木坂らしさ"が失われた背景には、「行き過ぎた写真集」「メンバーの卒業」があるように思える。

「行き過ぎた写真集」

白石麻衣の2nd写真集「パスポート」が異例の売れ行きとなって以降、後続メンバーの写真集はファンが重んじてきた「清楚」をぶち壊す形となった。
特に雑誌グラビアよりも踏み込んだ水着や下着のカットは"処女性"を重んじるファン、多感な中・高生のファンには理解し難い何かがあるようで写真集が発売されるたびに「(水着や下着のカット)いる・いらない論争」を巻き起こしている。

「メンバーの卒業」

48グループや坂道グループといったメンバー入れ替わり型の大所帯グループにつきものなのが、卒業制度である。
2017年の1期生・橋本奈々未の卒業を皮切りに、グループ立ち上げからイメージを創り上げてきた1期生の卒業はやはり大きいと考えられる。
2022年3月現在では、中心メンバーは3・4期生になっており、古くからグループを見ているファンでなくても、この数年で目まぐるしくグループが変わっていると感じられる。またそのような変化の中で、頂点を見た2017年・2018年のイメージとギャップを感じてしまうファンも少なくないのかもしれない。

乃木坂46が目指すもの

ファンの中では有名な2013年2月にNHK BSで放送された「密着!秋元康2160時間 ~エンターテインメントは眠らない~」の中では、総合プロデューサー・秋元康さんが乃木坂46運営委員会委員長・今野義雄さんに対して

AKB、SKE、NMB、HKTがあって、そこに乃木坂出て、乃木坂やりますって言って、同じような編成で、同じプロデューサーがやっていて。
そこにMVを見ても、別に何とも今までの水増しみたいな希薄化したようなMVがある、そこでLIVEをやったって。
どこで抜くんだよ?
抜くためには或いはそこに並ぶためには
"無いことをやらなきゃムリじゃん"
それを見たいと思ってるわけだからさ、

と叱咤する場面がある。
今までのアイドルとは"違う""前例のない"ということを基に創り上げられてきた乃木坂46は、一つの軸として「清楚」というものがあるのかもしれない。
一方で、飽きられないエンタテインメントを追究していく中で「シングル毎に変わった表情を見せるグループ」という地位を確立し、これまでもそしてこれからも"コンセプトがないのがコンセプト"という乃木坂らしさを完遂するのだろうと考えられる。

今回、なぜこうなったのか

改めてなぜ今回"乃木坂らしさ"が議論されるようになったのかと言えば、29thシングル「Actually...」があまりに衝撃的なものだったからだ。
それはこれまでとは大幅に異なった曲調、新たなメンバーによるセンター、残念なスキャンダルに起因している。
ここでは掘り下げることはしないが、どんな要素も全てが予想をはるかに超えてしまい、ただただ見失ってしまうことが怖くなったことで"乃木坂らしさ"を再考することになったのだと考える。
ここまで書いてきたように、"乃木坂らしさ"なんてものはあってないようなもの。いや、無いのだ。
だからこそ、おぼろげに掴んでいたグループのイメージからオーバーしているものはあまりに違和感でしかなく、反旗を翻す者もいるのだと考える。

さいごに

大きな変革の時、誰しもが受け入れ難い瞬間があると思う。それはアイドル界や乃木坂46にかかわらず。
こういう情勢でおうち時間を過ごすことも当初はなかなか受け入れ難い現実であったし、リモート○○など予想だにしなかったものだ。
どんなものも時間はかかるだろうが、受け入れていけるのだと信じたい。そうでなければ、語る資格のない人となることは間違いないのだから。


ワクワクしていなくちゃ、絶対。

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