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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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#日々のつぶやき

「劇場版総集編メイドインアビス(前後編)」(2019)は、同名テレビシリーズを新規カットを組み込み再構築した映画である。既に予告されている劇場版オリジナルの「続編」のためのカットも追加されているので、テレビシリーズの視聴者も要チェックの「新作」となっている。

山本倫生
5年前
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「劇場版シティハンター」(2019)は現代の日本を舞台にする意義がどこにあるのか判然としない映画である。当時の読者や視聴者を想定したノスタルジーが映画の趣旨ならば、2〜30年前の近過去を舞台にする方がよほどしっくりくるのに、脚本の段階で迷いが生じて収拾がつかない印象だけが残る。

山本倫生
5年前

「アリータ バトルエンジェル」(2019)は、日本の漫画「銃夢(ガンム)」に惚れこんだジェームズ・キャメロン渾身の企画という割には各方面の反応も今ひとつの感ありな映画である。情熱や想いが積もり積もって余りすぎた所為で見せたいものを絞りきれていないのが原因にあるように思う。

山本倫生
5年前

「スパイダーマン:スパイダーバース」(2019)は伝統的なアメリカンコミックから日本の漫画・アニメまであらゆる文化の最先端を疾る、驚愕の映像体験でありながらスパイダーマン映画としても秀逸である。続編では日本の実写版スパイダーマンの登場も噂されるが果たして。

山本倫生
5年前

「シュガーラッシュ・オンライン」は予告篇で見せていたディズニープリンセスの部屋でのやり取りで満足しておけばよかったと思えるような映画だった。とくにヴァネロペがとるある選択は映画の趣旨から外れすぎていてなぜこうなるのか首をかしげざるを得ない、残念な続編の典型みたいな映画だ。

山本倫生
5年前
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新旧「サスペリア」(1977&2018)の最大の違いは劇中に登場する「魔女」の解釈なのだろう。正直なところ、グァダニーノ版が叩かれる理由がさっぱりわからない。一神教の局地的な恐怖を扱った旧作よりも、より大きな汎宇宙的な恐怖にまで話を拡げたリメイク版の方が自分には怖いように思う。

山本倫生
5年前
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「ヘレディタリー/継承」(2018)は不吉な予兆を盛り上げる「音」の演出が凄すぎて、見ているこちらの体力や精神力を削り取ってくるが、予兆の正体を馬鹿正直に暴露してしまうのでホラーと云うのには何となく抵抗がある映画である。お化け屋敷のギミックを見てしまった気まずさと言えばいいのか。

「えいがのおそ松さん」(2019)はふだん日本のアニメ映画を見ていない観客には新奇に映るかもしれないが、体系的に観てきたアニメファンなら「あぁ。アレか…」と思わず苦笑するタイプの映画である。アレが何かは完全にネタバレになってしまうためこの場で書く事はできないのが残念。

山本倫生
5年前

「ロボコップ」(1987)もディレクターズカット版(1995)は「中学生以下は原則入場不可(R15指定)」となっているのを知らずに、リバイバルだと思って劇場の窓口にやってきた親子連れの観客が涙をのんだという素敵な話はなかなか伝わってこないですね。

山本倫生
5年前

「2001年宇宙の旅」のIMAX版(2018)がなによりも素晴らしいのは、当時の上映形式を再現してくれたことだ。例えばエンドマークが出た後もしばらく音楽が続くのは、場内の照明をつけて退場の時間を演出していたからだなどとはビデオで観ている人には思いもよらないことであった。

山本倫生
5年前
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「キャプテン・マーベル」はアメリカンヒーローコミックスの王道、英雄誕生の神話を描く映画であるが、猫好きの観客にはショッキングな場面が続出するので該当する諸氏は特に注意されたい。「キャプテンマーベルはアベンジャーズに帰ってくる」随分と早いお帰りと思ったのは自分だけではあるまい。

山本倫生
5年前
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「映画プリキュアミラクルユニバース」(2019)は年度末恒例の新旧キャラクター揃い踏みのお祭り騒ぎ映画である。登場人物の配置や造形など問題が多い脚本と微妙な作画など諸々残念な作品となってしまっているが、肝心要のミラクルライトの秘密が子供の夢をぶち壊しているのが一番の問題であろう。

山本倫生
5年前
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「グリーンブック」(2018)は差別や偏見、虚栄心の醜さを扱った映画である。主人公の白人と黒人が二人とも差別される側であるという視点がユニークかつ衝撃的だ。「白人の救世主」などどこにも出てこなかったが、それをもってこの映画を批判している者は一体どこを見ていたのだろうか。

山本倫生
5年前
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「バジュランギおじさんと小さな迷子」(2015)は「為せば成る」の可能性がどこまで突き詰められるかという思考実験を歌とダンスで彩った堂々たる娯楽大作映画である。インドの映画は正味90分くらいの内容に歌と踊りを60分以上は加えてくるので体力がない時は見ないほうが良いと思う。