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スイスの哲学者が語る幸福になる仕事術

前回のこちらの記事では、「最も幸福な状態=絶えず有益な活動を続けられる状態」であると解説しました。

もっと深堀すると「自分の仕事にすっかり没頭し、仕事と一心同体になることができるような労働人は、世にも幸福な労働者である。」と言うわけです。

ちなみに僕は「できれば働きたくないな〜」と、サボり大好き人間だったので、仕事大好きな人と接すると「すげー」と、自分とは遠い人間のように思えます。

おそらく、世間的にも仕事は仕事、休息は休息であり、その休息中のバカンスに幸福を感じるみたいなイメージあると思うんですよ。しかし、ヒルティの「働く」という言葉は一般的なイメージとは異なります。

ヒルティはこう言っています。
仕事に没頭する=仕事しながらにして休息が取れている

つまり、仕事と休息を切り分けるのではなく、仕事している中に休息は存在するということです。

「???どういうことだってばよ?」と感じるかもしれません。しかし、ヒルティ曰く、「仕事に真面目に打ち込めば、どんな仕事も楽しくなる」というのです。

ですので、この仕事をしていることが楽しいという感覚こそが、幸福のカギなのです。

仕事が楽しいから、結果的にそれが休息になっている。故に、常に有益に活動し続けることになるというわけなのです。

またヒルティはこのような言葉を言っています。「最上の、最も快適で、最も報いるところ多き、加えて最も安価な娯楽は常に仕事である。」

何がともあれ、何かに熱中すれば、休みたいとも思わないと。そう考えると、ヒルティの仕事観で仕事をすれば、休みはそれほど必要がなくなるのかもしれませんね。

では、どうすればそのような仕事ができるのでしょうか。

幸福になれる仕事=責任感・情熱を感じるか

幸福になれる仕事と聞くと、どんな職業があるか?と考えてしまいますが、ヒルティはどんな仕事も真面目にやれば面白くなると述べています。

ですので、どんな仕事をするかよりはマインドが大事なのですね。仕事そのものに情熱が持てること、あるいはその仕事に対しての責任感や愛情を感じること。これが幸福につながる仕事なのです。

一方でそうではない仕事とは、仕事に病みつきになっている、野心や貪欲さのためにやっている、あるいは生活維持のためにやっていることです。

例えば、名誉のために仕事をしたり、逆にバランスが崩れるほどに病みつきになってしまったり、生活するためにやる仕事は不幸になるかもと言うわけです。

ちなみに、前者は高級な動機、後者は低い動機とヒルティは述べています。

超ざっくり言えば、仕事そのものへの情熱があるか、何か報酬のための仕事かどうかってことですね。

高級な動機に基づいた仕事であれば、仮に失敗したり、嫌気がさしたり、目的を達成したからと言って飽きることはない。また動機を失うこともない、ということです。

そのような仕事ができれば、労働を減らして、休息を増やしたいという考えもなくなるとヒルティは述べています。

一方で絶えず、有益な活動をし続けけていれば、自然と休息が取れるとヒルティは述べています。なぜなのか?

精神肉体を完全に止めないこと、これが休息だと言うのです。休憩中も動き続けろ、というわけですね笑

そもそも、ヒルティが考える休息は2種類あります。

  1. 肉体の休息:体を休ませる

  2. 精神の休息:精神面における充実

肉体の休息は、休もうとしなくても毎日の食事の時、あるいは1日の休み、そして睡眠時に勝手に与えられるものだとヒルティは主張します。

その一方、精神の休息は常に楽しんで活動し続けることが、精神の休息なのです。なので、仕事を楽しんでいれば、それ自体が精神の休息だというわけです。

そしてポイントは、動きを止めないことです。

例えば、Aの活動が疲れたら、全く別のBの活動をする。Bの活動に疲れたら、別のCの活動をする。それを延々とサイクルを回し続けることで、A→B→C→Aと休息をとりながら、常に活動をし続けるということです。

ヒルティは人間は生来的に、活動するようにできていると考えてます。だからこそ、楽しめる活動をし続けることで、結果的に仕事をしながら休息が取れる、これが幸福状態だということです。

というのが、ヒルティの主張なのですが。ここまでで「ストイックすぎるだろ!」と感じていますよね。その感覚は正しいです!笑

事実、ヒルティもこれまで超理想論を展開しましたが、「そもそも人間皆怠惰である」とも言っています。

なので、ストイックだろ!と感じることはごく自然だし、そもそも絶えず活動し続けるというのも、常にできるわけではありません。

そこでヒルティは、ラクに活動し続けるコツを紹介してくれています。

ではどうすれば良いのでしょうか?と言うことで、次回3つのコツをご紹介します。

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