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今はこの世にいない人から「どうしていますか」と連絡が来た気持ちになった話

偶然とか気のせいとかで片付けられる話ではあるんですが、私はタイトルにあるような「今この世にいない人から連絡が来たような気持ちになった」時は、ストレートに「その人からのメッセージ」だと受け取っています。今日はそんな話をどうしても書きとめておきたくなりました。

(思えば太陽射手座入りしたし、射手座に海王星がある私なので夢や霊感や妄想で殴るテキストを書く日なのかもしれませぬ)

ふと出てきた、一通の白い封筒

11月なのに温かい日の昼下がり。私はいろんな書類でいっぱいになったレターボックスを探りつつ、不要になった紙類を捨てるという作業をしていたところ、クリアファイルの中に白い封筒があるのを見つけました。

これなんだっけ、と思って中に入っていた紙を見ると、書かれていたのは女性の名前、生年月日、学歴、これまで教えた生徒の合格校など。6年程前、娘が中学受験時にお世話になった受験専門の家庭教師、S先生(仮)のプロフィールでした。画像にある封筒は実際のものです。

中学受験生の多くは小4あたりから専門塾に通いますが、小6の直前期にもなると弱点補強を目的に、中学受験専門の家庭教師や個別指導塾を併用することがあります。この時の自分の生活は娘の受験中心にまわっており、もはや狂気が全身にまとわりついていたような時でした。そんなときに出会ったS先生は娘の特性に合わせつつプロの家庭教師としての仕事を誠実にこなし、親身になって接してくださいました。

メールの返事が来ず…ネット検索でわかった消息

入試を終えた1年後。友人の子どもが中学受験の塾で成績があがらず苦労している話を聞き、これはもうS先生を紹介するしかないと思い、メールを送ることにしました。1年ぶりの連絡なので「ご無沙汰しております」から始め、おかげさまで合格した学校に元気に通っていること、友人の事情をしたためた、やや長いメールでした。

ところが、何日経っても返事が来ません。

S先生は生徒さんを何人も抱えていながら、メールの返事はとても早い人でした。それなのに返事が来ないということは、もうウチから生徒を紹介されるのは御免だと思ったのか、家庭教師は辞めてしまったのか……。ただ、それならそうときっぱり伝えてくださる方だと感じていたので、私はただただS先生の消息が心配になりました。ちなみに電話番号も知っていたのですが、なぜかこの時は掛けてみようという気が起きませんでした。

S先生、どうしているのだろう。私は何らか消息がわかるかもしれないと、S先生の名前をブラウザに入力しました。SNSのアカウントが出てきて、新し目な投稿があれば少しは安心できるだろうと思ったのです。先生のアカウントはありましたが、直近での更新はなし。でもSNSを途中で止めるなんてよくあること。それならばとS先生からいただいた、白い封筒に入ったプロフィールの内容を手がかりにしながら検索を続けたところ、不穏な情報を見つけてしまいました。なんと、S先生が亡くなられたというものでした。今では見つけられませんが、ある学校の卒業生の消息を伝えるページでした。

同姓同名の人ではと思いたかったですが、特徴のあるお名前なので、かなりの確率でご本人と思われました。まさかの結果がとても信じられず、正しい情報を知る手段は持っていましたが、問い合わせる気にはなりませんでした。

再び、名前で検索してみたら

話は2020年の今に戻ります。

S先生のプロフィール用紙を見つけた私は、以前と同じようにS先生のお名前で検索してみました。もしかしたら、あの日見つけた情報はやっぱり別の人で、今もS先生が元気でいることがわかるかもしれない、という望みもありました。すると、S先生のお子さんと思われる方のブログを見つけることができました。

そこには、ブログ主のお母様が不幸にも突然、帰らぬ人となってしまった経緯が詳しく書かれていました。別人の可能性は当然考えましたが、年齢や家族構成、S先生ご本人から断片的に聞いていた趣味などがS先生のプロフィールと同じでした。また、ブログの内容から推測できたお子さんの年齢も一致していました。ブログ主は恐らくS先生のお子さん……と思われます。あのプロフィールが書かれた紙がなかったら、たどりつけない検索結果です。

ブログにはまさかの出来事に落ち込むご家族の様子が書かれており、胸の潰れる思いがしました。と同時に、私にはS先生が「実は私、こんなことになりまして」と自身の消息を教えてくれ、さらに大学受験を控えている娘のことをあの世で一瞬思い出してくださったのかも……と、図々しくも思いました。

S先生からのメッセージとして受け取りたい

私は今回のように、何の前触れもなく、突然亡くなったはずの人に関係する何かが眼前に現れた時は冒頭に書いた通り「ストレートにメッセージとして受け取りたい」と思っています。なので、今回もこうしてS先生を偲ぶことにしました。ちなみに「亡くなった人」とは誰も彼もではなく、自分の身内や一度でも関わった人限定です。

我ら母子はS先生のお子さんにも恩があります。当時、S先生からの申し出で、S先生のお子さんにも家庭教師をしていただいたのです。その手腕は「さすが親子」と思うほかありませんでした。そんなこともあって、ブログの主はもしかすると娘が教わった先生(もしくはごきょうだい)かもしれず、ブログを通じて連絡してみたい気持ちもあるのですが、万一人違いであったときのことを考えると恐ろしくて出来ていません。でもいずれこのエントリがご家族の目に入ることがあるかもしれないので、今日の出来事を一気に書いてみました。

今でも、S先生の現実的な態度が子どもの受験で思いつめていた私を冷静にしたこと、緊張感ある授業のあと、趣味の話をしたらパアッと明るい笑顔を見せたこと、娘の受験生活を気遣ってくださった温かさなどを思い出します。あの時のS先生とのやりとりが今の私へのヒントになるのかもしれないと思い、S先生のメールを読み返したりしました。

娘が通った学校は当初こちらはターゲットしていませんでしたが、当時S先生が薦めてくれた学校でもありました。6年間いろいろありましたが、トータルでは居心地良い場所であったようです。今でもS先生には感謝しかないという気持ちがいつか伝わればいいなと思っています。





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