「ときには虚勢も必要」言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から(三十四)
第三者の目にはどこが面白いのかさっぱりわからない、単調な庭作業に没頭しているときのことでした。
突如として家のなかからドタドタドスンというただならぬ音が聞こえてきたのです。直接見たわけではありませんが、瞬時にしてぴんとくるものがありました。そしてその光景が鮮明に脳裏に浮かびました。
案の定です。タイハクオウムのバロン君がギャーギャーと大騒ぎする最中、階段から転がり落ちた妻が廊下にうずくまっていました。骨折していないかどうかを確認し、とりあえず打撲のみとわかったので、