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ザ・バットマン ネタバレなしレビュー

総括

ダークで厨二的で、完璧に世界観が作られている。良い意味で狂った映画!

ジョーカーの時もそうだったけど、アメコミ映画というフォーマットを使って監督のやりたいジャンルを見せてくれるのが良い。
特に今作はゴリゴリのデヴィッドファンチャー的なサイコスリラーと、世界最高の探偵バットマンの要素が完璧にマッチしていた。

探偵的な要素をバットマンに求めていないという人もいるよう。ただ原作バットマンの大きな要素かつ今までの映画ではあまり掘り下げられなかった部分なので、個人的にはこれまでの作品と差別化されていて良かった。

とは言うものの、ヒーローの本質とは?という重要なテーマも根っこにあり、間違いなく「バットマン映画」になっている。


映像・音楽


今回ドルビーシネマで見たのも正解!黒がバキッと映える映像が良かった。今作は画面が暗いので、家ではなく出来れば映画館、できればドルビーシネマで見るのがオススメ

今作はとにかく映像面が素晴らしかった。
予告編でもフィーチャーされていたカーチェイスシーンが良い意味で狂ってて最高。あのシーンだけは実質ワイスピ。笑
カーチェイスの後、上下逆さで歩いてくるバットマンのショットに痺れた。

屋上でブルースとセリーナが佇んでいる姿、二人のシルエットの美しいショットに惚れ惚れする。


光源が銃の光だけでおこなわれるアクションシーンも凄まじい。どうやって撮影してるんや。

サントラも耳について離れない。
重厚かつ超シンプルなテーマは勿論、儚げなセリーナのテーマも美しく、最近はこの2曲をヘビロテ中。

キャラクター・俳優


各キャラクター、役者陣も完璧な配役。

見ているこっちも心配になるロバートパティンソン版ブルース。笑
青白くて不健康で、日光が苦手。
でも根っこが優しいのが伝わってくる。公式がバットマンエモいのタグで批判されていたが、実際エモい。最近使われているような意味合いではなく、本来の意味のエモさがあった。マイケミやザキュアーのような、ダークな自分の殻を被って世界と壁を作っている。

ブルースウェインは強くて賢くてお金持ちなのに、今作は不安定というか、地に足がついていない。それが2年目という設定だからこそ見せれる要素でもある。
次回作ではより今までのブルースウェイン像に近づくはず。


ゾーイクラヴィッツのセリーナ役も素晴らしい。軽口をバットマンに叩けて影もある。カッコよさを保ちつつコミカルさも出すのは中々難しいと思うが、そこを難なくこなしていた。


ペンギンを演じるコリンファレルも最高。とにかく重いこの映画において、ペンギンの場面はコミカルさが出ているのが良かった(ヴィランなのに!笑)
バットモービルを見た時の怯えた表情が爆笑もの。



マットリーブスの真面目な作品作りの影響が非常に強くでている作品でもあった。
コメディとまでは言わないが、クスッとでも笑えるシーンをもっと盛り込んでくれればバランスよかったかと。ここは好みの問題でもあるが。
ただそうするとサイコスリラーとしての徹底ぶりがブレるジレンマもあるので難しい。

今後のシリーズ化も楽しみ。
個人的には毎作5年とか10年スキップして、最盛期のバットマンや老練なバットマンが見たい。今回のテーマ的に、次作以降キレキレのアクションが盛り込めなくなるのでは?という点は心配になる。
今作ではフィジカルが強いヴィランはいなかったので、互角に戦えるヴィランが登場してくれると嬉しい。
あとは2時間くらいでサクッと見れるのを期待。

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