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経営者のDX計画

ここ数年、DXと言う言葉をよく聞くようになった。
しかし、DXの計画は上手く行かないことが多いらしい。
そもそも、会社のDX計画の前に、経営者自身をDXさせなければいけないと思う。
これができていないと、おそらくDX計画は上手く行かない。
今回は、この辺りについて書き綴っていく。

DXとは?

デジタルトランスフォーメーションのこと。
正直、言葉はどうでもいい。
デラックスと呼んでもらっても問題はない。

DXの本質は、業務効率化だ。
さらに、ITテクノロジーを駆使して、業務のやり方を根本から見直すという意味合いも含まれている。

乱雑に言うと「最新の業務遂行方法にアップデートしろ」ということだ。
ここだけ理解すれば、デラックスでもデトックスでも、好きに呼べば良い。

経営者の頭にアップデートをかける

私は、会社のDX計画を進める前に、経営者の頭にアップデートをかけておく必要があると思っている。
デジタルデータ、デジタル通信の基礎が分かっていないと、最新のITテクノロジーは使えない。
当然、最新の業務遂行方法を理解し、生み出すこともできない。

――― まずは経営者が理解する

この前提がなければ、専門化を雇ってもフワフワとした理解のままで、フワフワと何かが導入され、フワフワとそれを使い始めることになる。
そして、結局、何が変わったのかが分からない。
むしろ、余計な労力を増えているかもしれない。

そんな結果になる。
そして、そんなことに金と時間を使うことになる。

DXの前に理解しておくこと

本格的に説明すると長くなり過ぎるので、概要のみ紹介する。
理解が怪しいポイントは、専門家の情報を参照することをおすすめする。

1.クライアントとサーバ

クライアントは、自分が動かしているIT端末だと思えばよい。
そして、それとは別にサーバと呼ばれるものがある。
この概念を理解することが重要だ。

サーバには、専門的な役割がある。
例えば、このnoteはWebサーバと呼ばれる役割を持っている。
データベースサーバの役割も持っているはずだ。

クライアントは、サーバへ何かの仕事をリクエストする。
サーバは、そのリクエストに応えて何かの仕事をする。
その仕事の結果をレスポンスとしてクライアントへ返す。
この感覚が理解できれば、ひとまず良しとする。

2.デジタルデータの保存場所

意外と、ここを理解できていない経営者は多い。
データは、自分が手に握っているスマホに入っているのか?
それとも、目には見えないが、どこかのサーバにデータが入っているのか?

・自分のパソコン
・パソコンに刺したUSBメモリ
・会社内のファイルサーバ
・インターネット上にあるサーバ

これらの中のどこにデータが保存されているのかを理解できるようにしておく必要がある。

3.ローカルネットワークとインターネット

この辺りから、理解が怪しい人が増えて来る。

ローカルネットワークとは、社内ネットワークのことだと思えばよい。
同じ社内ネットワークに繋がった機器と通信をすることができる。
通信ができるということは、データの共有もできる。

ローカルネットワークとインターネットは、直接繋がっていない。
当然、自社の社内ネットワークと他社の社内ネットワークは直接繋がっていない。

そのため、異なるネットワーク同士の通信には、サーバが使われることが多い。
サーバのみをインターネット上に配置し、そのサーバを介して通信をする。

4.サーバの役割

サーバとは、特定のパソコンの本体のことだと思っている人が多い。
しかし、サーバの正体は、ソフトウェアだ。
1台のパソコンに複数のサーバをインストールして使うこともある。

例えば、メールサーバ。
これは、メールを受信しメールボックスに保存する役割がある。
逆に、メールを送信する役割もある。

例えば、Webサーバ。
これは、Webサイト、ホームページのデータを保存しておき、リクエストに応じてデータを配布する役割がある。

特定の役割を持ったサーバをつくることもできる。
サーバの正体は、ソフトウェアだからだ。
パソコンやスマホから、特定のリクエストを出した時に、特定のプログラムが実行される。
そして、プログラムで処理された結果をパソコンやスマホに返すことができる。
そんな仕組みをつくることができる。

ここが非常に重要だ。
本当に有効なDXのアイデアは、この仕組みが使われることが多い。

5.データの入出力とプログラム処理

サーバの正体は、ソフトウェアであり、プログラムだ。

プログラムは事前に決められた動きを永遠に繰り返すことができる。
自動製造機のようなものだ。
自動製造機へデータを入れると、加工されたデータが返って来る。
そのデータを画面に表示したり、データとして保存することができる。

プログラムにルールを与えることが重要だ。
例えば、プログラムに気温、湿度のデータを与えると、過去のデータを分析して、1時間以内に来店する客数の予想値を画面に表示する。

ここで重要なのが、気温、温度の取得方法だ。
これには、センサーを使う。
センサーを通して、リアルタイムに気温と湿度の情報をプログラムに送り続ければ、来店客数を延々と予想しつづける仕組みになる。

センサーは、測定する場所に設置する必要がある。
しかし、サーバは測定する位置に設置する必要はない。
インターネットを介して、センサーから送られてくるデータをサーバへ送れば良い。
これがIoTと呼ばれるものの正体だ。

この仕組みは、一度つくれば、その後ずっと動き続ける。
来店客数の予想をベテランに都度聞く必要はない。
時間コストも教育コストも削減できる。
開発コストを除けば、残りは僅かな電気料金で運用できる。

6.自動化の設計

前記の1~5までを理解できれば、自動化の設計ができる。

A.プログラムに出力して欲しいデータを決める
B.プログラム処理のルールを決める
C.プログラムへ入力するデータの取得方法を決める

上記の内、Bに関してはプロに任せればよい。
しかし、AとCは、自社内で決めなければいけない。
特に、Aに関しては、経営者主導で行うとDX計画の成功率は高くなる。

――― 出力データは「目標」そのものだ

経営者が決めることをおすすめする。

DXアイデアの立案方法

まず「目標」を決める。
例えば「特定の業務を自動化する」というスタンダードなもの。
こういったものは、小さなことでも数を積み上げるのが良い。
気づいたら、随分な業務効率改善に繋がっているはずだ。

もっと攻めるなら「ネットでオーダーを受けて自動で生産する」ということもできる。

例えば、Webサーバを設置して、そこで寸法等を入力するプログラムを設置する。
入力された情報はデータベースサーバに保存する。
工場の製造機は、インターネットを介してデータベースサーバから情報を受け取る。
そして、自動で製造を開始するプログラムへその情報を送る。

上記は、実際によくある例だ。
受発注の手間はなくなる。
製造まで自動化すれば、製造担当の手間もなくなる。
完全自動化は無理でも、情報が製造担当までダイレクトに届くだけで業務はスムーズになるはずだ。
さらにDXを進めれば、商品の集荷依頼、発送作業まで半自動にできるかもしれない。

こうやって考えると、DXは面白い。
新しい事業、新しいビジネスモデルをつくるベースにもなる。
ぜひDXを楽しいで欲しい。


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